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【2年前】
私「櫻崎鈴子」の家族はちょっとした有名人だ、兄の拓哉はヒット映画に何本も出演した人気俳優だし
父は西日本海自造船協会会長で、今年まで地元の市会議員を務めている地元の有権者だ
そして兄夫婦は結婚式はごく身内だけの参列にし、神戸の二人の思い出があるオリエンタルホテルの、海の見える教会で永遠の愛を誓った
しかし私は自分の兄が有名人だということは、実は隠したい事実だった、なぜなら必ず兄と比べられるからだ
兄は容姿端麗、妹は普通、兄はたぐいまれなる才能の持ち主で、妹は学業も普通、歌も踊りも下手くそ
そして私は平凡な平均偏差値の金持ち私立女子大を卒業して、父の経営する会社の一つの、市会議員事務所の事務係りで、毎日家と事務所の行き帰りのつまらない日々
このままでは母が進める見合いでも、させられそうな勢いだった
そんな時私は田村俊哉と運命的に出会った
出会いはある日私がスマートフォンをショッピングモールでなくしてしまってとても困って、近くにある交番所に駆けこんだ時、運よく私のスマホを拾って届けてくれたのが彼だった
彼はすっきりとした体形で、真っ黒のキノコのようなマッシュルームカットで、グレー色のウレタンのマスクをしていた
そしてマスクの上から切れ長のすっきりとした、一重の瞳には優しさが輝いていた