「ノアは魔龍の呪いを受けています」
「その呪いの症状を少しでも軽くすることは出来ないでしょうか」
炎麗は初めてノアに出会ってから異変に気づいていたのだ。炎麗は天樂と同じように人間の怨念を炎麗は少しだけ感じ取る事ができるのだ、炎麗には少ししか感じ取れなくても、炎麗がおかしいと思うぐらいノアには怨念が感じ取れたのだ。
人には、必ずや怨念というものがある。この世に、純粋無垢などという言葉はないのだ。
「炎麗…君の願いは承知した、だがこの量の怨念だと私も少ししか制御出来ないそれで本当にいいんだな?」
「はい」
「分かった、その子供から離れろ」
―封印術式 陸
そう唱え天樂がノアの手首に触れると、触れた箇所が光りだした。手首を見ると雪の結晶の様な模様が浮かび上がっていた。
「封印は終わったが、一つ言いたいことがある。記憶を戻す話だがやめておいたほうがいい、子供は精神力が弱いんだ、少し絶望を味わえば壊れてしまう。肝心の記憶が見れなかったが…この子の怨念の量を見て予想するが…思い出したくない記憶だってあるだろう。子供の精神力が耐えれるとは考えられない」
「分かりました、お心遣い感謝します」
「早めに帰れ、あの二人も心配してるだろう」
「炎麗!連れてきだぞ」
「ありがとう飛雷」
あれから数週間は経っただろうか、飛雷の足の傷も白煙と天樂様のお陰で殆ど治ったようなものだ。
「あのお話って何でしょうか?」
「ノアお前には中央の国のマギプルプァと呼ばれる都市に行ってもらう事になった」
「中央の国?」
「あぁこの前中央の国のお偉方と話したのだがお前に是非会いたいと仰ってな、それにこの世界をもっと知れるだろ」
「蘭月という所に船があるんだその船に乗って中央の国へ行ってくれ。」
「分かりました…炎麗さん達は行かないんですか?」
「私も炎麗も飛雷も行きたいけど…灯月堂でやることが多いんです、不安もあると思いますが気をつけて下さいね」
瑠姫は微笑んでそう言った。
「じゃあなノア、気をつけろよ!あそうだ、これやるよ中央の国のことが書いてあるからよ!」
そう言われ、渡された物はそこそこ分厚い本だった。
それを受け取り、ノアは蘭月に向かう
第一章 ―完―
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