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【莉犬くん視点】
朝、ぷりちゃんに挨拶して
一緒に同じご飯を食べて
同じ時間に家を出て
学校に到着し別れる
…どうして俺とぷりちゃんは同じクラスじゃないんだろう
クラスで俺の居場所はないから
1人静かに本を読む
時間が経って、教室のドアがガラガラと音を立て開く
そこから細身の男性が入ってきてHRが始まる
これがいつもの光景
しかし今日は違った
担任と一緒に金髪碧眼の男の子が入ってくる
周りがざわざわと音を立てる
黒板にカッカッと音を立て名前を書いている男の子
海外から転校生らしい
俺は何も考えずにぼーっとしていると
隣に転校生が座り、英語で挨拶してくる
俺はぎこちなくハ、ハロー…と返すと
彼が英語でペラペラと何か喋り続ける
すると先生が
莉犬さん、放課後、転校生に学校の案内をしてください
と言いつけてきた
…は?放課後はぷりちゃんと帰るのに。なんで
逆らえない俺は苛立ちを隠し、はい。と答えた
時が経ち、放課後になると
転校生が俺に近付いてくる
俺は少し待ってて、と身振り手振りで伝え
ぷりちゃんのところに向かう
ぷりちゃんは俺を見つけて目を輝かせて笑う
「莉犬くん!今日も一緒に帰りましょ!」
俺は泣きそうな顔をして事情を伝える
するとぷりちゃんは少し考えて
「じゃあ俺、ここで待ってます!」
と微笑む
暖かい、優しい笑顔
ずっとこの笑顔を見ていたい、一緒にいたい
そう考えながら俺は転校生を連れ、校内を巡った
最後に中庭を案内する
桜が咲いているが少し時期が過ぎ、葉桜になっている
綺麗だなぁと眺めていると
頬に口付けされたのを感じた
俺は目を見開いて口付けされた方向を向くと
お礼を言って満面の笑みを浮かべる転校生が居た
彼の故郷では感謝を口付けで表すらしい
俺はそれとなく日本ではやってはいけないよ、と伝え
ぷりちゃんの所へ向かった
ぷりちゃんには隠さないと…
口にされたわけじゃないとはいえ、知られたら…
捨てられる…っ
そう思うと涙がこぼれた
俺は少しお手洗いによって呼吸を整える
俺は通常を装いながらぷりちゃんと帰り道を共にした
…なぜか、ぷりちゃんはいつもより口数が少ない気がした