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「あなたに**“稲の魔導印”**を授ける」
そう言って、米の精霊は私の拳に光を灯した。
まるで温かい稲の穂のような模様が浮かび上がる。
「この魔導印は、**“情報を知識に変える” **力。資料を読むだけでなく、その本質を直感的に理解できるようになるだろう。…… そして、この夏の間に**“米の門”**を解放する鍵を探してほしい」
「悠斗は……?」
「……俺には魔導印、出なかったみたいだ。ちぇっ」
「お前は**“精霊を助ける者”**として、同行する資格があるよ。やる気があれば、だけど」
「……やるよ。莉奈が本気なの、わかったし」
こうして、私たちの**“魔法✕社会問題”**の夏が始まった。
悠斗は相変わらず、のんびりで天然だけど、調査の中で見せる彼の目は、少しずつ真剣さを帯びてきた。
例えば、精霊の導きで**“古代農家の記憶”**を体験できる魔法の稲穂、あるいは、現代農家が知らずに使っていた**“稲の力を封じる道具”**の調査などーー。
地味で地道な調査だけれど、
魔法の力と、自分たちの知識、そして「知ろうとする心」で、私たちは一歩ずつ真実に近付いていった。