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junp_
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#あべさく
雫石
59
#Snow Man
さくらさく🌸
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#ゆり組
雫石
140
(深澤視点)
「………」
結局、父さんの家に戻ってきてしまった…
憂鬱な溜息を吐き出してドアノブに手をかける。
照と一緒に住む前には毎日帰ってた場所だぞ…
きっと、きっと大丈夫だから……
父さんがいないことを願いながら、静かにドアを開ける。
「………ぁ…」
靴、ある……
でも、父さんのだけじゃない。
……ハイヒール…?
一体、誰の……
「何だと!!?てめぇ、ふざけんな!!!!」
「…………ビクッ」
父さんの怒鳴り声……
誰…誰がいるの…?
せめて、父さんの遊び相手でいてほしい…
そうしたら、俺は何とも思わないのに…
きっとそうだよ………
「だから、さっきから言ってるじゃないの。あの子の親権を私に渡してよ」
「…………」
聞こえてきた女性の声に、頭が真っ白になった。
嘘……そんなわけない…
「ふざけんなっ!お前が勝手に出てったんだろ!!」
父さんの怒鳴り声、親権、勝手に出てった。
もう、答えなんてとっくに出てる。
でも、信じたくなくて……
「はぁ?あの子の母親は私よ?私にあの子を育てる権利があるの!!」
どうして……どうして、母さんがいるの…?
もう二度と会わないと思ってた母さん。
何で、今になって……
母さんは、俺のことを捨てたんでしょ…
「やっと溜まったのよ。あの子ももう高校3年生、ちょうどいいじゃないの。あの子は難関大に通わせるわ。もちろん、私の元でね」
「まだそんなこと言ってんのかよ……離婚届出さなかったのはそれが理由かっ…!!!」
「怒らないでちょうだい。この子の親権さえ渡せばすぐに離婚してあげるわよ」
「てめぇ……!!!」
父さんのイラついた声と、やけに落ち着いてる母さんの声…
離婚、してなかったの…?
俺、ずっと母さんは父さんのことが嫌で離婚したって……
母さんも……俺のことをずっと、道具だと思ってた……?
「私がずっとあの子の学費を稼いでる間、あなたは何をしてたわけ?酒にタバコに女に、私のいない生活はさぞ楽しかったでしょうね」
「あーあー、思う存分楽しんでたよ!お前にネチネチ言われない日々をなぁ?!」
「最低ね、あの子にあなたみたいなクズな部分が移ったらどうしてくれるのかしら?」
「うるせぇんだよ、あいつもお前がいなくてのびのびしてたぜ?」
「そんなわけないでしょ?!今まであの子を育ててきたのはあなたじゃない、この私なのよ?!」
「勝手にでてった奴の言うことなんて聞くわけないだろ!あいつは俺の子供だ、俺の味方なんだよ!!」
「いいえ!そんなわけないわ!!」
母さんと父さんの怒号が脳を揺さぶる。
耳を押さえて、玄関でうずくまる。
もう………やめてよ……
何で、どうしてこうなるの…?
父さんも母さんも、どうしてそんなに怒ってるの…?
どうして、どうして………
「私はあの子のために言ってるのよ!!!!!」
「あいつのことを思ってるんだったらそもそも勝手に出て行かないだろ!!!!!」
「…………」
全部……俺が悪いの…?
母さんが出て行く前もそうだった…
2人は、いつも俺の将来のことで言い争ってた。
俺がどちらかを選べなかったから、母さんは出て行って、父さんは変わっちゃった。
今も、俺のことで2人は争ってる……
そんなの嫌だ……
だって、2人とも…昔はあんなに仲良かったじゃん……
子供の俺が見てて恥ずかしいくらい、すごいお似合いで……
お互いのこと、想い合ってたのに……
なのに………
「………もう、やめてよ…父さん、母さん……」
リビングには、やっぱり父さんと母さんがいた。
父さんはいつも通りのダラけた服装、母さんはオシャレな服装。
久しぶりに見たな…
母さんはもちろん、ちゃんと父さんの顔を見たのも久しぶり。
「あら、帰ってきたのね。私のことはもちろん覚えてるわよね、さ、こんな家とっとと出ていきましょ。これからは私のところで贅沢できるからね」
綺麗な笑顔で母さんは早口に続ける。
「おい、勝手なことすんな!!お前、今までどこ行ってたんだ!!!!」
父さんは、怖い顔をして俺に叫ぶ。
「………もう、やめて…お願いだから……」
声は、震えてる…
それでも、俺は……
「俺のためとか…もういいから…俺、2人の言うこと全部聞くから……2人の好きなようにしていいから……だから、もう、やめて…」
2人が、俺の大好きだった、お互いを大好きだったはずの2人が喧嘩してるところなんて、見たくないよ……、!
