俺は昔、「嫉妬」だった。
嫉妬 (この建物の中にいるとドジと自己中の説教を聞かないといけないし、小屋に行って休憩でもしよう。)
嫉妬は小屋のあるところへ行った。
小屋の中に入るとソファーの上に男の人が寝ていた。
嫉妬 (え?何で男の人がいるの?)
嫉妬は驚きながら男の人の側に近付いた。
嫉妬 「あの…。起きてください。おーい。」
男の人は全然起きなかった。
嫉妬 (はぁ。どうしよう。ドジと自己中の居るところに戻ろうかな。でもうるさいしな。いいよな。ドジはしくじるけど明るくて話しやすいし、自己中はすぐキレるけど自分の自由なようにできるから。)
嫉妬は暗い顔をした。
嫉妬 (なに人の性格に嫉妬してるんだよ。もうこんな人格捨てたい…。そうだ!こいつに俺の穴を埋めてもらおう。)
嫉妬は男の人の顔を見て思った。
嫉妬 (アイツらよりも幸せになれれば嫉妬なんかしなくて済むだろ。でも何をすればいいんだ?マンガではよく友達や恋人と一緒にいると笑ってるし、友達とか恋人とかになれば幸せになれるのか? )
嫉妬は男の人の唇を見た。
嫉妬 (まぁ寝てるし試してみてもいいよな。)
そう思い、嫉妬は自分の唇を男の人の唇に当てた。
??? 「ん?」
??? 「うぇ!?」
嫉妬 「あっ。起きちゃった。」
嫉妬 (謝った方がいいよな?混乱してそうだし。)
嫉妬 「いや。ごめん。勝手にキスして…。でも君が勝手に小屋のなかに入って来てそんな無防備に寝てるからキスしたんだよ。まぁ、それだけで『キスする』っていうのはおかしいけど。」
??? 「えっ…。いや…。俺もすみません。」
話し終わると静かな空気が流れた。
それを気にしてか男の人が話し始めた。
優しさ 「俺『優しさ』っていう名前なんですけど、あなたの名前って何て言うんですか?」
嫉妬 「俺は『嫉妬』っていう名前です。」
優しさ 「嫉妬さん。」
嫉妬 「呼び捨てでいいよ。俺も呼び捨てでいくから。」
優しさ 「…!はい!」
嫉妬 (なんかチョロそうだし利用しようかな。)
そう思い、嫉妬は前のめりになって優しさの顔の近くまで顔をよせた。
嫉妬 「それでね。俺、いろんな人に嫉妬しちゃうからヤバイことにならないように君に僕の穴を埋めてもらいたいんだけどできるかな?」
嫉妬 (…。明らかに混乱してるな。)
嫉妬 「簡単なことだよ。優しさには友達ごっこや恋人ごっこをしてくれればいいだけ 。やってくれる?」
少し間が空いて優しさが喋り始めた。
優しさ 「俺のできることだったら何でもするよ。」
嫉妬 (チョロw)
嫉妬 「ありがとう。」
そう言って、嫉妬は優しさの口の中に舌を入れた。
グチッ
グチュッ
優しさ 「ぷはっ!」
嫉妬 (顔赤くなってるw)
嫉妬 「これからこういうことをするからよろしく。」
そう言って嫉妬はまた優しさの口に舌を入れた。
1週間後
嫉妬 「もー。うるさいなー。」
ドジ 「嫉妬さん。」
嫉妬はドジと自己中のいる建物に来ていた。
自己中 「お前どこ行ってたんだよ?」
嫉妬 「…。」
嫉妬 (小屋には優しさがいるしあんまり話したくないな。)
そう思っていると、それを察して自己中が話し始めた。
自己中 「まぁいいや。これを見ろ。パソコンがびちょびちょだぞ!」
嫉妬 「え!ホントだ。ラッキー。もうこれで嫉妬しなくてよくなるぜ。」
自己中 「…。」
嫉妬 (なんか説教始まりそうだし俺は小屋に行っとこうかな。優しさも待ってるし。)
嫉妬 「じゃあ俺はちょっと出掛けてくるな。」
嫉妬は建物の外に出た。
嫉妬 (いいよな。あんな楽しそうにして。ドジや自己中は楽しくないと思っていても俺には楽しそうに見える。それだったら「俺もその中に入ればいいじゃん。」っていう話なんだけど、でも何か違う気がする。俺ってめんどい男だな。優しさと居てもそのときだけ楽しいだけで、少しの間だけでも一人になると嫉妬してしまう。もう嫉妬なんかしたくない。)
そう思っていると、小屋についた。
優しさ 「おかえり。」
嫉妬は床に座り込んだ。
嫉妬 (こいつもいいよな。人格が「優しさ」って。俺もこんな人格になりたかった。)
優しさ 「どうした?体調が悪いのか?」
嫉妬 「俺、『嫉妬』にはなりたくなかった。」
優しさ 「え?」
嫉妬 「何で俺だけこんな思いしなきゃいけないの?ずっと辛かった。嫉妬ばっかりして優しさに頼んで、恋人ごっこしたり友達ごっこしたりしてくれたけど満足はできなかった。だって本当の友達、恋人じゃないから!」
嫉妬 (何で嘘言ってるんだろう。優しさが居てくれるだけで楽しかったのに。)
嫉妬の周りには黒い霧みたいなものが渦巻いていた。
嫉妬 「ごめんね。俺がこんなで。優しさにはもうちょっといい人がいてくれればよかったのに。」
黒い霧みたいなものが増え出した。
嫉妬 (そうだよね。俺よりもいい人と一緒にいたら優しさは友達になれてかもしれないし、もしかしたら恋人にだってなれてたかもしれない。でも、俺がいたからそんな幸せにはならなかった。ごめん。俺が生きてて。)
そう思っていると、嫉妬の口の中に優しさの舌が入った。
嫉妬 (え。なんだこれ?喉の中に何かが入っていく。)
嫉妬は何かを飲み込んだ。
すると、バタッと倒れた。