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🍎🥧アップルパイ
53
#ブルーロック
🍎🥧アップルパイ
59
#もしかしたらグロいかも
海月
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父上の指令が来るまで、俺はダイエットを兼ねた訓練を行うことにしていた。
朝はランニングに始まり、昼は剣術の訓練、夕方は商会や警備隊との打ち合わせ、夜は勉強となかなか忙しい日々を送っている。
そのおかげで体重85キロから79キロまで減少。最初の90キロオーバーの時に比べれば激ヤセしている。
3重顎だった顎も2重顎になったし、横綱体型からベイMAXくらいになっている。
その他の現在の俺のステータスは
身長:162センチ
体重:79キロ
レベル:12
HP:112
MP:20
筋力:D+
魔力:D
敏捷:D+
防御:C-
魔防:D
バトルスキル
打耐性レベル2(物理防御15%アップ)
見切りレベル1(回避率10%アップ)
ユニークスキル
短期催眠《チープオーダー》レベル1
パッシブスキル
剣術レベル2
料理レベル2
家事レベル1
音楽レベル1
爺やにボコスカにされているおかげで打耐性をゲット、多分王族でこのスキル持ってるの俺だけだと思う。他サブスキルの家事スキル全般は、後々ヒロイン攻略に役立つものを今の段階で習得していっている。
まぁメイドに料理の練習するから、厨房かしてくれって言った時はかなり怪訝な目で見られたけど。
「ふふっ、俺は無能なデブではなく努力できるデブなんだよ」
更に言うとポジティブなデブだ。
俺のことを無能豚王子とか言ってる奴、今に見ておけよ。俺の糖質カットダイエットをなめるな。
自室で鏡を見て勝ち誇っていると、ベッドに寝転がっているナハトが白い目をしていた。
「ラウル、ナルシストっぽくてキモい」
「ボディチェックくらいするだろ。大体君も痩せろって言ってたし」
「まぁそうなんだけど、今になって痩せたら面白くないなって」
「面白い面白くないでダイエットはしていない」
「巨漢にのしかかられると苦しいから、痩せてほしいのは事実かな」
「のしかかられる?」
どういう状況だ? と思ったが、ベッドの上の話と気づいてスルーすることにした。
俺達は朝食をとりに食堂へと向かう。朝の日差しが眩しく、常夏の島に清々しい風が吹いている。
庭に咲き誇るハイビスカスっぽい花を眺めつつ食堂へと入った。広々とした大食堂には貴族が晩餐会で使いそうな、縦長のテーブルが3列並ぶ。
前までは寂しい食堂だったのだが、今現在は。
「ふあ~ねむ~」
「朝7時起きは海賊にきついって~」
元海賊娘が、眠そうな顔で食事を受け取って席につく姿が見えた。
髪とかボッサボサで、水着姿のままのものも多い。
中には食事を受け取るだけ受け取って、テーブルで寝ているものもいる。
「女子校の学食みたいになってきたな……」
「王子様ちっす~」
「おはーマシュマロ王子~」
「おーす、ねみー」
同じく半分脳機能が睡眠状態のままのヨハンナと、取り巻きの海賊娘ビアンとポニーが軽い挨拶をしてくる。赤茶のショートヘアーのビアンと、金髪ポニテのポニー。彼女らはヨハンナの右腕、左腕のような存在で、よく一緒にいるところを見る。
全員赤や白、ピンクの水着姿なので、目のやり場に困る。
「服を着ろ、水着は寝間着じゃないぞ」
「いいじゃん別に~。カシラこいつ年下のくせに生意気ですよ」
「しめましょうしめましょう」
「おーし、しめろ。レッドシャーク海賊団の恐ろしさを見せてやれ」
「「アイサー」」
ヨハンナの命令で手をワキワキさせたビアンとポニーが近づいてくる。