父さんが望むんだったら、いくらでも身体を差し出す。
母さんが望むんだったら、頑張って難関大に進学していいところに就職する。
俺、いい子にするから…2人の望むように動くから…
だから……
「もう……やめてよ……っ…」
もう、争わないで……
俺はただ、昔みたいに2人と一緒にいたいだけなのに………
「…………駄目よ」
「………ぇ…?」
「甘えたこと言わないでちょうだい。あなたは私の言うことだけ聞いてればいいの」
母さんの冷たい視線が突き刺さる。
………甘え…俺の、俺の願いは…甘えなの……、?
「お前、ふざけたこと言ってんじゃねぇ!!……なぁ、お前は俺だけの味方なんだろっ、!?俺の言うことだけ聞くんだろ?なぁ?そうなんだろ!?」
父さんに強く肩を揺さぶられる。
父さんの、味方……?
「ちょっと、この子に触らないでちょうだい!!悪影響よ!!」
「こっちのセリフだ!!俺のものに手を出すな!!!!」
また、目の前で言い争いが始まる。
……俺の、声…また、聞こえてないの……?
全部、差し出すよ……、?
言うことも聞くし、何されても抵抗しないよ…
望むままに動くし、絶対に言われたこと以外しないよ…
2人だけのいい子になるよ…それでも足りないの…?
俺の身体も意思も何もかも2人に委ねるのに……
まだ、2人には足りない……?
「…………」
じゃあ、俺はどうすればいいの…?
全てを差し出しても、2人は言い争い続けるの…?
言葉だけだから?ちゃんと行動で示さなくちゃ駄目なのかな…
2人の思うような、いい子に……
“優等生“に、なればいいの……?
………もう、いいよ…
俺が、ずっと選べずにいたから拗れたんだ…
だったら、もうやめようよ…
みんなの期待に応えるから…
もう、俺の思いなんて見られなくてもいいから……
「………やめよう…もう……」
俺は、俺じゃなくなってもいいから……
____ピンポーン
もう、何もかもがどうでも良くなった時、この場の空気は不自然すぎる音がなった。
インターホン……?
その音に、母さんと父さんの言葉も一瞬だけ止まる。
「……はぁ、どちら様?」
母さんは大きく溜息を吐いて玄関に向かう。
「……いきなりすみません、深澤辰哉さんのお家でお間違いないでしょうか?」
「中、入ってもよろしいでしょうか?」
「………っ…」
どうして………
それは、間違いなく阿部ちゃんと照の声だった。
(岩本視点)
ふっかは、学校にも来てなかった。
やっぱり、あの家に帰ったんじゃないか…?
そう思うと、焦りがどんどん大きくなる。
「照、ふっか、いないね…」
阿部も焦ったような顔をしてる。
阿部に、伝えてみるか……
「ふっかは、もしかしたら父親の家にいるのかもしれない…」
「……父親…」
俺の言葉に阿部が顔をしかめる。
阿部も、ふっかの家について思うところはあったもんな。
「照、ふっかの家は分かるの?」
「一応。ふっかとのルームシェアを始める前に1回だけ」
ちゃんと家は覚えてる。
「………どうする?」
阿部が俺を真っ直ぐに見てる。
判断は俺に任せるってことか…
「俺は行く。阿部は……」
「俺も行くよ」
即答……
でも、阿部がいると俺も心強い。
「警察が必要になるかもしれない。連絡もすぐできるようにしよう」
「分かった、任せて」
阿部に連絡係を任せる。
あの父親だ、もしかしたら暴力沙汰になる可能性だってある。
……ふっか、無事でいて…
「……ここがふっかの家?」
「“元“ふっかの家」
「あ、そうだね…」
阿部の言葉を訂正させてもらう。
もう、ふっかの家じゃない。
ふっかの帰る場所は、俺のところだから。
「………じゃあ、押すよ」
「うん」
阿部がインターホンに指を置く。
____ピンポーン
頼む、出てくれ……
「どちら様?」
「「………」」
阿部と顔を合わせる。
中から聞こえてきたのは女性の声……
父親じゃない…?誰なんだ……?
