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ニェヘマ「もっ…限界…!イメージだというのなら自分で出せばいいじゃないですか…!」
ニェヘマは13双目を作ると、膝から崩れ落ちて、アリィに文句を言う。
アリィ「出せるならとっくに出してる。イメージは出来ても…後は向いてるか向いてないかになってくるんだよ。」
ニェヘマ「お腹空いた……。」
アリィ「武器を出せる力は残ってる?」
ニェヘマ「僕は残さないほどの愚者じゃありません。」
アリィ「それは立派なことで。まっ、13双でもいいか。はい。」
アリィはニェヘマに小さな袋を渡す。
ニェヘマ「なんですかこれ?」
アリィ「報酬。軽くお腹に入れといた方がいいよ。」
(…魔法って…使うとお腹が減るのは私だけじゃなかったんだ。)
ニェヘマ「緑の…ほんとに何これ…?」
ニェヘマは恐る恐る袋を開け、疑問を浮かべる。
アリィ「葉っぱはただの臭みと腐敗防止だから剥がして食べて。」
ニェヘマ「…お肉ですね。」
(悔しいけど…美味しい…。)
アリィ「ここじゃ珍しい調理法かもね。さて…怪我をしていない人達と、軽い怪我で動きまわれる人は全員集合!私が動くなって言った人達はそのまま!」
ネア「はーい。」
ニェヘマ「何を…」
アリィ「私一人じゃ追いついてないの。今から、貴方達に応急手当のやり方を教えます!」
子供達はアリィに駆け寄るが、大人達は怪訝な顔をして近づかない。
アリィ「…確かに子供に教えてもらうなんて嫌でしょう。それもぽっと出の知らない子供に。」
大人の一人「別に教えてもらう必要は…」
アリィ「ではお聞きしますが、止血をするための包帯の結び目が緩いものがいくつもありました。アレでは止血にはなりませんし、ただ結んだだけです。貴方達はそれを『治療』と呼ぶつもりですか?中途半端な知識が逆に助かる命を奪ってしまうこともある。貴方達はその治療法を誇りに思い、必ず助けられる自信はありますか?」
大人の一人「…私にも教えてちょうだい。」
若い女性が1人手を上げる。しかし、他は動かない。
アリィ「私のことを別に信じてもらいたいとは思いません。ですが、彼を皆さんはよく知っているでしょう。彼が今も必死に守ろうとしている命をここで早く潰すつもりですか。」
アリィはそう言い、ニェヘマに視線を向ける。見ると、ニェヘマは再び避難場所から外に出ようとしていた。手にはとても氷とは思えない武器を持っていた。
アリィ(言われてすぐ活かせるなんて…やっぱり才能があるね。)
大人の一人「…俺にも教えてくれ。」
1人の男性が手を上げると、口々に他のヒト達もアリィの元へ来る。
ニェヘマ「……。」
ルスベスタン「昔っから避けるのだけは得意なんですよねっ…!」
ルスベスタンは悪魔の首に巻いた鎖に勢いをつけ、悪魔の上に乗る。
ルスベスタン「来る…!」
ルスベスタンは目を閉じ口を腕で塞ぐ。直後、標的を失った尻尾が、砂煙を上げる。
ルスベスタン「後で水浴びしないと…おっと。」
ルスベスタンがそう不満げにしたあと、悪魔はルスベスタンを振り落とそうと、激しく動く。
ルスベスタン「妙ですね…。こんなに生き物らしい動き、だというのに…」
ルスベスタン「心音が一切聞こえない。」
クリウス「それは有意義な情報をありがとう。」
ルスベスタン「キールさん!貴方以外が聞いたらもうどうしようかと思いましたよ。」
クリウス「ニャヘマは?」
ルスベスタン「既に人目の付かない場所に避難してます。そのうちニェヘマ君と合流して、守備につくかと思います。」
クリウス「ところで…君乗馬とか出来たんだね。」
ルスベスタン「こんな時に冗談を言ってる場合ですか?」
クリウス「そうだね。その内アロン達…コフリーや、王室直属の兵士達が応援に来る。それまで繋ぐ。」
ルスベスタン「そうしてください。自分はコイツの足を引っ張って皆のところに行かせないようにするので精一杯なので。つよーいキールお兄さんに期待してますよ。」
クリウス「酷いプレッシャーをかけるね。」
ルスベスタン「自分は”そっち”の貴方の方が好きですよ。おっと。」
ルスベスタンは悪魔に投げ出される直前に、自ら飛び地面に着地し衝撃を和らげる。
ルスベスタン「腹が弱点です。尻尾は硬いので触れないように。それと…高知能種です。」
クリウス「後、心音がしない。」
ルスベスタン「自分はこれが蜃気楼のような幻ではないかと睨んでます。」
クリウス「だからといって行かせる理由にはならない。サポートを頼んだよ。」
ルスベスタン「自分は弱いので期待しないでくださいよ。」
クリウス「それは無理かな。僕に合わせられるのは、コフリーと君だけだから。」
ルスベスタン「はいはい。」
???「…気付かれた。」
???「あらそうなの?気にする必要は無いわ。続行してちょうだい。」
何も無い砂漠の中、1人の男は得体の知れない何かと会話をする。
男「だが…」
得体の知れない何か「今更怖気付いたの?」
男「……そうだな。俺は怖気付いてる。」
得体の知れない何か「仕方がないわね。邪魔される訳にはいかないの。私がなんとかしてあげようかしら?」
男「…死者がどうやって…」
得体の知れない何か「でも、現に君と私は会話をできている。」
男「……。」
得体の知れない何か「死にたくないんでしょ?怪物に成り果てたくないの方が正しいかしら。大丈夫、全て…」
このローズ・アルド・トーチアスに任せなさい。