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それから一週間。
美桜は翔太を避けていた…
日に日にきつくなる悪阻。仕事もいけなくなり辞めた美桜。
部屋とトイレを往復する日々。
一ヶ月もすると、だいぶ悪阻も落ち着いてきて、あっさりしたものはたべれるようだった。
相変わらず美桜は翔太とほとんど話さない…
翔太も、あきらめたかのようだった…
そんな姿を見てられなくなった母は美桜と出かけることにした。
ショッピングモールで色々見て回る…
母「そういや…服…きつくない?」
美桜「ん…ちょっとね…」
母「そろそろ買わなきゃね…見てみよっか?」
美桜「うん…」
二人で見てると…
聞き覚えのある声がした…
女の人「ね、これはどう?」
男の人「ん…いいかな?」
女の人「こうやると、おしゃれじゃない?」
男の人「いいね!それにしよ!」
なんで…
なんで…翔太くんが、女の人と…
美桜「し…翔太くん?」
翔太はびっくりした顔をしていた…
女の人は…「えっ…?」みたいな顔…
そして翔太くんは選んでた服をさっと手放し返した…
女の人「え?なんで?買わないの?」
翔太「いや…」
美桜「そっか…、そういうこと…」
母「ちょっと翔太くん…説明してもらっても?」
翔太「……。話したとこで聞いてくれるの?」
女の人「ちょっと、翔太!」
美桜「翔太…って…そんな仲なんだ…」
女の人「…もう!翔太!あんた男でしょ?…あの、これは勘違いしないで?私と翔太はただの仕事仲間。で、翔太が…」
翔太「いいよ…もう。」
女の人「よくないよ?あんたさ…、もう少し考えなよ?妊娠中どれだけつらいか。男なんてほんと役立だずなんだから。妊娠中くらい、彼女に振り回されなさいよ…。あんたの子を育ててくれてんだよ?初めてでわけわからない不安抱えながら…わけわからないイライラもしちゃうし…悪阻できついしで。ね?彼女…きつかったでしょ…わたしも二人産んでるからわかる!」
美桜「えっ?そんなスタイルいいのに…二人?」
女の人「仕事だからね!あ、そうそう、これ!マタニティウェアでもおしゃれしたいじゃない?だから…どうかなって…」
美桜「え?…わたし?」
女の人「うん…じゃないと他にだれのを選ぶのよ(笑)まぁこの状況だから勘違いしてしまうのもわかるけど、安心して(笑)翔太は浮気してないから…」
翔太「…うるさいよ…もう…」
美桜「…じゃあ…これ試着してみても…?」
女の人「いいよ、してみたほうが、いいよ!」
試着室にむかう美桜…
母「びっくりしたじゃない…もう(笑)」
女の人「あ、お母さまですか?すみません…勘違いさせて…。わたし、翔太くんと一緒にお仕事してます、モデルの佑奈です!」
母「佑奈さん…。翔太くんは考えてないわけじゃないんですよ…美桜が…翔太くんを避けてるだけで…」
翔太「…いや。おれも悪いです…正直妊娠したってきいて。なにもいえなかったですから…」
美桜「どうかな…?」
翔太「……!」
翔太くんの顔がびっくりしてるみたい…
そんなに似合わないかなぁ…
やっぱり…
佑奈「ほら、翔太がちゃんと言わないから…美桜ちゃん不安そうだよ?」
翔太「…似合ってる…ってか…」
美桜「ほんと!?じゃこれにしよ!」
母「翔太くん。耳まで赤いわよ(笑)」
翔太「…言わないでください!///」
佑奈「なんだかんだいって、美桜ちゃんにぞっこんだもんね(笑)」
美桜「やっぱりモデルさんが選ぶと違いますね!ありがとうございます!」
佑奈「つぎからは、私じゃなくこっちのモデルさんに選んでもらいなよ!」
美桜「…はいっ!」
佑奈「じゃ、私はこれで…」
翔太「ありがとう…」
美桜「ありがとうございました!」
母「ありがとうございました…」
佑奈さんが帰ったあと…
母「じゃ、私別のとこ見たいから…二人で見て回ったら?せっかくだし…」
翔太「いや…、そんな…」
美桜「…せっかくだし…そうしよっ!」
母「終わったら連絡ちょうだいね…」
美桜「うん!ありがと!お母さん!」
そう言って母は別のとこへ行った…
翔太「…ごめん…、なんか…」
美桜「これ…買ってくれるんでしょ?」
翔太「ほんとは内緒でプレゼントしたかったけど…」
美桜「じゃあ…たくさん選んじゃおっかな(笑)」
翔太「ほどほどにしてよ(笑)」
美桜「わかんない(笑)」
そう言って…、そっと翔太の手を握った。
そしたら…しっかり握り返してくれて…嬉しかった。
繋いだまま…店内を見て回る…
美桜「ね、こんなのある…すごいね!こんなのもいるのかな…」
翔太「どうだろ…いるっても、産まれてからでも間に合うじゃん!(笑)」
美桜「たしかに(笑)」
翔太「どっちだろね…男の子か…女の子か…」
美桜「どっちでもいいよ、元気なら…」
翔太「だね…楽しみだね…」
美桜「…うん!」