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ジーク「ん……。」

ジークが目を覚ます。

アリィ「あっ、起きた!?ジーク。

無事でよかったぁ〜…。」

ジーク「俺…何があったんだっけ…」

アリィ「覚えてないの?ジーク、ポルポルの中身を覗いた瞬間急に倒れたんだよ。」

ポルポルの中身という単語がアリィの口から出た途端、ジークの身体中から汗という汗が噴き出す。

アリィ「えっと…一体どんな…」

アリィの口を慌てて、ジークが塞ぐ。

ジーク「アアアアレはダメだ。ワスレヨウソウシヨウ。」

アリィ「一体何があったんだ…。」

ジーク「さぁ、俺は塩が欲しいな〜!」

アリィ(私は絶対ポルポルの中身を覗かないようにしよう…。)


アリィ「やっと着いた〜! 」

アリィは門の前で思い切り叫ぶ。

ジーク「待て。ポルポルはしまえ。

人間を食べたら大問題だ。俺達今度こそおしまいだぞ。」

アリィ「そうしたいのは山々だけど…リュックに… もう入らないと思う…。」

そう言ってアリィはジークの背負っていたリュックを指で指す。

ジーク「どれ、貸してみろ。ポルポル痛いかもだが、少し我慢しろよ。」

ジークはリュックを降ろすとリュックの中にポルポルを無理やり詰め込もうとする。

ポルポル「ギッ!?」

ジーク「ふっ…!くそ…入らねぇな…。」

ポルポル「ギッ!ギー!」

ポルポルは慌ててリュックから逃げる。

ジーク「あ。」

アリィ「んもぅ!強引すぎ!」

ジーク「すまん。」

ポルポル「ギ〜…。」

ポルポルは九死に一生を得た様な鳴き声を上げていた。

ジーク「でも入らないとなるとな…。」

アリィ「ぬいぐるみってことに出来たりしないかな。」

ジーク「そいつ飛ぶし、ぬいぐるみならずっと持ってなきゃだろ?かさばる。 」

アリィ「かさばるって…ん…?ポルポル?どうしたの? 」

アリィがふと荷物に目をやるとポルポルが荷物をじっと見つめていた。

次の瞬間、ポルポルが荷物をまるで吸い込むように取り込んだ。そう、取り込んだのだ。そこにあったはずの荷物が一瞬で無くなった。

アリィ&ジーク「あああああああぁぁぁ!!

ジーク「ちょ、おま!だせえええええ!!」

ジークが慌ててポルポルを揺さぶる。

アリィ「ポルポル、食べようと思えばなんでも食べれるの!?じゃなかった…!ペッしなさい!ペっ!」

するとポルポルは何事も無かったかのように 自身の内側から勢いよくアリィ達の荷物を落とし出した。

ポルポル「ギー。」

ジーク「だ、出した…。荷物の確認しないと! 」

2人が慌てて荷物の確認をしたが、無くなったものは1つもなかった。

アリィ「何事もなくてよかった…。」

ジーク「ホントだよ…。ん…?」

アリィ「どうしたの?ジーク。」

ジーク「いや…これ利用できるんじゃないか…?」

アリィ「どういうこと?」

ジーク「ポルポル、これ食え。 」

ポルポル「ギー 」

ジークが荷物を指さし、指示するとポルポルは荷物を取り込んだ。

アリィ「えっ!?ジーク!?」

ジーク「まぁ見てろって。ポルポル、出せ。」

ポルポル「ギッ」

ジークが再び指示をすると今度はポルポルは

荷物を吐き出す。

アリィ「…!これって…!?」

ジーク「今までの荷物が重たいって問題の解決になるし、これならかさばらないだろう。」

アリィ「でも、これどう説明するの?」

ジーク「ほら、アレあるだろ?何だっけ…えーと…大容量…」

アリィ「〚大容量圧縮装置付バッグ〛?」

ジーク「あ、それ!」

アリィ「確か、荷物を圧縮してほぼ無限に入るように開発されたバッグだよね。 」

ジーク「バカみてぇに高いけどな。仕組みは似たようなものだし、顔は落書きってことで誤魔化せる。 」

アリィ「ただで、似たような物が手に入ったのは嬉しいね。」

ジーク「ポルポル、宿に着くまで鳴き声をあげるな。後俺が揺すったら荷物を出してくれ。 」

ポルポル「ギッ!」

アリィ「理解してるか理解してないのか…。」


衛兵「待て、止まれ。」

ジークとアリィは揃えて足を止める。

ジーク「はい。」

衛兵「それは何だ。」

衛兵は、ジークが小脇に抱えたポルポルを指す。

ジーク「ああ、これは圧縮装置バッグです。」

衛兵「中にあるものを見せられるか?」

ジーク「どうぞー。」

そう言ってポルポルから荷物を取り出す。

衛兵はポルポルから荷物の中身を一つずつ丁寧に取り出して目視で検査する。

衛兵「ん…これは…。」

アリィ&ジーク「ビクッ!?」

アリィ(ジーク!?一体何を入れたの!?)

ジーク(知らねえ知らねえ!)

衛兵「やたらナイフが多いな。」

ジーク「へっ!?あっ、ナイフ! 職業上獲物の皮を剥いだりするものでして… 野宿も多いので調理道具も必要で使い分けてるんです。こいつが嫌らしいので。」

そう言ってジークはアリィを指さす。

アリィ「誰だって嫌でしょ…。」

衛兵「そうか、そういうことなら通ってよし。ただ、カバーが壊れかけてるから買い直した方がいいかもな。荷物袋が大惨事になるぞ。 」

ジーク「えっ?うわ!ほんとだ!…あの時かな…。」

アリィ「おいこら、知らないぞー私その話。」

ジーク「やべ。墓穴掘った。」

アリィ「宿に着いたらじっくり聞かせてもらうからね。」

ジーク「ハイ。」

衛兵「尻に敷かれてんなー兄ちゃん。」


アリィ「っぶはぁ〜!疲れたー!今日はもう一歩も外でない…。」

ジーク「俺はちょっと食べ物食いに行ってくるよ。悪魔の食べれない部位結構高値で売れたからな。」

アリィ「待ちなさい。」

ジーク「ギクッ!?」

アリィ「誤魔化せるとでも?」

ジーク「…ハイ。すんません…。」

「前にアリィが居ない時に調理してたら、

悪魔が襲ってきて…それで咄嗟に投げました…はい…。」

アリィ「なんで言わないの!このばかちん!」

ジーク「いやぁ〜…その晩は追い返せたし、

次の日も来なかったから…。」

アリィ「はぁ…。心配だから隠し事あんまりしないでね。」

ジーク「ハイ。」

アリィ「さっ、説教も終わったことだしこの部屋の中ならポルポルも楽にしてていいよ。荷物出せる?」

ポルポル「ギー!」

ポルポルは任せてとでも言うように鳴き声をあげ、荷物を降ろした。

アリィ「ポルポルは花を食べるし、花屋さんにも行った方がいいかな?」

ジーク「それなら俺も…」

アリィ「ジークはそこで反省してなさい。」

ジーク「ハイ。」

ポルポルは今日もお腹が空いている

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