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💙side



阿部ちゃんが怒った。


あの、温厚で一度も人に声を荒げた姿を見たことがない阿部ちゃんが。


とてもショックで、そしてとても胸が苦しかった。


ついさっき、振り切るようにして別れたばかりのめめの家に阿部ちゃんに拒絶された勢いのまま向かう。


インターホンを押すと、機械的に、上がって、と返事が返って来た。インターホン越しではめめの感情が読めなくて怖い。控え室で阿部ちゃんを未練がましく追ったのも見られているし、このまま責められて別れることになるかもしれない。いっそ別れてしまえば、何もかも清々していいかもしれない、と自分の想いだけの、そんな身勝手なことを思った。





めめの部屋に入ると、嗅いだことのない甘く不快な匂いがまず鼻をついた。めめの好きなお香でも焚いているのかと思ったら、めめが紙を巻いたタバコ状のものを咥えていて、今まで見たことのないような目つきをしていた。直感的に、イヤな予感がして、その紙巻きタバコを奪った。そのまま灰皿に捨てる。


💙「何やってんだよ!」

🖤「翔太くん、こんばんは。さっきぶり」


酩酊したように虚ろな目を向けてくるめめの、頬を思いっきり叩いた。


🖤「何すんだよ」


怒っためめに掴みかかられ、あっけなく仰向けに押し倒され、馬乗りになられている。両腕は頭上で固定された。そのまま強引に重ねようとする唇を拒否して、口を固く結んでいたら、思い切り頬を張られた。


🖤「お返しだよ」


叩かれた場所が熱を持ったのがわかる。

怒りで震え、睨みつけると、めめは無表情のまま俺の上からどいた。


🖤「全部、しょっぴーが悪い」

💙「…………」

🖤「阿部ちゃんと寝たんだって?……阿部ちゃんから聞いたよ。阿部ちゃん、スゴく嬉しそうだったけど、どうして素直に好きだって言ってやらなかったの?」

💙「それは…」

🖤「もしかして俺に同情してる?」

💙「……………」

🖤「傷つくんだよね、いちいち。好きでもないのに好きですって顔されるとさ」

💙「…違うよ」

🖤「ああ、でも俺が悪いか。こんなにぐちゃぐちゃになるまで、しょっぴーに惚れて、惚れて、惚れて、壊したくなっても、壊せないでいるんだもんね」


一人でそこまで一気に言うと、めめは俺の手首をぐいっと力任せに掴み、引っ張る。そのまま床の上を引き摺られ、寝室へと連れ込まれる。乱暴にベッドに投げ出された。


💙「っつ!!」

🖤「絶対に別れないよ。俺たちは別れない。大体、その様子じゃ大好きな阿部ちゃんにも嫌われちゃったんじゃないの?」


ぐうの音も出ない。

でもこのまま乱暴に抱かれるのだけはイヤだった。なし崩しに服を脱がされそうになるのを必死で止めた。抵抗するうちにシャツのボタンが幾つか弾け飛ぶ。何度も頬も叩かれ、最後には口の中で血の味がしたけど、全力で抵抗し続けた。


🖤「俺のことが嫌いになった?」

💙「…はあっ……違う」

🖤「じゃあ好き?」

💙「………………」


答えようのない問いかけが上から降ってくる。ほとんど駄々っ子のようなめめの、一生懸命な想いに、思わず釣られて涙ぐんだ。


🖤「しょっぴーが泣くなよ。なんで泣くんだよ」

💙「わからない。悲しい。めめのこと、好きな自分もここにいるからかな」


胸を指すと、それを見ためめの目が驚きに見開かれた。俺は、素直な思いのままを隠さずに口にした。


💙「ここまでされても、正直、めめのこと、嫌いになれない。俺、どうしちゃったんだろう。でも、阿部ちゃんにこのまま嫌われるのもイヤなんだよ。苦しいよ。めめ、助けてよ」





🖤side



何この人。

俺のこと、本気で拒絶することもしてくれないの。


悪い先輩にいつか無理やり押し付けられた薬がついさっきまで俺から目の前の出来事の現実感を奪っていた。今は少し冷静になっている。 俺に何度も殴られた翔太くんの顔はうっすらと赤く腫れていた。謝らなきゃ。殴られてもなお翔太くんは美しかった。たとえ俺を選ばなくても愛している。


阿部ちゃんとの仲をあんなに邪魔されて今は乱暴もされてるのに、俺のこと嫌いになれないってなんだよ。 俺に希望を見せるなよ。しょっぴーはちっとも俺を手放す気がないじゃないか。


自分自身を追い込んだ卑怯な作戦は、狙い通りに奏功して、阿部ちゃんとしょっぴーの間に間違いなく大きな亀裂を生じさせたようだった。それはしょっぴーを見ていればわかる。本当にわかりやすい人だ。


🖤「このまま抱くよ、いいね?」

💙「乱暴にしない?」

🖤「ごめんね、痛くして。でももう絶対にぶったりしない」

💙「……んっ……」


俺に本心を打ち明けて気が抜けたのか、翔太くんは布越しにモノを弄られて早速甘い吐息を漏らした。本当に淫乱な身体だ。何度も抱いているうちに、快楽に貪欲なしょっぴーは、すっかり可愛いネコになっていた。ベッドで抱かれると、向こうからもっとと甘えてくることも度々あった。その甘えた痴態の中に、ほんのひと匙でも愛情があったというのだろうか。


求められるたびに俺は戸惑いながらも喜び、もっと深くとしょっぴーに溺れていく。この先は袋小路で、一方通行で戻れなくなるのをわかっていながら自ら進んでこの沼に溺れた。今も己の欲望に正直に腰を押し付けて、もっと触れてくれとでも言いたげだ。


🖤「勝手だね」


我儘な女王様。被害者のような顔をして、被害に遭ってるのは俺たちだ。

思わず本音が口をつき、しょっぴーの目が悲しみを浮かべる前にズボンを脱がし、屹立を手で優しく包んだ。

蕩ける視線はもう抵抗の意思がないことを示している。

さっきまで、あんなに嫌がっていたのにもう俺を受け入れようとしている。しょっぴーの本心が理解できないせいで、俺はしょっぴーから離れられない。


💙「…めめ、一番悪い俺にお仕置きして」


開かれた腕の中に、まるで聞き分けの良い従者のように、抗うこともできずに飛び込んだ。

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コメント

4

ユーザー
ユーザー

最後がどうなるのか想像つかないですが、あべちゃんにも幸せになって欲しいです🙏

ユーザー

一度書き上げ、気に入らなくて書き直し、何とか折り合いをつけて出しました。もう読む人もうんざりしちゃってるんだろうなーと思ってます😂 マイペースに更新していきます💪

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