「4日の夜は泊まりにおいでね」
「何もしなくていいぞ」
「わかってるよ、それでもさ、一緒に過ごすことくらいさせてよ」
「………おれも、お前と一緒に過ごしたい」
「うん、待ってるね」
食後のコーヒーと共にショートケーキが一切れ出てきた
「いいって言ったのに」
「これくらいはいいでしょ、一切れだけだから分けて食べよう?」
「なんで一切れ?」
「分け合うのいいじゃない?それに翔太くん一切れも食べれないでしょ」
「苺は俺のな」
「ふふわかってますよ、お誕生日様」
「明日だけどな」
「ひと足先にね」
ソファでいつの間にか眠りに落ちていた
「翔太くん、寝るならベット行こ」
「んぅ、寝てた」
「気持ちよさそうだった」
「お前の隣はよく眠れるんだ」
「ふふ、なにそれ」
「なんか目覚めちゃった」
「あったかいお茶いれようか」
「ん、ありがと」
お茶を持ったままベランダに出る蓮
「風邪ひくぞ」
「ちょっとだけ」
毛布を持って自分もベランダに出る
「毛布貸して」
代わりに蓮のマグカップが手渡されて、2人一緒に毛布にくるまる
「やっぱり東京じゃ見えないね」
「まぁ、そうだろうな」
「秋は綺麗に見える方なんだけど」
「そうなの?」
「うん、空気が冷えて澄んでくるから。星月夜って言葉もあるくらいなんだ」
「へぇ〜」
「また星見に行きたいね」
「そうだな」
「前に行った時も綺麗だったし」
「うん、でもさ、蓮?」
「うん?」
「…俺は、星の見えない夜でもいいよ」
「ふふふ、俺も、雨の日が続いたっていい」
都会のネオンの輝く夜空で、甘くて優しい口付けを交わす
「そろそろ寝ようか」
「うん」
お茶を飲んで日付が変わる前にベットに入る
「翔太くん大好きだよ。生まれてきてくれてありがとう」
「うん、今日ありがとな」
「どういたしまして」
「おれも蓮が大好き。お前に会えてよかった」
「うん、うれしい。じゃあ、おやすみ」
「ん、おやすみ」
抱きしめ合って眠りにつく
愛しい人がくれる温もりの中でまた1つ歳を重ねる、そんな夜
終
星の見えない夜でもいいよ
(どんなあなたも愛しています)
雨の日が続いてもいい
(あなたと一緒ならなんだっていい)
コメント
4件
素敵なお話、ありがとう😊
