コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
はぁ…っとため息をつく
「俺…今月何時間残業してんだよ…」
中間管理職の佐藤 槙は深夜まで残業する毎日…
そんな彼にも好きなことがある
それは──
推しのいるコンビニに行くこと
「いらっしゃいませー」
多分深夜バイトの鈴木さん…最近ずっと来てるから仲良くなった
「あwまたそれっすか?体に悪いっすよw」
佐藤の推しはまさにレジの向こうの鈴木さん
「まぁこの歳になると生活は固定になるし」
「えーwでもたまには違うの食べましょうよ」
深夜のコンビニ2人の時間が1番好きな佐藤
特段好きとかそういうんじゃない気がするし多分これは若い世代の言わゆる推し活…だと思ってる…
この物語はおじさんが推し活する話
「なぁ佐藤…お前って何が楽しくて働いてるの」
同僚の田中 樹こいつはムカつくけど心配してくれる案外いいやつ
「まぁ楽しくて働いてるとかでは…」
「は?じゃあ趣味は?音楽とか絵とかさ」
「趣味?そういうのはないかもな…」
「まじで何が楽しくて生きてるまである」
「そんな言うなよ…」
お昼が終わりまた仕事開始…
(この立ち位置は本当に大変だ)
佐藤は上司からも部下からもグチグチ言われるのが日常
「先輩…なんでこれって〜」
「佐藤まだできてないのか…明日までに終わらせろ!分かったな!」
気がつくと残業…1人になったオフィスでお昼のことを思い出す
「まじで何が楽しくて生きてる…か」
夜遅くにいつものコンビニに行く
「いらっしゃいませー!」
(あぁ…多分これが俺の生きがいだなぁ)
カゴにいつものものを入れる
ふと…昨日のことを思い出して違うものを入れる
(鈴木さん…気づいたりするかな)
「はーい…いつもの…じゃない!どうしたんすか?やっぱり昨日のが効きました?」
「まぁね…体に悪いし」
(やった!気づいてくれた!)
「ですよね!わかってるー!」
鈴木は商品を袋に詰めてく
「ってかー佐藤さんってなんでこんな時間にいつも来るんですか?」
「まぁ…残業でさ…上司からも部下からも大変で……まぁ断れない性格もあるかな」
「え?まじ?なんか最近って働き方改革ー?的なので楽なのかと」
「立ち位置もあるのかなぁー」
「なるほど!でもでも少しは断りましょ!」
「そうだね」
(心配してくれた…最高!Love!)
「んじゃはい」
「ありがとう」
(これで明日も頑張れますっ!ありがとう鈴木さん!)
次の日
「おっはよー佐藤!」
「あ、おはよう」
「なになに?なんかいい事ありましたー?嬉しそうじゃんか 」
「まぁね」
佐藤は昨日のことを思い出す
(鈴木さん…少しは断るか……よし!頑張ろ)
仕事中
「あのー佐藤さんこれ頼めます?」
「あ、それ…」
(頑張れ!俺!俺がやる必要ないじゃんか)
「それはそっちでお願いできるかな…」
「え、わかりました」
(よっしゃぁぁぁ断れました!鈴木さん)
そんな些細なことじゃ変わらず…今日も残業
そしていつものコンビニにいつもの時間に行く
(今日は断れた!鈴木さんに話してみよ)
「いらっしゃいませー!」
カゴに商品を入れる
レジにカゴを置く
「お!なんかいい事ありました?」
「実はね(仕事の事)ってことがさ」
「えー!まじ成長じゃないっすか!ナイス佐藤さん!いえーい!」
鈴木が両手を出す
「い、いえーい…」
(これって…触ったよね!やば…死ぬっ)
「はいどーぞ…またあした!」
(まじかぁー尊い…最高だよぉ)
明日も頑張ろうと思う佐藤でした…
続く