テラーノベル
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放課後の校舎には、ガラスを叩く秋の風の音が満ちていた。
私――宮桜子は、文学部の部室に一人残っていた。何気なく部室を見渡すと、一番後ろの机の上にノートがあった。机の上には、薄く埃を被った古いノート。タイトルは《学園殺人事件》。
「誰が書いたの、これ……?」
ノートの表紙には、日付が記されていた。
昭和63年・11月7日。
奇妙なのは、そのノートに書かれている「登場人物」の名前がすべて、今の私たち文学部のメンバーと一致していたことだった。
被害者:宮桜子
容疑者:石田仁人、坂口すみれ
探偵役:宮桜子
犯人…????
……おかしい。
私はまだ死んでいない。
だが、そのノートの中では、私は校舎裏の焼却炉で焼死体として発見されていた、ことに
なっているらしい。
ページをめくるごとに、ノートの中の「事件」は、これから起こる未来を正確に予言しているように見えた。
そして─最後のページの端に、小さく、こう書かれていた。
《この事件を防ぐ方法は、まだ見つかっていない》
コメント
4件
上手すぎる…!え⁉まじ小説家なれるんじゃない⁉やばいすぎる…!!
え!めっちゃ上手すぎない?!これが初投稿?!
うぉぉ!すげぇ!うますぎないか⁉