「おはようございます」
楽屋に到着した渡辺は荷物を降ろし…スマホを開いて、本日の予定を確認する…
『………おかしい…静か過ぎる…』
いつもは真っ先に走り寄って来るはずの、アイツの姿が何処にもない
楽屋の中を探してみると、宮舘と何か楽しそうに話をしているのが見えた
リアクションが大きい彼は、誰とでも仲良くコミニュケーションを取る事が出来る…
『俺には出来ない芸当だ…』
羨ましいとは思わないが、アレも一種の才能なのだろう…
この芸能界で、社交術は…かなり強力な武器になる
宮舘も向井の事は気に入っている様で、和やかに会話が進んでいるのが見て分かった
「やっぱり、あっちの方が楽しいんだろうなぁ…」
そう呟いた自分の言葉に哀愁が漂っている様な気がして、俺は慌てて頭を振る
『違う!俺が寂しいなんて絶対無い!』
そう言い聞かせる様に自分に告げると、向こうから向井が走って来るのが見えた
「は?」
「だから…明日舘さんと買い物行く話してたんやけど、しょっぴーも行こ」
突然そう言い出した向井は、スマホでスケジュールを確認し始める
「確か、しょっぴーも明日はオフだったはず…ほら、やっぱりそうや!」
確認が取れて、嬉しそうな顔の向井に
「なぁ、俺の意見は聞かないの?」
勝手に進んでいく話に、このままではマズイと感じた渡辺が口を挟む
「えっ、しょっぴー駄目なん?」
一変して、ショボクレた表情になる向井に
「だから、それを先に俺に聞けって言ってんの!」
至極当然な事を言って放つ
「だって、俺…一緒に買い物行きたかったし…」
「だって、じゃねぇ」
「………」
上目遣いの泣きそうな…子犬の様な目で見つめられた渡辺は、少々怯むが
「そんな目で見ても、駄目なものは駄目!」
「……ごめんなさい」
「はぁ…」
やっと素直に謝って来て、ようやく反省したかと胸を撫で下ろすと
「でも、しょっぴーも行くやろ?」
再び、向井の反撃が始まった…
コメント
4件
康二可愛いね。でもこのままじゃ恋愛に発展しなさそう🧡💙