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💚side
……俺らしくもない。
何か言いたそうに擦り寄ってくる翔太に苛立ち、つい感情的になった。
俺は今まで、なるべく人が気分よくいられるように、それが最終的に自分が居心地よく過ごせる方法だと信じて人に対して振る舞ってきた。今までしてきたどの恋愛でも、誰かを陥れようとか無理に略奪しようとか考えたことなど一度もなかった。愛とは神聖なもので、愛し合う2人以外は絶対不可侵だと思っていた。
それにしても、目黒には失望した。
翔太からの気持ちを受け取っておきながら、俺に黙って話を最後まで聞くなんて趣味が悪い。翔太も翔太だ。目黒に気持ちがあるのに、俺を誘惑する必要なんてないだろう。お互い、いくら酒に酔ってたとは言え、あんなことになるなんて。何も知らずに喜んで翔太を抱いた俺は、翔太の中に何を見ていたんだろう。思ったより淫乱なんだなと思った。男なら誰でもいいのかよ。
未だかつてそうそう感じたことのない怒りの感情がどす黒く胸に蓄積していくのを止めることができない。ふいに鳴ったスマホの発信者を確かめもせずに、無愛想に電話に出た。
💚『もしもし』
💙『……俺』
家路へ向かう移動車の中。走行音に負けそうな消え入るような声で翔太の声がした。さっき別れたばかりなのに、まだ何か言いたいことがあるのだろうか。
💚『今日は疲れてるから、また今度にして欲しいな』
なるべく柔らかく断って電話を切ろうとすると、待って!と悲痛な声を上げる。そのせいで翔太を虐げたくなるような気持ちが湧いた。
💚『なに?またやらせてくれるの?彼氏いるのに?』
💙『…………』
💚『そうじゃないなら、バイバイ。また今度ね』
電話を切ると、また掛かってきた。
💙『会って、話がしたいんだよ。やりたいなら、やってもいい。俺の気持ち聞いてくれない?』
人の機嫌を窺うような翔太らしくもないその口ぶりに苛立ちが募り、感情が昂って、どうしようもなかった。これ以上愚に愚を重ねたくはない。深呼吸してから、答えた。
💚『悪いけど、俺は傷ついてる。大切な気持ちを踏み躙られたと思ってる。翔太の気持ちは理解できないし、今は受け止める余裕もない。相談があるなら目黒にしたらいいだろ』
💙『……………』
💚『お互い、あの夜のことは忘れよう』
💙『……阿部ちゃん…ごめんなさい』
啜り泣く声がしたが、これ以上聞いていられず電話を切った。こちらも知らぬ間に、涙が流れていたが、流れるに任せて、拭うこともしなかった。
コメント
15件
あべちゃんを応援したくなっちゃう めめもやり方汚いけど辛いし どうなるんだぁーーー😱😱😱
続き楽しみですああ
阿部ちゃん〜‼️‼️‼️‼️