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今日は日曜日なので、お出かけに行った。
今日は登山。
白河先生は、元々登山やハイキングが好きらしく、よく山の話をしてくれていた。
登る前に麓にあるレストハウスで食事を取る。
山の幸をふんだんに使ってある料理でとても美味しかった。
「じゃあ…登りますよ!」と白河先生が元気良く言う。
「うん!」と私は答えた。
途中、寄り道したり、休憩したりもした。
とにかく先生が楽しそうだった。
先生がそんなだと、私までも明るくなれる。
本当に私の心の良薬だ。
頂上へ行くと、凄く景色が綺麗だった。
私は深く息を吸って、両手を広げた。
爽やかな、綺麗な山の空気を感じたかった。
そうしていると、白河先生も真似をして息を吸い、両手を広げた。
私たちはお互いを見つめ合い、爆笑した。
そして記念写真を撮り、下山する。
降りると、先生がチョコレートを1つ渡してきた。
「自分へのご褒美に毎回食べてるんだよね。」と言う。
私は「へぇ~!ありがとう!いただきます。」と言い、口へ入れた。
まるで私達の関係のように、ゆっくりとチョコレートが口の中で溶けていった。
程よい甘さがとても良い。
「いただきます。」先生もそう言い、チョコレートを食べた。
「凛さんと一緒だと、いつも以上においしいね」と言ってくれたので、私は満面の笑顔でこくりと頷いた。
帰りには、スーパーでお弁当を買い、家に帰った。
帰ってきてからすぐに食べた。
そして、12月17日。
この日は白河先生の誕生日だ。
私は家でケーキを作り、用意していた。
先生の大好きな、チョコレートケーキ。
上にはチョコクリームを絞り、いちごとバナナを乗せた。
チョコクリームを絞った袋に残ったクリームを私はペロッと舐めた。
まあ…先生には内緒だけどね。
そして夜。先生が帰ってきた。
私は、リビングのドアの前でケーキを持ち待っていた。
先生がドアを開ける。
と私が少し大きめな声で言う。
先生はビックリして、固まっていた。
私も自分の声にビックリし、同じく固まってしまった。
いっときすると、「ありがとう!凛さん!」と先生が言ってくれた。
そしてろうそくを立て、部屋を暗くする。
先生が「良いですか?消しても。」と言ってきたので「良いよ〜」と私は言う。
先生はそっと息をかけ、ケーキに立てられた7本のろうそくを消した。
その後、私たちは分け合いながら、ケーキを食べる。
「今日は何かあった?」と聞く。
「うん!聞いてよ〜」と言い、先生は話始めた。
いつの間にか先生と私は、嫌なことなども沢山共有できるようになった。
こんな感じの関係を築けたのも、白河先生が居てくれた事と私の「先生が好き」という感情があったからこそ。
先生と居れなかったら、今頃私は死んでいたかもな。と思った。
中学校の二学期終業式の日。
先生は朝からにこにこしている。
「何で、そんなに嬉しそうなの?」と私は聞く。
「だって…今日終業式だし、クリスマスイブだし!」と相変わらず嬉しそうに笑顔で答えてくれた。
私は少し期待した。
「あっ…!何か期待したでしょ?今」と先生が笑いながら言ってきた。
「バレましたか!」と私は先生へ返す。
そんな風に朝を過ごし、先生を見送った。
私は今日1日中、ずっとずっとドキドキしていた。
やはりクリスマスイブ。
期待しない訳が無い。
そして先生が帰ってくる。
「おかえり!」と私は言う。
「買ってきましたよ。クリスマスケーキとチキン」と先生はにっこりして言った。
先生の手には、確かに袋が2つ下がっていた。
私が先生を見つめると、優しい笑顔で何も言わずに2回頷いてくれた。
その後、ケーキやチキンを食べた。
今まで生きてきた中のクリスマスイブで一番良い1日だった。
好きな人と過ごせる事が、とにかく幸せだ。
次の日には、少し遠出をしてクリスマスマーケットへ行った。
「好きな物を買っていいからね。それが僕から凛さんへのクリスマスプレゼントだから」と白河先生は言ってくれた。
私は、可愛い小物やアクセサリーなどを沢山買った。
しかし、先生への申し訳なさも出てくる。
「なんか…悪いね…。こんなに…」と私は少し悲しげに言った。
「良いよ。前も言ったけど、凛さんを幸せにさせてあげたいからね」と先生は答えてくれた。
先生を見つめると、にっこりして、2回頷いてくれた。
本当に優しい。
こんなに優しい人、世界一周しても多分見つからないと思う。
「優しいね。白河先生って」と私はそっと呟いた。
しかし周りの声に紛れて、先生には届かなかったみたい。
ただ白い息が残った。
先生は私のその白い息だけに気づいたらしく、「はぁっ…」と息を吐いて私の方を向き、優しく微笑んだ。
私も同じように、にっこりした。
「あっ…凛さん、雪降ってるよ!」
私は先生にそう言われ、上を見た。
確かに、白い粉雪が舞っていた。
とても綺麗で美しい。
私は先生の手をそっと繋ぐ。
先生は、手に力を入れた。
私達の思い出が、また1つ増えた。