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栞 .#𓈒 𓂂𓏸@朝 弱
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#ボカロ曲パロ
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春馬君@🔰/♠🌸
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コメント
2件
私と仕事どっちが大事なの?の重いバージョンみたいや
第1話、読み終わりました。夜の喧嘩から必死の捜索、そして再会での「ごめん」の連続——仁人の焦りと後悔がひしひしと伝わってきて、胸が締め付けられました。太智との電話のやり取りも、仕事優先の生活が原因だと気づかせる良い伏線になってますね。最後の抱きしめ合うシーンでようやく息ができた感覚。続きが気になります。
夜、11時。
「……もう知らない!」
玄関に響いた舜太の声に、仁人は何も言い返せなかった。
「舜太、待っ__」
「待たない!」
バタン、とドアが閉まる。
静まり返った部屋に、時計の秒針だけが響いた。
「…………」
仁人は玄関を見つめたまま、ゆっくりと息を吐く。
「……ごめん」
今さら呟いても、当然返事はない。
「俺……何してんだよ…、」
最近、仕事ばかりだった。
帰ってくるのも遅い。
舜太と話す時間も減った。
せっかく一緒にいられる日も、スマホを気にしてしまう。
今日だって、舜太が「明日休みなんやし、どっか行かへん?」と言ってくれたのに。
仁人は仕事の予定を優先した。
「……そりゃ怒るよな」
ソファに座り込んだ、そのとき。
――♪♪
突然、スマホが鳴った。
「……太智?」
画面には太智の名前。
「もしもし」
『仁人?』
「うん」
『今大丈夫?』
「……大丈夫」
『……嘘やろ』
「え?」
『声、死んでるで』
「……」
『なんかあった?』
「……舜太と、喧嘩した」
『えっ』
太智の声が一気に真剣になる。
『なんで?』
「俺が……仕事ばっかで」
『あー……』
「最近ずっと帰るの遅かったし、舜太が一緒に過ごしたいって言ってくれてたのに、俺、ちゃんと聞いてなくて」
『うん』
「今日も、仕事の話してたら、舜太が怒って」
『そっか』
「それで……『もう知らない』って出ていった」
『……今どこ?』
「分かんない」
『え、探しに行ってないん?』
「……頭回らなくて」
『仁人』
「ん?」
『それ、普通にめっちゃ怒ってるやつちゃう?』
「……だよな」
『舜太、可愛いやん』
「……急に何」
『いや、可愛いからこそ危ないんちゃう?』
「…………」
『夜11時やで?』
「……」
『一人で外におるんやろ?』
その瞬間、仁人の顔色が変わった。
「……太智」
『ん?』
「俺、探してくる」
『おう。早よ行き』
「ありがとう」
『見つけたら連絡して』
「分かった」
電話を切った瞬間、仁人は立ち上がった。
「舜太…!」
上着を掴み、玄関を飛び出す。
「舜太!」
夜道を走る。
「舜太ー!」
公園。
コンビニ。
駅前。
いつも二人で歩く道。
「……いない」
スマホを取り出して電話をかける。
――プルルル…
『……』
出ない。
「舜太……頼むから出て…」
もう一度。
――プルルル…
『……』
「お願いだから……」
それでも出ない。
仁人は走った。
息が切れても、足が痛くても止まらなかった。
「舜太!」
30分。
どこを探しても見つからない。
「……いない」
仁人は立ち止まった。
「……どこにいるんだよ」
スマホを見る。
11時半。
「……もう無理__」
膝に手をつき、俯く。
「俺……舜太に何かあったら……」
声が震える。
「どうしよう……」
そのとき。
「……じ、んと?」
「……え?」
聞き覚えのある声。
仁人が顔を上げる。
少し離れたところに、舜太が立っていた。
「……舜太?」
「じ、仁人……?」
次の瞬間。
仁人は走った。
「……っ!」
そのまま舜太を強く抱きしめる。
「うわっ……仁人……?」
「ごめん……!」
「……」
「ごめん、本当にごめん……!」
「仁人、ちょ……苦し……」
「ごめん……ごめん……!」
抱きしめる腕に力が入る。
「……どこ行ってたんだよ」
「……」
「めちゃくちゃ探した」
「……ごめん」
「電話も出ないし……」
「スマホ、カバンの中入れてて……気づかんかった」
「……怖かった」
仁人の声が小さく震える。
「舜太がどこにもいなくて……」
「……仁人」
「俺、仕事ばっかで……舜太のこと全然見てなかった」
「……」
「寂しかったよな」
「……うん」
「ごめん」
「……うん」
「本当にごめん」
舜太はしばらく黙っていた。
そして、仁人の背中にそっと腕を回す。
「……俺も、ごめん」