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#死ネタ・グロ・流血表現注意
#探偵
橘靖竜
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麟兎
43
「……俺を、殺した?」
神崎は少女を見つめた。
少女は震えている。
「はい……。」
「いつ?」
「三年前です。」
神崎の頭に、また激痛が走った。
三年前。
佐伯が死んだ日。
自分がこの場所へ来ていたという日。
そして、この少女が何かをされた日。
すべてが一本の線でつながり始める。
「思い出せることを全部話してくれ。」
少女は唇を噛んだ。
「私は、ここに連れてこられました。」
「誰に?」
「……あなたに。」
神崎の表情が変わる。
「俺が?」
「正確には……あなたと同じ顔をした人に。」
もう一人の神崎が目を伏せる。
「やはり……。」
「知っていたのか?」
「ええ。」
「なら、最初から話せ!」
もう一人の神崎はしばらく黙っていた。
そして、静かに語り始める。
「三年前、この施設では大規模な実験が行われていました。」
「人間の記憶を別の肉体へ移す実験。」
「その被験者として選ばれたのが、彼女です。」
少女が俯く。
「私は、記憶を消されました。」
「そして新しい記憶を植え付けられた。」
神崎は息を呑む。
「どんな記憶だ?」
少女は神崎を見る。
「あなたが私の父親だという記憶。」
神崎の目が見開かれる。
「……俺が?」
「はい。」
「でも、俺は……。」
「分かっています。」
少女は涙を流した。
「本当のあなたじゃない。」
────────
佐伯が口を挟む。
「問題は、その後だ。」
「実験中に事故が起きた。」
「施設のシステムが暴走して、記憶データが大量に破損した。」
「そして……。」
佐伯は神崎を見る。
「お前が死んだ。」
「俺が?」
「正確には、元の神崎悠真が。」
神崎は息を止めた。
「俺には、その死の記憶がない。」
「当然だ。」
佐伯は答える。
「今のお前は、十三回目に作られた神崎だからな。」
「……十三回目。」
神崎は自分の手を見る。
「じゃあ、俺は本物じゃない?」
「違う。」
佐伯は首を横に振った。
「本物か偽物かなんて、もう意味がない。」
「お前は確かに神崎悠真だ。」
その言葉に、神崎は何も返せなかった。
────────
少女が突然、頭を押さえた。
「……うっ。」
「大丈夫か?」
神崎が駆け寄る。
少女の瞳が大きく開く。
そして。
「思い出した……。」
「何を?」
少女は神崎を見つめた。
「あなたを殺した方法。」
神崎の背筋が凍る。
「話してくれ。」
少女は震えながら答えた。
「私は……銃を持っていました。」
「誰かに渡された。」
「そして、あなたに向けた。」
神崎は息を呑む。
「でも……。」
少女は首を振る。
「撃ったのは、私じゃない。」
「……どういうことだ?」
「私の手を、誰かが後ろから動かした。」
少女の目から涙が落ちる。
「その人が、引き金を引いた。」
「誰だ?」
少女は答えようとした。
しかし。
突然、礼拝堂の奥で爆発音が響いた。
ドンッ!!
煙が広がる。
「伏せろ!」
神崎が少女を抱えて床に倒れる。
佐伯が叫ぶ。
「逃げろ!」
信者たちが一斉に出口へ走り始める。
もう一人の神崎だけが、その場から動かない。
「お前も来い!」
「私は行けません。」
「なぜだ!」
男は自分の胸元を開く。
そこには小型の装置が埋め込まれていた。
赤いランプが点滅している。
「私は、ここから離れると死ぬように作られています。」
「……何だと?」
「私の中には、この施設のデータが入っている。」
「だから彼らは、私を逃がさない。」
神崎は男の腕を掴む。
「だったら一緒に逃げる!」
男は初めて微笑んだ。
「ありがとうございます。」
その瞬間。
施設全体に警報が鳴り響いた。
《緊急システム起動》
《被験者001、逃走を確認》
《記憶消去プロトコル開始》
神崎の顔から血の気が引く。
「記憶消去……?」
佐伯が叫ぶ。
「神崎! 今すぐここを出ろ!」
「でも……!」
「急げ!」
壁のモニターに、赤いカウントダウンが表示される。
10:00
09:59
09:58
神崎は少女の手を掴む。
「走るぞ!」
三人は地下通路を駆け出した。
その背後で。
もう一人の神崎が、小さく呟く。
「……これで、最後だ。」
神崎が振り返る。
「何?」
男は答えない。
ただ、地下祭壇の中央に残された黒い本を見つめていた。
その最後のページには、新しい文字が浮かび上がっている。
**被験者001**
**記憶消去まで 09:41**
**対象:神崎悠真**
**対象:佐伯修司**
**対象:第十三候補**
そして、その下。
本来なら何もないはずの欄に、もう一つ名前が浮かび上がった。
**対象:神崎悠真(第十四候補)**
地下深く。
誰もいない部屋で、誰かが笑った。
「十三回では終わらない。」
「彼には、もう一度だけ死んでもらおう。」
カウントダウンは、止まらなかった。
コメント
1件
えっ、まってまって展開ヤバすぎる…!!😭💦 「十三回目に作られた神崎」って、つまり今までの神崎さんはみんな死んでるってこと…?しかも第十四候補がもう出てきてるの怖すぎる…! 少女の「あなたを♡♡♡た方法を思い出した」からの「撃ったのは私じゃない」って流れ、背筋ゾッとしたよ…。もう一人の神崎の「ここから離れると死ぬように作られてる」って台詞も切なすぎる…涙止まらん😢💔 カウントダウン始まっちゃったし、どうなるのこれ…!続きが気になって仕方ないよ!!🔥