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隣で寝ている蓮がもぞもぞと動き出したのを感じて、意識が浮上する
俺の首の下に腕を差し込んでくるから、それを合図に俺は蓮と反対側に向いた
反対の腕がお腹に回されて、背中に蓮がくっつき、大きな熱に全身が包まれる
ぎゅうっと抱き寄せられて首に顔をうずめられる
しばらく力を込めて抱きしめられる間、微睡みながらも、体温が少しずつ肌に馴染んでいくように、じわじわと愛情が染み渡ってくるような幸せに浸る
ふっと少し腕の力が緩んで、いつもより低い寝起きの蓮の声が耳元で聞こえる
「…ん、翔太」
「…おはよ、れん」
蓮は腕枕をしたまま寝たがるけど、俺はちゃんと体を休めて欲しいから、それはダメと言っている
代わりに起きた時には毎回こうして後ろから思い切り抱きしめられる
これが俺たちの目覚ましだ
腕の中の翔太が体をこちら向きになおす
瞼は半分も開いていない
「…いま、…なんじ?」
「ん、6時半……翔太、今日は?」
「…はや……おれは、昼過ぎから」
「まだ寝る?俺も昼からだから」
「…ん、れん」
「なに?」
「もう1回ぎゅ…して…」
「うん」
抱き寄せた腕の中で穏やかな顔の翔太が徐々に眠りに落ちていく
「…れん、…すき」
「ん、大好きだよ、翔太」
「…んふ……」
ふわっと笑った後に、くたっと俺に体を預ける翔太の頭を撫でて、俺も次第に微睡みの中に落ちていった