テラーノベル
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目が覚めると夜になっていた。
「やばい…寝過ぎた…」
と心の中で思い、急いで階段を降りて教室に戻ったが誰もいなかった。
誰も僕の事を探してくれなかったのか…
と思ったが屋上で寝ていた自分が悪いと思い少し反省した。
廊下から誰かが走る音が聞こえる。
「え、誰か来てる…!隠れなきゃ…」
と思ったが恐怖で体が動かなかった。
「あ!君(僕)隣の席の子だよね!探してたんだよ??」
え…?なんで僕なんかを…?
と思ったが
「ご、ごめん…」
としか言えなかった。
「良かった…。心配してたんだよ?誰も探そうとしないから1人で探してたんだよ?」
転校生が心配してくれている。こんな僕を。
「ありがとう…」
いつ言ったのか忘れるくらい久々に感謝の言葉を言った。
「次いなくなったらもう探さないからね!」
(可愛い…めちゃくちゃ可愛い…)
「分かりました、気を付けます…」
少し照れ気味に言った。
「急に敬語!w気を付けてね。」
もっと話したいが僕みたいなぼっちは話をすることがとても難しい。
何を話せばいいかな…好きな食べ物を聞くか?
と心の中で僕なりに考えるが何もいい言葉が出てこない。
「プルプルプル。プルプルプル。」
電話だ。お母さんから…
「出ないの?お母さんからでしょ?」
普段ろくに会話をしていないのに電話なんか出たくない…
と思ったが女の子(君)の前だ、出よう。
「もしもし…」
「あんたこんな時間までどこで何をしてるの💢すぐに返って来なさい!!」
スピーカーにしていないのに女の子に丸聞こえだった。
「ごめん…すぐ帰るから…ってえ?」
女の子(君)にスマホを取られる。
「もしもし〜、私僕くんの友達の〇〇(君)と言います!実は一緒に勉強していて、今帰ろうとしていたんですよ〜!」
なんで僕の味方を…??
「そうだったのね!だったら安心!〇〇(君)さんも早くお家に帰ってね!」
プツッ。電話が切れる。
「なんで僕の味方を…?」
と聞くと、
「だってあのまま帰ったら怒られるでしょ?」
(優しい…なんて優しいんだ…)
「あ…ありがとう…」
こんなに優しくされたのは初めてだ。
嬉しくて泣きそうになったが我慢した。
「また明日会おうね!じゃ!ばいばい!」
そう言って彼女は教室を出た。
(いっそ2人だけの世界になればいいのに…)
そう心の中で思い家に帰った。
家に帰ると僕の友達の話で盛り上がっていた。
ダッダッダッダ。
リビングから走る音が聞こえる。
「あんた友達いたの??しかも女の子の!」
声が大きい…だけどなぜか嬉しい自分がいる。
「ま、まあね」
ちょっとだけカッコつけて言ってしまった。
「お兄ちゃん友達いたのー?知らなかったw」
(言ってなかったが僕には妹がいる)
頬を赤らめ言う。
「今日出来たんだよ…」
…………沈黙が続く
「まあ良いんじゃない?友達が出来て良かったじゃない」
なぜか今日は涙が出そうになる事が多い。
その日はなぜかいつもよりご飯が美味しく感じ、なぜかよく眠れた。
「明日あの子に会ったらちゃんとお礼を言おう……」
そう思い眠りについた…
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