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注: この作品はUT-AUのInkさんとGinさん、Errorさんの二次創作小説です
人によってはキャラクターの解釈不一致を感じる場合が あります。
あと、とてーも短い。
ワンクッション
僕の親友がなくなった。
床にたたきつけられたせいで割れた小瓶を見て、こう吐き出す。
「アレで、彼の物語は完成したね。」
悲しくはない。それよりも、物語の道筋通り動かしたことの達成感に目を向ける。
清々しいほどに澄んだ空気をめいいっぱい吸って吐く。もうあのこと、
「ん〜っ、! いや〜、働いた、働いた!」
業務内容もなにも覚えていないが取りあえず働いた。後でエラーと一緒に映画鑑賞しよう、と自分だけの予定を頭に入れてDoodle Sphereへインクを撒いた。
。
「エラー! おっはよ〜! 一緒に絵、描こうっ!!」
手を振りながら、Anti-Voidを走り彼の元へ急いだ。でなきゃ、お化けが来るかもしれないから。
こちらを二度見してグリッチが増えたエラーは少し仰け反る。
「いっ、インク!? テメェなんでここにっ、」
「僕に行けない場所はないんだよ、エラー!
ほらっ、さっさとスペース作って! 紙を広げるよ!」
「は? いや、オレはいい… 「僕の土産話聞かせてあげるから! ねっ?」 お前の土産話、誰が聞きてぇんだよ!!」
快く承諾してくれた目の前の友に、画材を並べながら言った、「エラーってば、本当に僕が好きなんだから。」という一文に照れたエラーは地団駄を踏んで発狂していた。
そうして準備ができた僕の横で、さっきまで癇癪を起こしていたエラーが突然静かになった。
「………。」
「…? エラー、どうしたの? フリーズしちゃった?」
「…お前、…青のインクどうした。」
細い奇抜な色の指を指した所は僕の瓶のフォルダーだ。そして本当にその小瓶の場所だけすっぽり抜けていることに驚いた。
「っ、あれぇっ!? 僕の青い瓶っ、…あれ?!」
「…はぁ……バカ。」
「っ、あいてっ。」
「本当は痛くないくせに。」
エラーの糸でペシッと叩かれる。どこで落としたか過去の記憶を辿っても一向に思い出せない。ウンウンと唸って数十秒、エラーが励ますように言った。
「んまぁ、お前のことだから忘れた頃に思いだすだろ。我慢時だぜ。」
「そっ、…そんなぁ…。あれがないと悲しみが…。」
「なんでそんなの感じたいんだよ…。ほら、絵描くんだろ。今日だけだからな。」
「あぁっ、そうだった! エラーはどのペンがいい?」
「普通の。」 「普通のってなに?」
さっそく僕らはペンを取り、緩やかに紙へ走らせた。エラーはなぜか、自分がAUたちを破壊する絵を描いている。それも結構上手。
絵の中でなら破壊を許そう! と、ココロの中で守護者心を揺さぶった僕は、今日の出来事を話した。
「そうそう、聞いてよエラー! 今日ね、すごく活躍したんだ!」
「…へぇ? なんの活躍だ?」
普段は敵対し合っている僕らだけど、実際、普通に仲のいい友人なんだ。心を躍らせて偉業を語りだせば、エラーはしっかりと聞いてくれる。
「えっとね、…」
「……忘れたとか言わないだろうな?」
「ううん、今思い出した! ジンサンズっていう僕の親友がいてね、そこのAUのストーリーをさっき完結させてきた!」
「うえぇ…またAUの話かよ。…で、…その、AUのストーリー…、ってのは?」
AUを極端に嫌うエラーは最初こそ嫌がるけど、徐々にきになってきたのか、もじもじしながら聞いてきた。
AUのストーリーが気に入ったら後で鑑賞するつもりなんだろうな。
「えっと、…ん、なんだっけ。最後の方は覚えてるんだけどなぁ〜……序盤が出てこないや。」
トホホ、と頭を掻く仕草をしてみれば、彼はやっぱり、とでもいいたげに呆れる。
「だろうと思ったけどな…いいや、どうせ再放送はやらないだろうし。最後の展開だけ教えろ。」
「ん? うん、いいよ! あのね、ジンが死んじゃうの!」
「…はあ…?」
「あ、原因は、ジンのAUに登場する君なんだけどね? それでそれで〜、」
「おい、ちょ、ちょっと待て。っ、お前の親友なんだろ。なんでそんなに…。」
急に焦りだしたエラーを不思議に思って心配そうに見つめた僕。なにが問題なのか全く分からずに疑問符だけが増えていく。
「…あぁ、だからか。」
次の言葉を待っていたのだけど、僕の肩掛けを見て勝手に納得され、僕だけがわからないままだった。しびれを切らして自分から聞きにいく。
「何の話? 続けていいかな。」
「ダメだ。」
「なんでっ!?」
それからも、いろいろと聞き出してみたり試したが、結局なにも答えてはくれなかった。
。
「ジンっ! 嫌だっ、おねかい! 死んじゃ嫌だよ! ジンっ!!!」
僕の腕の中で塵になっていくジンに新鮮味を感じながら、必死にその塵を掬い上げていた。
「インク、…大丈夫…大丈夫…。なにも、怖くないさ。」
ボロボロと大粒の雨が自分の頬から流れて彼のジャケットを濡らす。悲しくてたまらなかった。
「っ…、そっ、かぁ………。」
抱き返してくれた腕の感触がなくなっていく。
そして、やがて全員がオメガタイムラインに移行し、誰もいなくなったAUで投げやりに小瓶を叩き割った。それも、青いインク瓶。
僕の無くなった感情の代弁である、複数の色をした僕だけのインク瓶。それぞれの色がそれぞれの感情を担当している。青いインクは悲しみだった。
もう二度とこんな思いはしたくないと、代わりに黄色と緑、それぞれ喜びと期待のインクを飲み干す。
悲しみなんて無くていい。後悔した。そして改めて実感した。
僕の親友がなくなった。
床にたたきつけられたせいで割れた小瓶を見て、こう吐き出す。
「アレで、彼の物語は完成したね。」
悲しくはない。それよりも、物語の道筋通り動かしたことの達成感に目を向ける。
清々しいほどに澄んだ空気をめいいっぱい吸って吐く。もうあのこと、