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長すぎるオメガバ

第6話 - 秘密／めめあべ

149

2025年06月08日

#Snow Man

#だてなべ

#めめあべ

#さくこじ

#いわふか

#オメガバース

朔弥

めめあべ

阿部→「」

目黒→『』

目黒side

『お疲れさまでした～』

「お疲れさまでーす！」

楽屋を出て廊下に二人ならんで歩く。足の長さはさほど変わらないけれど阿部ちゃんの方が少し歩幅が狭いから置いていかないように気にかけながら。こういう何気ない日常が本当に幸せで愛おしくて。今日も今日とて策士な彼は口で言えば良いのにわざと手を軽くぶつけてきて俺から手を繋がせようとしてきている。いつも気付かないふりをしようとするけど結局俺も繋ぎたいから、周りに誰も居ないことを確認してから彼の手を取ってぎゅっと握る。握り返された手と共にふふん、と満足気な声が小さく聞こえてきてあざとい警察を呼ぼうか迷った

『…阿部ちゃんよく手繋ぎたがるよね』

「めめの手好きだからね」

さらっとそんなことを言える彼に慣れを感じて複雑な気持ちになりかけるも、彼の方へ視線を向けると顔を背けられたことから照れていることがわかってなんだか嬉しかった。ファンやメンバーに向けるものとは違う、俺だけの”好き”。この”好き”が俺は大好き、特別感あるから。我ながら単純だなぁ。依然として顔を背けている彼にこっちを向いてほしくてちょっとだけ意地悪な言葉を投げてみる

『手だけ？笑』

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阿部side

彼の手が好きだと言ったら好きなのは手だけか、なんて。そんなわけがないとわかってるくせに、好きだと言って欲しくて聞いてくる彼は大型犬みたいで可愛い。そっちがその気ならこっちだって。反撃してやろうと思うも普通に好きだと言うだけじゃ面白くないから何か捻ったことをしようと次に起こす行動を考える

「そんなわけないでしょ笑」

『ほんとかなー』

「ほんと。優しいとこもちょっとおバカなとこもそういう欲しがりなとこも好きだし…」

丁度死角になりそうな隅っこを見つけたからそこに彼の手を引いていく。何するつもりなのかわかってなくて困惑してるみたい

「手も、腕も、ほっぺも、…ここも。全部大好き」

両手で一度ぎゅ、と手を握って離して、流れるように腕に触れて頬を撫でて、そのまま軽く口付けて。言葉で伝わらないなら行動で示せば良いだけ。そんな軽い気持ちでやってみたことだけど意外と彼には効いたようでちょっとだけ頬を紅く染めて照れ隠しのように笑っていた

「照れてんだ、かわいー笑」

『可愛いのは阿部ちゃんでしょ、流石に効いたわ笑』

「ふふ、大成功。見つかったらまずいから早く帰ろ！」

今度は俺から手を繋いで歩き出した

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「お邪魔しまーす」

『はいどうぞ～』

お言葉に甘えて彼の家に来させてもらった。綺麗にしてるな、と思った矢先にちょっと見過ごせないことをし始めた。またハンガーにかけずに上着をポイってしてどっか行こうとしてる。見てないしいいよね、と拾って着てみたら思ってたよりでかくてなんか面白かった

『何可愛いことしてんの？』

「んー？ポイってしたから要らないなら俺が貰っちゃおーと思って」

『欲しかったらあげるよ笑明らかに阿部ちゃんよりでかいから男避けにもなりそうだし』

「男避け…笑」

時々こういう緩い独占欲を出してくるところ狡いな、とつくづく思う。嫉妬とか独占欲って全面に出されるとしんどくなっちゃうけど時々なら可愛く見える。好きな人フィルター的なのがかかってるっていうのもあるのかもしれないけど。てかほんとに貰ったとしたら他の人から絡まれにくくなるかもしれないじゃん、ほんとに俺と話したいと思ってくれてる人選別出来るし屈強な男に襲われそうになったりしたときには役立つからありがたいけど。そういえばこの感じだと泊まりになりそうだけどパジャマとかは貸してくれるんだろうか

『…あ、パジャマ貸すよ。ちっちゃめの探してくるからテキトーにくつろいでて』

「あ、ありがと」

彼がリビングから居なくなったのを良いことにリビングを探索しているととあるものを見つけてしまった。テーブルの上に無造作に置かれた白い錠剤の沢山入った小さな瓶。なぜかわからないけどラベルも何も張っていなかったから気になって手に取ってみる

「…薬、？」

何処かで見たことがある薬。寝れないとき用の睡眠薬とかかと思ったけど多分違う、もっと最近見たはずだから。あれは確か1週間前くらいに翔太が持ってた…そこで俺はおかしいことに気がついた。もしこれがその薬なのであれば、本来なら彼にはこんなもの必要ないはず。だってβだって聞いてるんだから。なのにこれが家にあるということは、浮気している？いや彼がそんなことするわけない。俺のこと好き過ぎて他の人眼中に無いもん。逆にこれで浮気されてたら俺人間不信になるよ。なら康二か翔太が置いていった？二人とも俺に遠慮してめめの家になんか来ないしめめも人を家にあまり上げないからそれもないだろう。となると残された可能性は一つ。手元のヒート抑制剤を見詰めて出した結論は

「…めめがΩなのか」

少し遠くから何も知らない彼の声が聞こえた気がした