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なんかレッドだけ結構?いや少しかな…前世の記憶が戻ってきてる気がする…いつか銀さんもブルーも戻るんかな! いやほんと誘拐した奴らだれだよ喧嘩するか?
「・・・ったく!どこいった!?」
「あ、兄貴・・・早いって・・・!」
レッドとブルーは、人混みをかき分けながら、人を探していた。
「・・・にしてもさ、兄貴」
「んだよ」
「珍しいよな。兄貴が面倒くさがらず、すまない先生を旅に連れてくなんて、普通なら「めんどくせぇー」って言うじゃん。どういう風の吹き回し?」
と、ブルーはひょっこりとレッドの背後から顔を出す。
レッドはあーと零し、考えていた。
──ずっとひとりであそこにいたこと。
──記憶がなく、ないのにあそこに縛られ続けていたこと。
──そして、何故か彼を見て、とても懐かしいと思ったこと。
レッドは正直、自分でもよく分かっていなかった。なんで、彼を連れ出したのか、彼を旅に誘ったのか。自分でも分からない。けれど、
「・・・あんな小さな箱庭にいるなんて、“あの人”らしくねぇって思っただけだよ」
そうレッドは呟くように言うと、ブルーはキョトンとした。
「・・・兄貴、“あの人”って誰だよ?」
「・・・あ?俺、“誰のこと言ってんだ”?」
「えぇ・・・大丈夫なのかよ。兄貴、辛いもん食べすぎて頭おかしくなったんじゃねぇの?」
「よぉし、弟。表出ろ」
と、喧嘩勃発しかけていたところに、ふと、
ドンッと、誰かとぶつかった。
「あ、すんません。」
「あ、いえ、こっちこそすいません」
と、レッドは顔を上げた。白髪に、灰色の瞳の少年。何故か、“会ったことあるような”気がした。だが、そんな気もすぐ薄れて消えてしまった。
「・・・どうしたんですか?すっげぇ急いでるようですけど?」
「あ、実は連れとはぐれてしまって・・・あはは・・・」
ブルーはそう言うと、レッドはブルーの手を掴み、「行くぞ」と言った。
「ちょっ!兄貴!!」
「忘れたのか?すまない先生はこっちでは『世界の知識を与える者』って噂されているんだよ。もし、悪いヤツだったら危ねぇだろ」
「けど!」
ふと、その少年はキョトンとし、答える。
「・・・あの、もしかして連れって銀髪の髪を纏めて、水色の目のやつか?」
思わずそれにレッドとブルーは勢いよく振り返り、叫んだ。
「「すまない先生に会ったのか!?」」
「ひ、ひぇ・・・」
少年・銀さんは両手を上げ、ホールドアップした。
✵✵✵✵✵
「ええっと、俺はミスター銀。そのすまない先生?はここで会ったんだ」
と、建物前へと3人は向かった。
「で、しばらく話したあと、連れと別れたからってそっちに行って」
と、指を指す。レッドとブルーは顔を見合せ、指を指した方向へと駆け出した。
「あっ!ちょっと!もー!!」
銀さんはほっとくことが出来ず、2人を追いかけた。
✵✵✵✵✵
日が沈み始めた路地裏は、普段よりも暗く、まるで別の世界のようだった。
ブルーとレッドと銀さんは、その路地裏を通る。ふと、
「・・・ん、あれって・・・」
と、ブルーが駆け寄り、何かを拾った。
それは、少し汚れてしまったが、空色のリボン。確か、すまない先生の一房だけ青色の髪に結んでいたリボンだったはず。と、レッドがブルーに目線を送ると、ブルーはこくりと頷いた。
「・・・でも、なんでこんな所に?」
そうブルーがこぼすように呟くと、銀さんはあっと零した。
「・・・もしかして、誘拐事件に巻き込まれたんじゃ・・・?」
「「誘拐事件?」」
と、レッドとブルーはオウム返しで銀さんに聞いた。