玄関の扉が開く。
見たことのない女性………
やけに洒落た服を着ているな…
それに………
ふっかに、雰囲気が似てる……
「……いきなりすみません、深澤辰哉さんのお家でお間違いないでしょうか?」
俺が動揺しているのを悟って、阿部が話を進めてくれる。
今は、ふっかがいるかを確認することが大事だ。
「中、入ってもよろしいでしょうか?」
女性の冷たい視線……少し前のふっかに似てる…
まさか、本当に……
「……ニコ、ごめんなさいね。まだあの子は帰ってきてないのよ」
「「…………」」
柔らかい笑顔、でも、その裏には何を考えてるのかわからない笑顔。
……間違い、ないな……
でも、ふっかからは離婚したって聞いてたんだけどな…
「……ふっか、いるんだったら出てきて」
目の前の女性じゃない、家の中の奥にいるはずのふっかに語りかける。
いるんだよね……
多分、父親も中にいる。
大丈夫、出てきて大丈夫…
「ちょっと、だからいないって言ってるでしょ!勝手なことしないでちょうだい!!」
明らかに焦ったような女性の声。
やっぱりいるな。
「ふっか、大丈夫。出てきて」
「………っ…あ゛、いた゛…っ…!!」
「「……!!」」
阿部と顔を合わせる。
ふっかの声……
不法侵入とか考えてる暇なんてない。
この向こうで何かが起こってる……!!
「ふっか……!」
女性を避けて、急いで中に入る。
「……失礼しますね」
その後を、阿部がついてくる。
「ちょっと!!待ちなさい!!!」
女性の声を無視して、さっき声の聞こえた部屋に向かう。
「………ふっか!!」
「……っ…照…阿部ちゃん……!…ぅあっ……、!」
「くそっ、勝手なことしやがって…!!!お前は黙ってろ!」
ふっかの腕を強く掴んで口を塞いでる男…
こいつが、ふっかの父親……
「…照…多分、窓から出ようとしてる…」
阿部が隣から耳打ちする。
ふっかを連れて逃げるつもりか……!
「………ちょっと!!!あなた、何のつもり!!?その子は私のところに来るの!!」
後ろから、おそらく母親の声が響く。
……どういうことなのか、全く分かんねぇ…!
「うるせぇな!!こいつは俺のものなんだ!お前のものじゃねぇんだよ!!」
「何言ってんのよ!!いつからその子があなたのものになったわけ!!!?」
母親が俺らを押しのけてふっかに手を伸ばす。
くそ、まじかよ…!!
俺らの前で夫婦喧嘩なんて……!
「……照…これ、まずいよ…」
阿部も焦ったような顔をしてる。
警察……でも、まだ早い…?
でも、ふっかが目の前で苦しんで……!
「その汚い手を離しなさい!!この子があなたみたいになったら困るのよ!!私の子なのよ!!!!」
「てめぇこそいい加減にしろよ!!!」
………何なんだ、この夫婦は…
ふっかは、この2人の子供なんだろ…?
それなのに、ふっか本人の前で何の話してるんだよ…
「………っ…んっ…んん……、!」
「……っ…」
ふっかの苦しそうな、助けを乞うような瞳……
目の前で両親の口喧嘩を聞いて、今も目の前で争ってる…
そんなの……
「……照…?」
「阿部、暴力沙汰になったらすぐに警察に連絡してほしい」
「え?ちょ、照!」
阿部に連絡の準備を頼む。
「………いい加減にしてください」
ふっかの腕を掴んでいた父親の腕を掴む。
「あ゛?部外者が家庭の事情に首突っ込んでんじゃねぇよ!!!」
「あんたたちは何なのよ!!早く出てってちょうだい!!」
同時に声を上げる2人。
人の家庭事象に口を出すなんて駄目なことだって分かってる。
でも……
「俺に、関係があるから止めてるんです」
ふっかが心配そうに俺のことを見ている。
大丈夫、ふっか、心配しないで。
「関係がある?何言ってるのかしら?これは私たちの問題なのよ!!!」
「………あなたたちだけの問題じゃない。ふっかが関係してるなら、俺も関係してる」
「てめぇみたいなガキに何がわかるって言うんだよ!!お前には関係ねぇんだよ!!」
父親が荒く叫んで俺の腕を払う。
関係ない?
