テラーノベル
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最近、舜太はずっと悩んでいた。
理由なんて考えなくても分かってる。
—勇斗のことだ。
あの日、ソファに押し倒されて手を繋がれて、近い距離で見つめられて。
『最近、俺のことちゃんと見てくれてる』
そう言われた時から、もう誤魔化せなくなっていた。
勇斗が近くにいると落ち着かない。
でも離れると気になる。
他の人と楽しそうに話してるとモヤモヤするし、自分に笑いかけてくれると嬉しい。
それってもう、答えみたいなものだった。
「……はぁ」
楽屋のソファに沈みながら頭を抱える。
すると隣に座る気配がした。
「またため息」
聞き慣れた声。
顔を上げれば勇斗がいる。
「っ」
目が合った瞬間、心臓が跳ねた。
勇斗はそんな舜太を見て少し笑う。
「最近逃げなくなったね」
「……慣れただけ」
「それ前も聞いた」
「うるさい」
勇斗はくすっと笑いながら、自然に舜太の隣へ寄った。
肩が軽く触れる。
それだけでドキッとしてしまう自分が悔しい。
「しゅんた」
「……なに」
「今日ずっと俺のこと見てた」
「見てへん!」
即否定。
でも勇斗は完全に分かってる顔だった。
「見てたじゃん」
「……知らん」
顔を逸らす舜太。
勇斗はそんな反応を見て、優しく笑った。
「かわいい」
「もうそれやめてって……」
舜太は小さく勇斗の肩を押す。
すると勇斗がその手をそっと掴んだ。
「っ」
前ならすぐ振り払っていた。
でも今は、できない。
勇斗は繋いだ手を見つめながら、小さく息を吐く。
「……やばいな」
「なにが」
「しゅんたが拒否しなくなってる」
その言葉に胸が熱くなる。
図星だった。
勇斗に触れられるたびドキドキするのに、嫌じゃない。
むしろもっと触れてほしいって、少し思ってしまう。
そんな自分が信じられなかった。
勇斗は少しだけ真面目な顔になる。
「ねぇ」
「……」
「今も、俺のこと メンバー だけだと思ってる?」
その問いに、舜太は息を止めた。
前なら迷わず頷けた。
でも今は無理だった。
だって最近、勇斗を見るたび胸が苦しい。
優しくされると嬉しい。
目が合うだけで変になる。
それを メンバー なんて言葉だけではもう説明できない。
「……分からへん」
小さく呟く。
勇斗は黙って続きを待っていた。
舜太は勇斗を見れないまま、小さく呟いた。
「でも……はやちゃん他の人とおると嫌やし」
「……っ」
「近づかれるとドキドキするし」
勇斗の手が少し強く握られる。
舜太は顔を真っ赤にしながら続けた。
「おらんと寂しいし……」
そこまで言った瞬間。
ぐい、と腕を引かれた。
「っ!?」
気づけば勇斗の胸に引き寄せられていた。
「は、はやちゃん!?」
勇斗は舜太を抱きしめたまま、肩に顔を埋める。
「無理……嬉しすぎる」
声が少し震えていた。
舜太の心臓も限界だった。
近い。
温かい。
安心する。
「しゅんた、それもう好きじゃん……」
「っ……」
その言葉に、舜太の鼓動が大きく跳ねる。
好き。
その言葉を頭の中で繰り返した瞬間、不思議なくらいしっくりきた。
勇斗が好き。
そう認めた途端、胸の奥がじわっと熱くなる。
勇斗はそっと顔を上げる。
近い距離で目が合った。
「……しゅんた」
「……なに」
「今、キスしたい」
真っ直ぐな声。
前なら絶対逃げてた。
でも今は。
舜太は小さく目を閉じる。
その瞬間、勇斗の表情が優しく崩れた。
そして勇斗は、舜太にキスをした。
コメント
2件
ほんとに、表現が天才すぎます😭
うわ、ついに自覚しちゃったね…! 前回までの「逃げてるけど気になる」から、今回で完全に「好き」って認めたのがもう、こっちまでドキドキしました。楽屋で肩が触れるくらいで心臓跳ねて、最後は自分から目を閉じるなんて、半年分の距離を一気に詰めた感じ。勇斗の「もうキスしたい」って真っ直ぐな台詞もめっちゃ良かったです。この先、二人がどう変わっていくのか気になりますね。
あ
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