テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
※こちらはプリ小説の方の作品の改正版です
正規の作品はプリ小説の方を読んでくださいね♪
プリ小説の方はアイコンもあります!
4月__暖かい風が吹き、カーテンが揺れる
この病室で私は2年前のことを思い出す
今もこの悲しみは消えない
だけど、私は彼女のために今日も
歌い続ける
彼女の歌を
彼女の思いを___
この声にのせて……
〈___さん!〉
ふと、名前を呼ばれ意識を戻す私
〈出番です〉
そう、一言言うマネージャー
そして私は舞台上へと足を踏み出した___
2年前
私は母の見舞いのため、病棟へ来ていた
私の母は、5年前交通事故に遭い今でも意識不明の重体だ
そんな母のため、私は毎週土曜ここへ通っている
私はこれでも高校生のため、あまり時間はない
私は見舞いが終わり、病棟から出るため出口へと歩いていた
___ふと、足を止めていた
すると、そこには1部屋の隔離病室だった
一見何もない
___が、そこにはいた
私よりも背が小さい少女がベッドの縁に立って
窓から身を投げ出そうとしていた
私は今まで出口へと歩いていた足を方向転換させ
病室の中へと素早く連れて行く
「ちょっと!何をしているの!?」
『…………』
少女は何も話そうとしない
ふと、彼女の髪に目がいった
彼女は白髪をしていた
彼女は私の視線に気づいたのか
慌てて髪を隠すように手で覆った
そんな彼女を横目に私は会話を続けようと必死だった
「えっと…、あ!まず自己紹介ね!」
無理に会話を続けた私は自分の名を彼女に伝えるため
口を開いた
「私は陽向(ひなた)」
「琴吹 陽向(ことぶき ひなた)」
『…………』
自己紹介が終わっても彼女は口を開かない
「えっと、…」
『……ゴソゴソ』
「……?」
彼女はカバンの中をごそごそと何かを探すような仕草をしていた
そして、彼女は何かを見つけカバンから取り出した
それは、1つのスケッチブックだった
『私は声が出せないんです』
そう、スケッチブックにペンを走らせて言葉を伝えてくれた
「え…、そうなの…?」
『はい』
私は頭に浮かんだ疑問を投げかけた
それに対して彼女は丁寧に返事をしてくれた
そんな彼女に私はなんて声をかけたらいいのかわからなかった
「………」
「あ!君の名前は?」
私はこの暗い雰囲気を変えようと無理やり話題を変えた
___そう、聞いたのだが彼女の手は止まっていた
何かまずいことでも聞いたのか…?
と、考えてしまうほど沈黙が続いた
その沈黙を破るように
急に彼女の手が動き始めた
『私は…』
『私は陽影(ひかげ)』
『降谷 陽影(ふるや ひかげ)』
「陽影ちゃん…!かわいい名前だね!」
私は素直に思ったことを伝えた
___が、それは間違った選択肢だった
『…………』
陽影は黙り込んでしまった
どうしてなのか
私にはわからなかった
『そう…、』
陽影はなんとも淋しげな、不安そうな文字だった
書かれた文字は少しばかり震え
文字が揺れているのが目に見えた
その、不安な言葉、表情、気持ち、全てが伝わってくるような気がした
「うん!陽影ちゃんはかわいい!」
私は場を和ませるため、わざと明るく振る舞った
陽影との会話は終わってしまった
私は何も陽影のことをしれていないような気がした
私は何かいけないことをしてしまったのだろうか…?
そんな感情のわからない罪悪感が残る胸に語りかけ
毎週土曜にここへ通うことになるのだった___
登場人物:自己紹介
「」
名前 琴吹 陽向(ことぶき ひなた)
年齢 高校2年生
性格 明るい、ポジティブ
その他 無名のシンガーソングライター
『』
名前 降谷 陽影(ふるや ひかげ)
年齢 中学1年生
性格 落ち着きがある、冷静、ネガティブ
その他 声が出せない障害者(失声症)
無名の作詞者
またまた急に始まりました!w
最初の通り、これはプリ小説の方の改正版です!
よければそちらも見てみてくださいね♪
それでは、次回でまた会いましょう!
では!
次回:隔離病室
NEXT➸♡40
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!