「…なら、この問題はあなたたち2人だけの問題だ。ふっかには何の関係もない」
ふっかが驚いたように目を見開いてる。
「あなたとこの子、何の関係もないでしょ!!?変な冗談はやめてちょうだい!!この子に二度と近づかないで!!早く出て行って!!」
悲鳴に近い、甲高い声。
長い爪が頬をかすって、血が流れてる感覚がする。
俺とふっか、何の関係ないって…?
「……ありますよ、関係」
真っ直ぐに、ふっかの怯えた瞳を見つめる。
「……俺とふっか、“婚約“してるんで」
俺の言葉に、その場にいる全員が固まった。
父親に視線を移す。
「あなたはおそらく知っていると思いますが、俺とふっかは今同棲をしています。もちろん、これからも続けます」
「……なっ…てめぇの家に逃げてたのか…!!」
俺に振り上げた拳を躱して、自由になったふっかの腕を優しく引く。
「阿部!」
「うん!!」
すぐにふっかを阿部の方に渡す。
「〜〜〜っ!!!勝手なことしないで!!!!!」
ふっかの方に手を伸ばす母親の手を押さえる。
まずはふっかの安全を優先しないと。
母親は話が通じないタイプ、父親は話は通じるけどすぐに手が出るタイプ…めんどくさいな。
正直、なるべく暴力とかは起こしたくない。
ふっかの無事も確保できてる。
………なら…
「阿部、引くぞ!」
「了解!!」
「……っ、わっ…!!」
「待ちなさい!!!!」
「待て!!!!!」
後ろからの制止の声を無視して、家から出る。
「………ふっか…大丈夫…?」
家から出て、公園のベンチに座る。
やけに青ざめた顔のふっか…大丈夫か…
「………ふっか、カバンに何かあるの?」
阿部の言葉で、ふっかの視線の先がカバンの中だってことに気づく。
ふっかは、何も言わずに首を縦に振る。
「……見てもいい?」
ふっかが首を縦に振ったのを確認して、カバンの中を見させてもらう。
「……!」
「これ……」
阿部と顔を合わせる…
盗聴器………
阿部はすぐにスマホを取り出す。
スマホの画面をふっかに見せる。
『この盗聴器、どうしたの?』
スマホのメモ……なるほど、そういうことか。
俺もスマホを用意する。
『ゆっくりでいいよ、これで教えて』
ふっかはゆっくり俺らを見て、静かにスマホを開いた。
『“みんなの秘密を暴き隊“の犯人と対峙した。でも、逆に盗聴器をつけられて、今みたいになっちゃって……』
盗聴器、だから家にも学校にも……
ふっか……また、1人で抱え込んでたんだな…
『でも、今ので全部バレちゃったよね。あいつは、俺の家庭事情も知ってる。さっきの話も聞いてたはず。きっと、今掲示板では』
掲示板……?
犯人は家庭事情を知ってる?
分からないことは多い、でも、今確認することは…
頼む前にもう掲示板を開いてくれたらしい阿部がスマホを差し出す。
そこに書かれてるのは……
「……何も、投稿されてない…?」
思わず声が出た。
何回見ても変わらない。
今日の分の更新がされてない。
ふっかも驚いたようにスマホの画面を見てる。
「………ふっか、多分喋って大丈夫だよ」
阿部が口を開く。
「この盗聴器、機能してないんだと思う」
盗聴器が機能してない…?
ふっかと顔を合わせる。
一体どういうこと……?
「………?あれ、新しい投稿…」
“みんなの秘密を暴き隊“とは違うアカウントの投稿……?
「あ!!!照たちみっけ!!……って、ふっか!!?」
それと同時に佐久間先輩の声が聞こえてきた。
焦ったような顔……
「大変なんだよ!!康二が……!!」
渡辺先輩の焦った声……康二が…?
「……新しい投稿、見たかな…?目黒とラウールが今、康二のところに行ってるんだけど…」
宮舘先輩に促されて、新しい投稿を見てみる。
『校庭集合!!飛び降り宣言!?』
………まさ、か…
コメント
7件
康二が…庇ったってことか!!? ってか急な夫婦の婚約宣言(でまかせでも)アツいです…✨️✨️
はい? え? 何が起こってるの?
え、どうゆう事…。「校庭集合!!飛び降り宣言!?」って!え?しかも康二が大変って。