テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
#かごめかごめ
桜城
418
#創作
M.S
981
※年齢設定めちゃくちゃです。
それでは、
どうぞっ。
ーーーーー
幼馴染だった私たち。
最初は、ただ後ろをついてくる可愛い子だと思った。
けれど、成長していくにつれ関わりが薄くなっていけば、彼女は自然と独り立ちしていて。
久々に会ったその子の制服姿に驚きを隠せない私に、「見惚れちゃった?笑」なんて口を叩いた。
デビューしたてのアイドルと高校生。
魅了されるのは圧倒的に後者なはずなのに、彼女の一言に動揺を隠せなかったのは私だった。
私達の年齢差は到底埋まるものじゃなかったし、世間体的にも有り得ないと言われるだろうが、私は彼女に恋をしていると気が付いてしまった。
それを自覚してから、こっちがアピールを繰り返しているのに弄ばされて躱されてやっと付き合えたのは彼女が大学生になってから。
そこから数年は幸せだったものの、彼女の就職と私の事務所との再契約を機に何かがおかしくなっていった。
🩵「綺羅ちゃん、…また泣いてる。」
💛「う、ぐっ…ふう…“」
🩵「…理解できなくてごめん。大変だよね。」
柚葉が家に帰るたびに見るのは私の情けない姿。
ぼーっとしていると気が付けば涙が溢れるくらいには疲れ果てていた私を、彼女は何も言わずただ抱きしめてくれていた。
抱きついたときの彼女の速い心拍に安心してそのまま意識が落ちていくことが多々あった。
次、目を覚ました時にはもう居なくて、でも残されたメッセージに毎回心を温められた。
ただ、柚葉には理解できないアイドルならではの悩みはお互いを隔てた。
理解できない苦しみ、共感されない苦しみ。
双方の意思が完璧に噛み合うことなんてなくて何度か喧嘩になった。
🩵「最近、ずっと來亜さんとか美咲さんとかだね?綺羅ちゃん。」
💛「…仕方ないでしょ、苦しみを完璧に理解できるのは結局同業者だけなんだから。」
🩵「…っ、仕方ないって……私だってなんでも話してって言ってるじゃん!!」
💛「守秘義務とか、契約の話とか、舞台裏とか。軽々しく他人には話せないのは当然だから、。」
🩵「…他人?」
💛「あ、…っ、ちが、」
🩵「…………そうだよね、ごめんね。笑」
あくまでも、冷静に。
年上なんだから。
そう考えて言葉を選んだはずなのに上手くいかなくて、もう争いを生むのだから仕事のことは話すのをやめようと決意して。
それからは、なんとか上手くやれていた。
はずだった。
next.
コメント
1件
ああ、なるほど…「年上アイドル×年下幼馴染」という関係性の面白さもさることながら、この“理解できない苦しみ”の描き方がすごくリアルでした。アイドルだからこそ話せないこと、恋人だからこそ知りたいこと——そのすれ違いが切なくて。特に「他人?」のやりとりからの沈黙、あそこ、心臓がぎゅっとなりました。次が気になります。