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私の名前はルデス・チール
今隣国のアルランカーザ国へ馬車で移動中です !
元々は男爵位であるカストル家の一人娘だったのですが、わりと貧乏だったため没落。平民に落ちる前に両親が私を子爵家へ養子として出したのです。
その養子先がチール子爵家です。
チール子爵夫妻には子供が2人いますがどちらも息子であるため、家の跡継ぎや王宮所属騎士団へのお務めから他家への奉仕に出す子供がいませんでした。
(ここで余談なのですが、私が住んでいたフェデスラン国では自分達より爵位の高いお家へ子供を奉仕に出す事で社交での繋がりを広げたり子供のお勤め先の自慢として夫人たちがサロンでマウントをとるのが多々ありました。)
そのため没落男爵令嬢の私がすんなりと養子として子爵家に迎え入れられたのです。もちろん、奉仕に出す他にも、慈善事業とし養子を迎え入れれば国から結構な額の支援金が送られるそうです。
しかし、フェデスラン国では既に良さそうな名家は侍女を募集していませんでした。私を家に留めておくより他国へ出してお給金を子爵家へ入れて欲しいと。チール子爵夫妻は私に隣国のアルランカーザにある名家のシアン侯爵家がちょうど侍女を募集しているからそこで侍女として働きなさいと言いました。
これが私がシアン侯爵家で侍女として働くこととなった経緯です。
国境をこえて少ししたところで辿り着いたシアン侯爵家はとても落ち着いた雰囲気の邸宅でした。
「はじめまして!チール子爵家から参りました、ルデス・チールです!」
ー
出迎えてくれたのは、にこやかな侍女長でした。
「はじめまして、ようこそ。あたがルデスね
私は侍女長のサシリア、貴族方の前以外なら呼び方は任せるわ。さぁ、入って!」
ー
侍女長と他愛のない会話をしながら説明を受け分かったことは、ここは本邸ではないこと。
最近侯爵位を継いだご令嬢が体調を崩されて社交界をしばらく離れるため国境付近の静かな邸宅に移ったとのことでした。急だったため人手が足りなかったとか。
「侯爵様はシアン家の新しい侯爵として社交界からも期待が寄せられてる御方よ。でも侯爵様はとても気さくで優しいの!そう緊張しなくて大丈夫よ。」
ー
*「そうなのですね!* ありがとうございます。そういえば、アルランカーザ国では女性が爵位を継げるのでしたね。フェデスラン国とは違いアルランカーザは進んでいる国ですね。 *」*
ー
「確かにこの国は女性も騎士団にお務めすることが出来るし、爵位だってそう難しい話ではないわね。」
ー
ひときわ目を引く扉の前に立ち止まり侍女長が挨拶をしました。
「侯爵様、ご紹介したい侍女がございます。お時間宜しいでしょうか?」
ー
すると少し間をおいて、ドアの向こうから透き通るような美しい声が聞こえたのです!
「サシリアね?もちろんよ、入ってちょうだい」
ー
私はこの時のことを一生忘れないでしょう。
まるで女神サーが造った彫刻のような美しいお顔に1億ガポンもするといわれるエルフの長い髪のような輝くシルバーヘア、メルバの滝のような瞳
本当に美しかったのです!
(女神サー…フェデスラン国の唯一神)
(1億ガポン…城を3つ建てられる、貨幣世界共通)
(エルフの髪…伝説の存在でエルフの髪を指に巻けば治せない病はないと言われる。)
(メルバの滝…神話に出てくる神々が集う美しい滝)
「ルデス?ちょっと大丈夫?」
ー
侍女長の声がなければ一生見とれていたでしょう
はっとして慌てて挨拶をしました。
「はじめまして、本日からお仕えさせていただくルデスと申します。」
ー
「はじめまして、ルデス。来てくれてとても嬉しいわ!そうだ!お祝いでちょっと豪華なディナーをしましょう!」
ー
もう私は驚きを隠せません。一介の侍女のお祝いだなんて、男爵家でもしませんよ。
侍女長もノリノリなのがより一層私を困惑させました。
そしてその日の夜、侯爵様の言う通り使用人たちと侯爵様で豪華なディナーをとり1日が終わりました。侍女長が長く暗い廊下を一緒に歩いて寝室まで案内してくれました。
「どう?ここは。みんなあたたかくて良い人達でしょ?もちろん、侯爵様もよ」
ー
「こんなに使用人に優しいご主人様なんて!本当に現実…なのでしょうか?」
ー
「面白い事を言うのね!!」
ー
侍女長に爆笑されてしまった。しかし、フェデスラン国の人達がこの光景を見たら卒倒する人もいるにちがいないです!
「さぁ、ここが使用人が泊まる場所に繋がる扉よ。私達使用人は離れの建物だから1度外に出なくてはならないの。寒いからショールを羽織って」
ー
侍女長はとても優しい人でショールをかけてくれました。
「ありがとうございます…」
ー
ショールをかけてくれた感覚が両親からもらった愛情と重なり涙が出てしまいました。
「あら!どうしたの、大変、泣いているの?」
ー
「すみません、私、私…」
ー
離れの建物に向かいながら私はここに来ることになった経緯を話しました。
侍女長は最後まで寄り添って聞いてくれました。
部屋の前まで来るとこういいました。
「ここではなんでも出来るわ。貴女がしたいこともね!」
ー
侍女長は得意気な顔をしてから就寝の挨拶を交わし私と別れました。
明日からはいよいよ、侯爵様の身の回りのお世話を他の侍女達と一緒に任されます。
ここではなんでも出来る、まだこの時はなにも知りませんでした。
凩
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花月夜れん
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#体格差
月咲やまな
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コメント
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わぁ、第2話、すごく温かい世界観に包まれましたね。 没落貴族の令嬢が隣国で新たな一歩を踏み出す……その不安と希望がルデスの視点から丁寧に描かれていて、惹き込まれました。特に、侍女長サシリアの優しさや、侯爵様の「お祝いディナー」の発言には胸が温かくなりました。 世界観の説明(女神サーや貨幣単位など)も自然に挟まれていて、「ここは何かが動き始める場所だ」という予感がします。 「ここではなんでも出来る」という言葉の裏に、これからどんな物語が待っているのか、続きが気になります!