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鋼谷の前に立つカラグは、まるで不死身の神のように威圧感を放っていた。彼の目には冷たく、鋼谷を見つめるその視線はまるで獲物を狙う猛禽類のようだった。周囲の信者たちが次々と倒れていく中、カラグは動じることなく微笑を浮かべた。
「無駄だ。私の力は、この教団に宿る」
カラグの言葉が響くと、彼の後ろから暗い霊体が沸き起こり、鋼谷に向かって襲いかかる。霊体はまるで悪夢のように、歪んだ形で彼に迫り、怨念をぶつけてきた。
「ちっ、厄介なやつだ!」
鋼谷は鉄鎖を一振りし、霊体を払いのける。だが、霊体は形を変えながら次々と現れ、彼を取り囲もうとする。
「お前ら、俺に構ってくる気だ?」
鋼谷は鉄鎖を振り回し、霊体を一掃する。彼の目は燃えるように輝き、周囲の暗闇を打ち破る。だが、その後ろにいるカラグはただ静かに見つめていた。
「そうやって闘っても、私には勝てない」
カラグの声が冷たく響き、彼は一歩前に出る。霊体はその言葉に応じるかのように、鋼谷を取り囲み、彼の動きを封じ込めようとする。
「お前の自信、どこから来てる?」
鋼谷は反発するように言った。彼の心は焦りを感じながらも、恐れには屈しなかった。彼は自らの異能を信じている。
「お前が鉄鎖を操っている限り、俺は負ける気がしない!」
鋼谷は一瞬の隙をついて、鉄鎖を引き寄せ、すぐにカラグに向かって飛ばした。鉄鎖が彼の手を離れ、まるで生きているかのように、カラグに直進する。
「それが君の全力か?」
カラグは鉄鎖を華麗にかわし、続けて彼の元へ飛び込んできた。彼の手が伸び、鋼谷の胸元を狙った。
「なんだと!」
鋼谷は急いで横に避けるが、その動きはカラグの攻撃には間に合わない。カラグの手が彼の肩に触れた瞬間、冷たい感触が彼を襲った。
「呪いだ!」
カラグの声が響くと、鋼谷は身体が重くなり、力が抜けていくのを感じた。彼は必死に抵抗しようとするが、呪いの力が彼を捕らえ、動きを鈍らせる。
「さあ、もう終わりだ。私の勝ちだ」
カラグはゆっくりと笑みを浮かべ、鋼谷の目の前で勝利を確信している。その瞬間、鋼谷の中で何かが弾けた。彼の内なる闘志が再び燃え上がる。
「んなこと、させるか!」
鋼谷は力を振り絞り、意識を集中させた。彼の鉄鎖が微かに反応し、彼の意思に応じて動き出す。鋼谷は再び立ち上がり、カラグに立ち向かう決意を固めた。
「鉄鎖、行け!」
鉄鎖はカラグに向かって猛然と襲いかかり、今度はその速度が増していた。彼は自らの力を信じ、鉄鎖の精霊に力を与える。
「そんな、まさか!」
カラグは驚愕の表情を浮かべ、急いで身をかわそうとするが、今度は彼の動きに間に合わなかった。鉄鎖がカラグの手首に絡みつき、彼の動きを封じた。
「どうだ、これが俺の力だ!」
鋼谷は勝利の叫びを上げ、鉄鎖を引き寄せる。カラグは無抵抗で地面にひざまずく。彼の目には驚きが宿り、威圧感は消え去っていた。
「お前の信じる力は、こんなものか?」
鋼谷は冷静な声で言った。だが、彼の心には緊張が漂っていた。これで終わりだと思った瞬間、背後で何かが動いた。
「カラグの力が、まだ残っている!」
彼は振り返ると、暗い霊体が再び集まり、彼に迫ってきている。鋼谷は決して油断せず、冷静に鉄鎖を構え直した。
「この戦い、まだ終わってないのか!」
鋼谷は再び立ち上がり、霊体に立ち向かう。彼の闘志は燃え続け、錆の都の運命を変えるため、彼は全力を尽くすのだ。