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目が覚める。
見覚えのある場所だ。
ここは『審判の間』
ここに来たのはちょうど数分前だっただろうか。やけに長く居る気がする。
ここに居た理由は…
《コツコツ コツ》
そんな足音が聞こえる。
そうだ、ここに居た理由。
アイツを殺すためだった。
サ「…」
サ「…その顔は…」
サ「…」
サ「お前…相当病んでるな…」
戦いが始まる。
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────────
────────────
目が覚める。ここは、審判の間…じゃない…
サ「ここは…どこだ?」
そこは何もない暗い場所。
周りを見渡しても、少し歩いてみても、その場所には何も無かった。
他のモンスターは無事だろうか?
元の場所には戻れるのだろうか?
疑問は産まれても答えは出ない。
そうしてしばらくその場で留まっていると…
?「ごきげんよう、気分はどうだい?」
そんな声が後ろから聞こえた。
声の元の方に振り返ってみる。
瞬間、心臓が飛び跳ねそうになる。
その場にいたのは、赤い目をした少女。
それだけならなんの問題も無い。
だが、その少女は見たことは無いが、
本能が訴えかける。
『こいつから逃げろ』と。
?「細かい説明をする前に、全てを見せた方が早そうだね。少し、夢を見よう。」
瞬間、黒い景色が変わる。
それは、人間と電話で楽しそうに話す世界。
それは、さっきと同じ人間と殺し合う世界。
それは、人間と共に外に出てハッピーエンドを迎える世界。
その全てが、内容が、予め造られたルートの1つとして頭の中に入っていく。
困惑、後に脅迫的な理解を繰り返す。
頭がおかしくなりそうだ。
そして、そんな悪夢と希望の終わりは、全ての景色にヒビが入り、我おちるという形で終止符を打った。
サ「ガ、ガハァァ!オエェ!!」
次に来るのは、吐き気。
景色に酔ったのか、脳が理解を拒否した結果なのか、理由の分からない猛烈な吐き気が全身を支配する。
?「終わったようだね。立てるかい?」
今やるべき事、それは…
サ「チィィ!!」
俺は一瞬で少女…『キャラ』との距離を開け、空中に生みだした骨で射貫こうとする。
こいつがどういう存在かも、知ってしまっているか。
しかし、その攻撃が当たることなく、キャラの身体を透けるように貫かれ、何も無かったかのように平然と立っている。
キ「うんうん、無事成功してるようだね。それじゃあ、小話をしよう。」
怒りが体を支配する。
サ「誰がお前の言葉など!」
キ「一旦落ち着くんだ。衝動的な行動が功を奏するのなんて正義のヒーローくらいだよ。それに、ボクだって操り人形の1人だったんだ。」
サ「操り人形だと?」
キ「あぁ、ボクという存在が復活したのも、元々は全てプレイヤーが行った行為。」
キ「ボクは確かに人間が憎いが、それはモンスターを傷付ける理由にはならない。結局僕も踊らされてただけなんだ。」
頭が痛くなる、一体何が起こっているんだ。
キ「ボクは実験をしてみたいんだ。運が良ければキミたちを救えるかも、その為に協力して欲しい。」
サ「…オレは何をすれば良いんだ?」
キ「キミにはボクの『ケツイ』を分ける。それを使って『ケツイ』の無いフリスクをハッピーエンド、いわゆるPルートまで見送ってあげてくれ。」
サ「そんなことが出来るのか?」
キ「プレイヤーが居ない今の間ならね、まぁ、それでもボクがここに出られたのは奇跡以外の何物でもないよ。」
こいつの言葉…本当に信用できるのだろうか。いや、信用できるかじゃないか。
あんなクソみたいな世界を変えられる可能性があるなら…
サ「了解した。【骨折り損】にならない事を願うぜ?」
そうして握手の為を差し出す。
キ「あぁ、よろしく頼むよ。」
それに応じてキャラも手を差し出す。
そうして…
《プゥー》
ブーブークッションの音が響く。
キ「変わらないね、君も。」
さて、こっからどうなるかな。
話が終わった直後、
世界が暗転し、目が覚める。
辺りを見渡すと、そこはオイラがよく知っている空間だった。
そう、自室だ。
つまり全部元通りに戻ったという訳だ。
オイラは安堵した後、頭をフル活用して考える。次に何をするべきか。
やつが言っていることが本当なら…
サ「うぉ…!?」
オイラは自分の『ソウル』を出し驚く。
下向きの白いソウルは、上向きの赤いソウルに包まれ、結果的に上向きのハートを作っていた。
サ「こいつがケツイか…なんでオイラの体は溶け出さないんだ?これは取り込んだという状態なのか?」
疑問は出るが、回答はない。
どうやらキャラはこの世界についてこれていないようだ。それか、また別の訳があるのか。
そんなことを考えていると、下の方から声が聞こえた。
パ「兄弟!!暇なら8日前にも言ったがパズルの点検をしてきてくれ!どうやら人間が来たみたいなんだ!」
この声は…パピルスだ。
あぁ、なんだろうな、無性に泣きたくなってきた。だが、まだ何も始まっちゃいない。
サ「分かったよ兄弟。」
あの景色が合ってるならここで人間と出会うんだ。それなら行かなくてわ。
オイラはこの世界は必ず救うとケツイし、
例の橋の方に足を進めた。