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ーー「君より彼に近い人間、、、かな」
私は彼の全てを知ってる。私は誰よりも彼を愛し愛されている。こいつが?私より彼に近い人間?馬鹿馬鹿しい。
ーー「そんなに怖い顔しないで」
心臓が止まったみたいに鼓動が消えて、そのあと一気に暴れ出す。まるで、この部屋の“今”を誰かに覗かれているような――そんな恐怖。
そんな感情と同時にさっきの発言に怒りもわいてくる。
「私の方が彼を知ってるに決まってる!!」
「彼は私を裏切ったりしない!!」
――「証拠、見せてあげようか?」
わたしは息を呑んだ。
迷った末に、怒りと恐怖で震える指で「見せて」と返信した。
すぐに画像が送られてくる。
開いた瞬間、目の奥が焼けるように熱くなった。
そこに写っていたのは――彼。
白いシャツの襟を少し開いて、笑っている。
隣には知らない女。ピンクのネイルを彼の肩に置き、頬を寄せていた。
頭が真っ白になった。
指先が冷たく痺れて、息ができない。
彼は「仕事が忙しい」と言った夜、こんなふうに笑っていたの?
その笑顔は、わたしに向けられるはずだったのに。
「嘘、だよね……?」
口から漏れた声は、かすれていた。
返信しようとしたけれど、画面の向こうのアカウントはすでに既読をつけ、次の言葉を打ち込んでいた。
――「まだ知らないこと、たくさんあるよ。」
鼓動がうるさい。
頭の奥で何かが千切れそうになる。