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翔は汗をぬぐいながら少女を見据えていた。結界の動揺を引き起こしたものの、完全には破壊できていない。この状況を打開するには、さらに相手の隙を突く必要があった。
「ねえ、お兄さん、まだ抵抗するつもり?」少女は冷たい笑みを浮かべながら、スカートの裾を押さえ直した。「さっきみたいな手は通じないよ。だって、私は恥ずかしくなんかないもん!」
言葉とは裏腹に、彼女の頬はほんのり赤く染まっている。その微妙な反応を見逃さなかった翔は、わずかに笑みを浮かべた。
「そうかよ。じゃあ、次はどうだ!」
翔はあえて真剣な表情を崩さず、彼女に向かって一歩踏み出した。少女は一瞬だけ後ずさったが、すぐに鈴を振りながら挑発する。
「ふーん?近づけないと思ったけど、まだ余裕があるんだね。」
しかし、翔は少女の動きに合わせて足元に注意を向けた。結界の影が薄くなっている箇所を見つけ、そこへ向けて強引に突進する。
「な、なにやってるの!?」
少女が鈴を振るも、影が思うように動かない。
そのとき、不意に少女のスカートが風に煽られて軽くめくれた。
「――――!!」
一瞬の出来事に、少女の動きが完全に止まる。赤面した彼女は思わずスカートを押さえ込み、目を見開いて翔を睨みつけた。
「ちょ、ちょっと!今の見た!?ねえ、見たでしょ!?このヘンタイ!」
翔は必死に目を逸らしながらも、心の中では勝利を確信した。
「いや、わざとじゃねえよ。でも、今の一瞬でお前が動揺してるのは分かったぞ。」
「う、うるさい!」少女は声を荒らげ、足を踏み鳴らした。「もう絶対に許さない!次は本気で潰してやるんだから!」
しかし、翔の狙いはそこにあった。彼女の動揺が結界の弱体化を加速させている。
「お前の恥ずかしさが、結界を壊してるんだ。俺が童貞だから、この結界を張れたんだろうけど、そろそろ終わりにしようぜ!」
少女は鈴を握り締めながら顔を真っ赤にし、さらに挑発するような態度を取ろうとするが、その声は少し震えていた。
「ふん……そんなの関係ないもん。まだ勝負は終わってない!」
翔はにやりと笑みを浮かべ、今度は少女の背後へ回り込んだ。そして、結界の薄くなった部分を狙って最後の一撃を加えようと準備を整える――。