はいこんにちは!
今日はホワイトデー当日ですね!と言う事で三話目は私の最推しカプを投げていきます!
・相棒
・当たり前のように同棲
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こちらの作品はご本人様とはなんの関係もございません
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今日は世界中のリア充達が盛り上がる一大イベントの日、そう、バレンタインや。店内に入るなり至る所にチョコのコーナーが設置されている。もはや一種の洗脳だとも捉えられなくもないこのイベントだが、俺にとっても他人事ではない。
コネシマと付き合い始めてはや半年…告白が成功して付き合ったのは良いが、何を今更というような妙に気恥ずかしい感じの空気が互いに生まれ、一緒に住んでいるにも関わらず、そういう事どころかキスすら一度も出来ていない。
別にそこまで焦る必要がないのは知っとるし本命やから大事にしたい気持ちがあるっちゅうのも嘘ではないんやけど…ないんやけど!!!あいつ無駄に顔だけええからこっちは不安になんねん!だから今日こそはこのバレンタインの押せ押せムードに便乗してキスぐらいしたるわ!
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そして立てた作戦がこう。まず何でもないかのようにデートに誘う、そんで思いっきりエスコートした後にいい雰囲気になったとこで、サプライズのチョコ渡して俺にときめかせた後に流れるようにキス!これでターンエンドや!
そんな馬鹿な事を考えながらリビングに入ると呑気にスマホを見ているシッマがいた。俺に気付くとぱっと顔をあげて立ち上がりこちらに近づいて来る。よし今や、さりげなくバレないようにデートに…
「なぁ、大先生今暇なら一緒に出掛けへん?」
「へ?」
あれ、これ今俺が言おうとしてた…え、普通にターン奪われたんだが、?思わぬ発言に面食らって変な顔をしていたのか、シッマが怪訝な目でこちらを覗き込む。
「?大先生どした?もしかして何かする事あった?」
「ぁ、いや、今日は特に何もないで。ただいきなりやったからびっくりしただけや」
「そか、まあ最近あんま外出てへんかったからな、気晴らしにどっか行こ思ったから誘ったんや!」
俺が行けると言うと嬉しそうに目を輝かせて着替えに行ってしまった。多少想定外の事は起きたが結果的に外に連れ出せたから一旦は大丈夫やな。俺も準備するか…
準備が終わってリビングに戻ると、とっくに準備を済ませたシッマが待っていた。
「お、大先生準備終わった?ほな行こか!」
「え、ちょシッマ待って、どこ行くん!?」
呼び止めても、答える気がないのかさっさと靴を履いて先に外に出てしまった。…これ俺ほんまに今日エスコートできるんか…?多少の不安を抱えながらも、とりあえずシッマについて行くために慌てて外に駆け出した。
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その後、気付いたら俺たち2人は家に帰ってきて飯食いながら話をしていた。あれ、おかしいぞ…?シッマの事エスコートするつもりだったんに久々のデート楽しすぎて普通に楽しんでもうた…シッマ楽しそうやし、まぁええけども
俺が1人で悶々と悩んでいる間に飯も食い終わり、特にすることもなくソファでスマホを弄っているとシッマが声を掛けてきた。
「な、大先生さ、今ええか?」
「ん、どしたシッマ?」
「あの、渡したいもんあるからちょっと待っててもらってええ?」
そう言って返事をする間もなく部屋に戻っていってしまった。渡したいもの…?てか俺シッマにチョコ渡しとらん!
シッマが部屋から戻ってくる前に急いで用意したチョコを取りに行き、シッマからは見えない位置に隠して元の場所に座る。
後は来るまで待っておこう。そう思った瞬間シッマの部屋からえぐい音が聞こえた。慌てて部屋まで行くと少し涙目でつま先を押さえてるシッマがいた。
「シッマ!?お前何してん!?」
「すまん、ちょっと、急ぎすぎて、走ってたら足ぶつけたッ…」
相当急いだのか息が切れている。そんなに今すぐ渡したい物なんか…?
「とりあえずリビング戻ろか…?」
一旦リビングに戻ったが、先程よりシッマの口数が明らかに減った。話しかけてもぎこちない返事しか返って来ないのに、妙に俺の真正面から目を合わせに来る。こいつ、なんか隠しとる…?ま、ええか、とりあえずチョコ渡そ
「なあシッマ、」
「っ、お、おぅ、なんや?」
「お前まじでどうした、まあそれはええとして、俺も渡したいもんあんねん」
「へ、ま、待って!俺から先に渡さして!」
これ、と言って背後から取り出したのは綺麗にラッピングされたチョコの箱だった。
「これ…」
「えっと、あの、今日バレンタインやろ、?いつもあんまこういうの出来へんから、その、今日ぐらいはええかなって、思ったんやけど、やっぱ、いらんかったか…?」
「いや、そうやなくて…」
驚いて固まっている俺をみて不安になったのか目の前の男はどんどん早口になっていくが、俺が驚いているのはこいつがチョコを渡してきた事じゃない。
「シッマ、なんでこのチョコにしたん?」
「え?えっと、結構前の事やけどこのチョコ一緒に食った時に大先生が気にいっとったから…」
「…ふ、はははっ笑」
「は、大先生、何笑っとるん…?」
堪えられなくなって笑い出した俺を不思議そうな目で見つめる。そんな事ってあるんかと思いながら俺は背後に隠したものを取り出す。
「え、?これって」
それを見たシッマも驚いたような表情を浮かべる。それもそのはず。俺があげようとして買っていたチョコは、シッマが渡してきたものと同じ物なのだから。しかもチョコだけでなくラッピングの柄まで完全一致ときた。
ここまで来たら以心伝心とかそういうのを通り越して最早気持ち悪い。
「っはは、まじでっ、きもすぎやろ俺ら笑」
本格的に笑い出した俺を見てシッマもにやけ始める。あ゛ーっはっは!とほぼ撮影と変わらない声量で笑い始めて、こちらまで可笑しくなってしまう。お互いに笑いの波が引かないまま暫く笑い合い、少し落ち着いたのかコネシマが質問してくる。
「え、大先生、俺があげようとしてたの知っとったん?」
「いや、普通に知らんかったで?ただ俺は普通にチョコあげたくて選んだのがこれやっただけや。全く同じ理由やったけどな笑」
「まじか!?俺らいよいよやばいな…」
「ほんまに気持ち悪い…笑」
「なな、大先生、チョコ食べてええか?」
「あげたやつやから別に聞かんでええやろ笑」
笑いながらチョコを口にする恋人を見て、悩んでいた自分が馬鹿らしく思えてくる。
「シッマ」
「ん?」
「めっちゃキスしたい、してええ?」
「は、?」
何の脈絡もない唐突な発言に驚いて固まり、その意味に気付いた途端にみるみるうちに顔が赤くなっていく。
「なん、きす、って、きゅうになに、」
「なぁ、だめ?」
「っ…だめ、じゃ、ない」
耳まで真っ赤に染め上げながらも承諾してくれる目の前の恋人が愛おしい。
頬に手を当てると、肩を跳ねさせながらも目を閉じるシッマ。そんなこいつを見て、微笑みながらそっと触れるだけのキスをする。
初めてのキスは、ほんのり甘いチョコの味がした。
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お疲れ様でした!
やっぱり相棒のなんとも言えない距離感いいですよねぇ…
特に書くこともないのでまた次のお話でお会いしましょう!
コメント
2件
めちゃ素敵でしたーー!!!友人関係から恋人関係に変わったから恋人っぽいことするのが気恥ずかしい相棒組、まじで解釈一致です( ;;)