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AfterStory 雲雀side
風「泣きすぎ、雲雀」
そう言って荒く俺の涙を拭ってくるのは、
ついさっき恋人に戻ったやつ。
貰ったアネモネの花束を持って、
5年ぶりに歩く俺の家への道。
渡「泣いてねぇって。
︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎⋯てか、なんで思い出したの?」
風「夢⋯と、手紙のおかげ」
手紙..?
俺、渡してないよな?
なに?
どういうこと?
風「酒で潰れた日起きたら
︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎雲雀の部屋だったじゃん?
︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎でたまたま雲雀の机の上に
︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎手紙置いてあって」
うわっ…
もう捨てようと思って
置いたままだったやつ⋯。
渡すつもりなんかなかったけど。
そのおかげで記憶戻ってくれたみたいだし、
結果オーライ?
渡「⋯なんて書いてあったの」
風「んー?雲雀への愛がいっぱい
︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎書かれてたよ。
︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎好き~、愛してる~って」
渡「⋯キモ」
口ではそう言ったけど嬉しくて。
「うおい!」なんて声を上げた
奏斗がまた面白くて。
声を出して笑えば
風「雲雀のその笑い声、大好き」
だなんて不意打ちに言ってきて、
顔が赤くなる。
風「ははっ!顔真っ赤。かわいいね、雲雀」
そう言ってクシャッと頭を撫でた。
渡「⋯っせ」
あと少し、あと少しで俺の家。
もう、離れることは無い。
そう思っていても寂しくて不安で。
思わずギュッと奏斗の手を強く握り直した。
風「⋯雲雀?」
優しく振り向くのは奏斗で。
大好きな奏斗だけど。
『誰?』と言われた時のことが蘇ってきて。
そんな時、ギュッと温もりに包まれる。
風「ごめん、雲雀。不安でしょ?
︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎また忘れられるかもって。
︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ごめん、ごめんな、雲雀」
そう言って抱きしめてくれる。
言わなくても分かってくれる。それが奏斗で。
本当に奏斗なんだ⋯って
思ったらやっと実感がいて。
抱き締め返す。
どのくらいこうしていただろう。
突然「たらいー!」と言う声が聞こえて
バッと体を離す。
声の主はやっぱりアキラで。
いつかもこんなことあったよな。
セ「アキラ!邪魔⋯って、
︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎たらい⋯と風楽さん?」
アキラを追いかけてきたセラおが
俺と奏斗を見てびっくりしてる。
アキラも珍しく固まってて。
四「どいうこと?!雲雀!付き合えたの?
︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎諦めるって言ってたのに!」
固まってたアキラが突然興奮し始めるから、
面白くて。
渡「⋯うん、付き合ったの。⋯奏斗と」
四「たらい⋯それって」
渡「うん、奏斗⋯全部思い出したんだって。
︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎俺の事忘れてたあの期間も
︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎俺の事好きになってくれてた⋯」
そう伝えれば嬉しそうに笑って
「良かった・・・」なんて言ってくれて。
アキラなんか泣きそうなくらい喜んでて。
セ「風楽さん」
突然、セラおが奏斗に話しかけた。
風「はい」
セ「雲雀のこと幸せにしてください。
︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎沢山、泣いたんで、その分、
︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎それ以上にたらいのこと、
︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎笑顔にさせてください」
風「⋯もちろん。もう泣かせません」
同級生なのに、敬語でなんか話してて。
セ「ふふ、良かった。同じ会社の同期なんで
︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎楽しみにしてます」
風「⋯はい」
セ「じゃあ。アキラ、行こっか」
四「え!あ、うん!じゃあね、
︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎たらい!風楽さん!」
うるさいのが去っていって思う。
…同じ会社の同期⋯?
渡「⋯はぁ?!」
風「うおっ、なに?どうした?」
渡「同じ会社って…・・」
風「あぁ~、そう、俺と雲雀、
︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎同じ会社だよ。4月から」
サラッと言うじゃん。
結構爆弾発言だよ?てか、
教えてないんだけど俺の職場。
風「元々俺、雲雀と同じ会社に
︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎行くつもりだったの。
︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎だからエニカラの内定貰ったって
︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎風の噂で聞いて同じとこ
︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎面接受けに行ったの」
渡「⋯へ?え?パニック、
︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎てかなんでセラおが」
風「たまたま面接の日にあったんだよね。
︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎同期ですねなんて声掛けられて。
︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎だから知ってるんだと思うよ」
正直凄い、嬉しい。
めっちゃ嬉しい。
え、だって、会社でも一緒に居れるんだぜ?
幸せすぎるって。
風「ね、雲雀」
俺の家の前。
名残惜しくて手を離さないでいれば、
奏斗が俺と日を合わせてきた。
渡「⋯なに?」
風「2人で暮らそっか」
フタリデクラス⋯?
ふたりで⋯?
2人で暮らす⋯?
風「嫌?」
渡「んなわけねぇ⋯って」
風「ははっ、なら良かった。
︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎そしたらいつでも2人で居れるもんね。
︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎好きだよ。雲雀。愛してる」
サラッと言いやがる。
恥ずかしいけど。
恥ずかしすぎるけど、俺も、俺も言ってやる。
“奏斗
︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎︎ ︎ ︎ ︎────愛してる。”