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公開からさほど経っていない筈なのに、沢山の方にいいねを頂き嬉しい限りです。
私の中の語彙力や表現力を絞りに絞って書いているので、更新頻度は少ないと思います。
暇を見つけてちょくちょく書いているので許してください
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーキリトリーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
静まり返った地下の中に、彼を殺したものがいる。
「ー少し、いいかい」
最初に口を開いたのは、アルフレッド・ジョーンズだった。
「今 ここにいる皆の、考えていることは同じだと思うんだ。
でも、その前にー」
「マシュー、席を外してしてくれないか。」
誰も其の意見を批判することはなかった。
今だ尚、マシューはフランシスに支えられながら涙を流し続けている。
もはや声を発することもままならない程、精神、心身共に疲弊しきっていた。
マシューはフランシスに連れられ、別の部屋へと移った。
マシューがその場を去った後、アルフレッドがポケットから、一通の手紙を取り出した。
宛先には、アルフレッドの名が、送り主には、彼の名前が記された手紙であった。
それを見るや否や、地下は国々の声で溢れかえった。
それを制したのは、やはりアルフレッドだった。
「これが送られたのは3ヶ月前。どういう意味か、分かるよね?
3ヶ月前までは、彼は生きていたってことだよ。
誰か、これより後に、彼と会った国はいるかい?」
地下は再び静まり返った。
日本の国体である本田菊が、沈黙を破り、ゆっくりと右手を挙げた。
そして、まるで昨日のことかのように、その日を語った。
「…2ヶ月と少しでしょうか。アーサーさんを、私の家にお招きしました。 」
本田は続ける。
「アーサーさんが、紅茶の茶葉を下さいました。
…お疲れのようでしたので、マッサージも少々……
その後すぐにお眠りになりましたが、時間も時間でしたし、起きてすぐにご出発されました。」
「アーサーさん、隈が酷くて…元々お忙しい身だということは知っていますが…
なにか、心配ごとがあったのでしょうか…それを隠すためにさらにお仕事をされているように
見えました。」
アーサーにとって「友達」という関係性は、滅多に結ばれることのない、貴重なものであった。
ましてや本田の前では、「常に紳士的」な立ち振舞いを心がけている。
そんなアーサーの「友達」である本田は、感情の機敏に鋭く、観察眼に長けていた。
彼の努力も空しく、彼の心配事は、本田に見抜かれていたのである。
「心配事って…」そう声を発したのは、
スペインの国体であるアントーニョ・ヘルナンデス・カリエドである。
本人は無意識だったらしく、慌てて口をふさいだ。
「どういうことだい?」
アルフレッドだけではない。地下にいる、全ての国体の視線がアントーニョに突き刺さった。
「…本当は、ポルが喋った方がええと思うんやけど…」
アントーニョの隣には、良く似た容姿の、髪を1つに結った男がいた。
「話せる?ポルトガル」