やっほ〜〜〜!!(挨拶の仕方が判らなくなった)
矢っ張り2作品同時進行すると、片方投稿頻度低くなりますね笑((済みません
数話と言ったからには、直ぐに終わらせたいと思っています!
思って……います。
(頑張りますね……)
それでは、続きをどうぞ〜!
シュッパイした。
その言葉が、太宰の頭を埋め尽くした。
そう。太宰はシュッパイしたのである。
太宰が見た資料は自分達を騙す為に作られたものであり、作られたウイルスは異能ではなく人工物。
それ故、現に太宰もウイルスに感染していた。
「ゲホッ…!」
吐血。
太宰の口内から血が溢れ出た。口元を抑えながら、太宰は中也の所へふらついた足取りで向かう。
キュイン。
甲高い、手銃とは何処か違う銃声音。
狙撃銃の銃声と共に、太宰の腹部に銃弾が命中した。
「がはっ…!」
その反動により、太宰は空気中に血を吐き出す。前へと倒れた。
「っ……くそ…」傷口を圧迫させながら、太宰は呻いて起き上がる。ズルズルと引きずるように木の陰に隠れた。
「…はぁ……はぁ…はぁ……」
正に最悪と云っていい程の状況だ。
「はっ…はぁ……っ、ぐっ…」
傷口を強く圧迫する。一種の止血法であった。太宰は止血を行いながら、応援を呼ぶ為に通信機に触れた。
然し耳に入るのは砂嵐のような音。通信遮断だ。
此処で太宰ははっきりと判った。
否、少し云い方を盛った。正式には、相手の用意が上だった。こうなるよう仕向けた策士。
太宰は『自分と同じ』と考えた。
只の組織にこれ程の力はない、何者かが裏で操っている。
だが今は、この戦況を如何にかしないとならなかった。
「中也……」
中也の限界は近付いていた。今にも無効化しなければ、中也の命は危険にさらされる。
「……ははっ」
乾いた笑い声を発する。
「中々に……面白い…じゃあ……ないか」
太宰は、一か八かの行動をとった。
スナイパーが太宰を狙う中、太宰は解毒剤を取りにまっさらな更地を駆け抜けるのだ。
幾ら先読みが得意な太宰と云えど、この傷の中防護もなしに突っ走るのは、危険行為であった。
然し其れをするに十分な対価が、太宰の手元にあった。
太宰は勢い良く地面を駆け出した。
真っ白く透明なスコープが、太宰の姿を捉える。そして敵のスナイパーは指に力を入れた。
然し銃声も、苦痛に悶える呻き声も聞こえず、只々聞こえるのは獣のように咆える中也の声のみだった。
「矢張りね……」
太宰は笑みを浮かべながら扉を開ける。
「保険は何事にも必要だ」
***
或るビルの屋上に、一つの影が現れた。
息を呑む。顔に脂汗がびっしりと浮かび上がった。
何故なら握っていた狙撃銃が一刀両断にされているのだから。
震えながら、影の方へと視線を移した。
魂が悲鳴を上げた。
眼の前には、正に悪魔とでも云うような、殺意のみをまとった者が居たのだから。
その悪魔は小さく咳をする。
『貴様等の長は何処だ?』
静かに悪魔はそう云った。然しその声そのモノも、殺意のようなドロッとした粘りつく様な何かに包まれていた。
光る赤い瞳孔に捉えられ動けなくなる。金縛りのような感覚に陥った。
否、そんなもので動けない訳ではない。
恐怖だ。この恐怖が、躰を縛っているのだ。
それを理解しても尚、躰は動かない。只、口は動かす事はできた。
「違う!!俺は只の雇われの身だ!彼奴等とは何も関係ないっ!!」
『ほう…』
口元に手を寄せた悪魔は、少し目を細める。
『ならば貴様に一つの選択肢をやろう』
鋭い眼光に射抜かれる。その漆黒の瞳は、月の光も輝かしい街の光も、一片も侵入を許さなかった。
正に黒。
自分の魂が震えているのが判った。そして躰すらも魂と共に叫んだ。
此奴は黒だ。闇だ。闇で生きる人間だ。
『今すぐ自らの手で通信遮断器を破壊するか』
『通信遮断器を貴様諸共、僕の異能“羅生門”に喰われるか』
悪魔がまとっていた外套が姿を変える。
化け物だ。
通信遮断器を壊さなければ、自分はこの化け物に喰い殺される。
選択は、一つしかなかった。
黒い器械を足で踏み潰す。破片や部品が散らばった。
『……』
「はぁ…はぁ…はっ…はぁ…」
荒くなった息を整え、後ろへ向いて走り出す。不格好な姿で走り続ける。
全て、この悪魔からいち早く逃げる為だった。
『____…羅生門』
静かな声が、満月の夜に響いた。
「がっ…!?」
どしゃっと音を立てて、前へと倒れる。
「ぐあああぁぁ!!!」痛みに叫んだ。
化け物が口を開け、物凄い勢いで此方に向かってくる。
「ヒッ!…止め__グシャッ!!
満月ですら、その光景を照らそうとはしなかった。只々闇の中、一つの命が食い殺された。
『太宰さんの命を狙う愚者め……』
まるで汚物を見るような目で云った悪魔___芥川龍之介の表情は、怒りで埋め尽くされていた。
コメント
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初コメ失礼致します! このストーリー本当に面白いです! 続きが楽しみすぎます!