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私、あの子と仲良くなりたい
こんな感情初めてだった。
自慢のように聞こえるかもしれないけれど、私は普通に話していたらあっちがお友達になってくれるような人。
だから、友達になりたいなんて思っていなくても、友達なんて簡単に作れて。
でも、唯一あの子だけは、私が初めて「友達になりたい」と思った子だった。
あの子は、勉強もできるし、性格もいいし、そして外見も清潔さと可愛さが掛け合わさってとにかくほぼ完璧に近くて。
すこし大袈裟に言うなら、私の「憧れ」みたいな子なの。
私は絶対あの子と友達になる。
でも、あの子には私より仲のいい友達がいるの。
入学してから1年間ずっと仲が良かったみたいで、休み時間になった途端にあの子は友達のところへ走っていく。
それが羨ましくて。
あぁ、あの子はその友達のこと大好きなんだなって。
そう思った瞬間、私の中に黒い感情が湧いてきたの。
「あの子をその友達から奪おう」
そう思ってしまったの。
最初はびっくりして、自分がそんな感情を抱いたことに焦っていたけれど、
あの子とあの友達が話してるのが、どうしても辛くて。
だから、あの子に特別親切にすることにしたの。
そうすれば、あの子もきっとあの友達から離れて、私のところに来てくれるって信じて。
頑張ったの。
一緒に登校しようって誘ったり、ご飯食べようって言ったり、たくさんお話した。
だから、あの子は私と仲良くしてくれるようになった。
嬉しかった。憧れのあの子と友達になれたんだ。
ある日、あの子が私に相談してきた。
「最近あの友達と話せてないんだよねー…」
私の黒い感情がもっと黒くなったのは、その時だった。
あいつからこの子を奪うことが出来たんだ。
嬉しい。そして、あいつを見下したような優越感に浸っていた。
でも、その次、私の黒い感情が全て悪い方向へ向かった。
「もっとあの友達と話したいな…」
今までの私の黒い感情を、全て消し去りたかった。
この子が望んでいないようなことを、ずっと私はしていたんだ。
この子を苦しめるようなことを、ずっと私はしていたんだ。
私の中が澄んだ透明になったとき、私は絶望していた。