おいバカやめろ、女子に集団でイジメられるとかトラウマだぞ。
ビアンが俺をヘッドロックし、ポニーが脇腹をくすぐってくる。
「おらおらおら、コレが海賊戦法だ」
「うひゃうひゃうひゃ、やめろぉ! 我リガルド帝国第三王子ぞ!」
「だからどうした~、海賊には関係ねぇぜ~」
「海賊足洗っただろ! てかビアン乳、頭に当たってんぞ!」
「当ててんだよ! バスト85センチだ。金払え!」
自分から当ててきて金を要求するとは、当たり屋ならぬ当たりスケベ屋め。
からかわれながらも、なんとかテーブルにつく。
朝っぱらからご褒美、違う、ひどい目にあったと思っていると、メイドたちが朝食を運んでくる。
いつもどおりの白パンセットかと思ったら、ウェディングケーキを思わせる背の高いケーキが運ばれてきた。
「えぇ……」
ホイップの乗った白くそびえ立つ巨塔に、なー↑にこれー↓と口をポカンと開ける。するとママ上が申し訳無さそうな顔で、厨房から食堂にやってくる。
「ごめんねラウルちゃん、ちょっと作りすぎちゃって。本当はシュガートーストを作るつもりだったんだけど、いつの間にかケーキに……」
「ママ上、材料が砂糖しかあってませんよ」
彼女の料理の技術力は認めるのだが、時折凝りすぎてとんでもないものが出てくることがある。
大体俺はダイエット中で、基本的に糖分は敵である。
「食べられない……かしら?」
「食べます」
悲しそうにするママ上を見ると、さすがに拒否はできない。
「皆で食べようぜ」
俺は全員にケーキを切り分けていく。ナハトも、朝からケーキなんていい生活だね~と喜びながら、特大ケーキを頬張る。
結局全員で食べることになったのだが、巨塔ケーキはあまりにもでかく、俺は多分一人でホール3個分くらい食べたと思う。
その日、俺は体重を81キロに戻したのだった。
翌日――
フルーツ・ザ・ビーナの店主ザビナさんが屋敷に来ていた。
いつも通り観光をどう盛り上げるかの話をする予定だったのだが、変わった相談を受けた。
「幽霊船?」
「そうなんだよ、深夜2時くらいに島の近くでボロボロの帆船を見たって。朝にはスーッと消えてなくなってたんだってさ。ここ数日毎日さね」
「幽霊船か……」
「そういう変な噂が出回って観光客が減るのもよくないだろ?」
「確かに。よし、ここはウチの海賊に任せよう」
「頼むよ。船が出るときは、決まって濃い霧が出るらしいから気をつけて」
その日の夜――
俺はヨハンナ含めた海賊娘達を集めて、作戦会議を行う。
「ってなわけで、島民から幽霊船の目撃報告が出ている。我々でこの謎を調査したいと思う。君等海の女の力で幽霊船を退けてもらいたい」
そう言うとビアンとポニーは「「あたしたちに任せとけー」」と意気揚々に答える。
しかし船長のヨハンナは、どこか浮かない表情をしている。
「ヨハンナ? 聞いてる?」
「えっ? ああ聞いてるぜ! 幽霊船だろ。まぁでも別に害がないなら放っておいてもよくないか?」
「いや、もしかしたらタランチュラの連中が、島を狙って徘徊している可能性もある。スネークと呼ばれるリーダー格の男も捕まってないしな」
「そりゃ……そうなんだが」
「シンプルな幽霊船の可能性もあるけど、君らなら大丈夫だろ?」
「お、おぉ任せとけ。あたしら海賊団にな」
ヨハンナの目が右に左に泳いでいるのだが、大丈夫だろうか。
コメント
1件
読み終わりました!ラウルのダイエット経過、ちゃんと数値で出てくるのが良いですね。「努力できるデブ」って自己肯定感強くて好きです。海賊娘たちとの朝のじゃれ合いシーン、水着姿でワキワキ攻めてくるの笑いました。でも個人的に一番気になったのは、幽霊船の話を聞いた時のヨハンナの様子。目が泳いでたの、何か知ってそうな感じがしますね。伏線かな?前編、楽しかったです!