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全て思い出した。俺の兄さんはロボロさんで、、俺の大好きな人で。優しい人で。本当に?じゃあさっきのは誰だったんだ?いつもと違う。優しくない兄さん。分からない。頭がこんがらがる。
「ショッピ!」
耳元でした大きな声に思わずそっちを見ると、そこにはチーノがいた。
「落ち着けって。それより、アイツ知っとんか?」
アイツ。そんな表現をしていると言う事は、少なくともアレがいつものロボロさんではないと全員分かっているようだ。そこで俺は気持ちを落ち着ける。確かに俺一人なのだ。今の”兄さん”を知っている可能性があるのは。兄と言う事は話しても無いが、俺の雰囲気から察したのだろう。そして俺の話を聞く体制に入っている皆さんの方を向く。
「話します。俺とロボロさんの事。」
「兄さんは明るくて、とても優しい人でした。俺が学校でいじめられていると、いつも俺のことを助けてくれる人でした。兄さんが説教した後はいじめっ子が全員反省して、いい子になっていきました。親と喧嘩した時は、親を説得してくれて無事仲直りも出来ました。俺はそれを皆に愛されていて、皆に尊敬されているからこそできる事だと思っています。俺は、そんな兄さんに、憧れ、を、抱いて、いました、。」
本当に?話している途中に違和感を感じてまた困惑してしまう。そんなご都合主義な話があるのか?確かにありえない事ではないけど。そこで俺は先ほどの会話を思い出した。兄さんはインドアで、花火なんかしなかった。でも俺の記憶の中には楽しそうに花火をする兄さんが。あれ?なんだこれ?なんだこの記憶。俺が疑問を持ったその瞬間、頭の中で砂嵐が起こって、記憶が全て書き換えられていく。
そんな誰かの言葉で、今度こそ本当の記憶を思い出した。これが、本当の記憶なら、俺は、、、?
自然と涙がこぼれる。自分はなんてバカなことをしていたのだろう。恨まれていてもおかしくないことをした。でもだからこそ、兄さんを救うために、どんな言葉でもいい。伝えなければいけない。事実を。皆に。
そして俺は先ほどの話を訂正して話し始めた。