shp「ん“……」
目が覚める。目の前は真っ白だった。いや、天井か…これは。
「あー…?……あっ起きた!生きとる…!」
聞き覚えのない声。そうか………死ねなかったんやな…俺は。
人生というものに飽きていたが、どこかホッとした自分がいる。
ゆっくりと身を起こす。どうやら、俺はベッドに寝ているらしい。
「あっ…縫ってるからあんま無理しない方が…」
shp「いや…大丈夫…っ」
ベッドの横の椅子に座っているのは、緑のフードを被った男だった。
shp「………だれ」
zm「ショッピくん…だっけ?俺ゾムって言うねんけどさ」
寝ててええで、と俺を無理やり寝かせようとする。
shp「ってかどこ…」
zm「医務室。城の前通ったらショッピくんの使用人に声かけられて」
shp「……………」
能力者…ってことか。
天井を向いたまま話す。
shp「医療関係の能力なんすか」
zm「いや?関係ないよ。回復?知り合いに教わった能力。そしたらお医者さん来てくれたからさ。全治1ヶ月だって」
shp「……どこの人っすか」
zm「国から逃げた。今は世界救ってる途中」
意味わからんやろ?と彼は笑う。
本当に意味のわからない。何がしたいんだよこいつ……
数秒外彼の方を見れば、ちなみに、と話す。
zm「助けたついでって言っちゃ悪いんやけど」
視線をゾムに移す。
そのゾムは、俺に手を差し伸べる。
zm「俺の怪盗ごっこに付き合ってくんない?」
終始意味がわからないし、どっかのセリフみたいやな…とか思いながらも俺は好奇心でいっぱいだった。
shp「……いいんすか」
フードで隠れていた目が見えた気がした。
キラキラしていた気がする。ただただ羨ましかった。希望に溢れた未来に向かって生きていけるような彼が。
zm「なんか、ショッピくんとは合いそうな気がすんねん。今まで会った能力者の中でいちばん」
そう言う彼に、俺はふっと笑う。
shp「一緒っすね」
== ut ==
shp「———ってわけですよ」
こんな空気での長話は俺もだいぶ緊張した。ここまで全部話すんや、と。
rbr「能力者やったんか」
話終わってから最初に放たれた言葉は、ロボロのこんな言葉だった。
rbr「能力使えば鍵を取るなんて簡単だったのに」
shp「噂になったら怖くないですか」
rbr「………他の国でも言ってなかったんか」
shp「殺されるかも…ってね…笑」
ははっ、と。ショッピと名乗る彼は心ない笑いをこぼしてそう言った。
終始ショッピの表情を観察していたが、常に同じ表情を保っていた。意識的に、自分の感情を推し殺しているようにも見える。
gr「能力者ね…」
グルッペンが、そう呟いた。
shp「嫌いですか」
gr「いや…私は君みたいな子を待っていた。たまたま私の周りの能力者がカスでな…ちょっと入れてこなかっただけだ」
shp「………そっすか」
ショッピは無言で立ち上がった。グルッペンはこう言っているが、能力者だってことも、ラートにいたことも知っている上で話しているのだろう。
shp「もういいですか」
gr「ああ…ありがとう」
会釈をすれば、ジャケットのポケットに手を入れて部屋を出る。
室内にドアの閉まる音が残る。
数秒経った頃に、グルッペンが再び口を開く。
gr「……北部の能力者か」
tn「知ってるん?」
gr「ショッピ。まあ、色んな意味で有名なところだろう」
というか、と言って話を変える。
gr「能力者を嫌う奴らの気持ちがわからん」
em「国の文化によると思いますけどね…」
それに、と言ってエーミールが続ける。
em「ショッピくんの性格もその国の人たちにとっては気にさわっていたんでしょうね」
tn「そうか?そんな嫌われるような性格しとらんやろ」
em「愛想いい方が好きだったんじゃないですか?王家の方々も」
gr「めんどくせぇー。だから北の方は嫌いなんだよなー」
山脈を超えた向こう側にある地域。四季がなく、一年中雪が降ったり降らなかったりの気候。前に北の奴らと貿易について話したことがあるが、思想が堅くてあまり好きではなかった記憶がある。金持ちばっか住んでるイメージだな。あそことは絶対話したくない。
gr「そろそろ北部に突っ込むのもありじゃないか」
sha「まー…結構強いで?」
最近戦争してないから暇なのだろうか。戦争して植民地にしたいのか、嘘だらけの話で騙して資源を供給してもらいたいのかは知らんけど、この総統は普通に貿易をしたがらない。戦争大好きおじさんとあだ名をつけられ国民にすらいじられる彼。こんな総統だけど国はずっと安全なんよな。やっぱすごいわ。
zm「……突っ込む…か」
ゾムがそう呟けば、シャオロンがそれに反応する。
sha「ゾム強そーやし、今度機会あった時にやらせてみたら?」
gr「っあー、あー!」
何かを思い出したのか(わざとらしく)声をあげ、立ち上がったのはやっぱりグルッペン。
gr「そろそろ新しい文化が欲しいと思ってたんだぞ。どっかと戦いたいんだが」
グルッペンが暇な時に言う言葉ナンバーワン。とりあえず適当な理由をつけて戦いたいと言う。が、大体はただただ戦いたいだけ。
と言っても、トントンが戦争を嫌がるから、欲しいものだけ奪って帰る。
tn「………北部と?」
gr「そうだ」
tn「えぇ…?なにが欲しいんや」
gr「かわいそうだからな」
は?という空気が漂う。
正直、俺はどことも殺り合いたくない。性格悪いんだよなぁ、みんな。
すると、ゾムがグルッペンの話を察したのか、眠そうに口を開く。
zm「ショッピくんのために?」
gr「どう?」
トントンの呆れたため息。
体育でソフトボールしたら一点取れました。楽しかったです。
てことで次回もよろしくお願いします。
コメント
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途中から名前書いてなかったわすんません ちゃんと修正しました👍