コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
鈴子の生活は一夜にして激変した、病院から戻った鈴子は秘書の榊原に言った
「これからは暫くは私の仕事は三宮のコンドミニアムでします、浩二の傍にいてやりたいので、その様に私の仕事の案件を全て自宅に回してちょうだい、会議はリモートでやります、来週からすぐに稼働できるようにしてちょうだい!」
『了解しました、胸中お察しします、姫野候補の傍にいてやってください、とにかくご無事でよかったです』
通話の向こうで榊原は同情してそう答えた
「本当に・・・一時は危なかったのよ・・・私これほど神様に感謝したことはなかったわ」
また鈴子は涙ぐんだ
浩二が暴漢に襲われたのは翌日のトップニュースになった、新聞も格ニュースサイトもこの事件を大々的に報じていた、選挙事務所へは浩二へのお見舞いの電話やカードが溢れかえり、浩二の公式サイトには同情のコメントが数十万ついた
浩二は一週間入院した後、鈴子に連れられてコンドミニアムに戻って来た
鈴子は浩二の書斎の隣の部屋に可動式のベッドを置いて一流の病院よりも療養しやすい環境を浩二の為に整えた、鈴子に支えられ、立っているのも苦痛の表情で、浩二が用意されたベッドにドサッと体を投げ出した、鈴子は張り切ってあれやこれやと浩二の世話をやいた
「早く・・・街宣に戻らないと・・・後講演会のチケットも・・・」
浩二が苦しそうに言う、気を紛らわすように鈴子はわざと明るくするようにつとめた
「まずは体調を良くしましょうよ、後の事は良平さんにお任せして、あなたは元気になる事だけを考えて」
「迷惑をかけてすまない・・・君にも・・・仕事があるのに・・・」
青白い顔をした浩二が鈴子に言った、鈴子はキュッと浩二を抱きしめた
「私は大丈夫、あなたのお世話が出来て幸せよ、さぁ、午後のお薬を飲んで少し眠ってね、私も少し書斎でリモート会議をしますからね」