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・前書き・
どうもおおおなんか最近前書き書くのすらめんどくなってきたsuipiでーす
まあ書きますけど
今回は用心棒やってる三人の馴れ初めということで過去になりますね。はい。ちなこれは右近視点ですなんかバリバリ右近が主人公に見えますね
前書きに時間をを割くことがもったいないんで本編どーぞ
「……なに、してるんですか…?」
帰ってきたら家の前に血だらけの人が倒れていた。呼びかけても反応がない。救急車呼んだ方がいいよね。絶対。
「…Zzz….」
いや、寝ていた。
「寝てるけど…怪我してるし…救急車呼びますね」
携帯を取り出し電話しようかと思ったら急に足首を掴まれた。
「…救急車は…呼ぶな……俺は…大丈夫だ……」
「えっ、でも!怪我ひどいですよ!絶対大丈夫じゃないですって!ちょっ、力強っ!!痛い痛い!!!分かりました!呼びませんから!目がヤバいよこの人!!ガンギマってるよ!!!」
呼ばなくていいって言われたけど放っておくわけにもいかないし…
取り敢えず危なそうだったから家に入れたけど……
「めっちゃ元気じゃないですか」
目の前でおかゆをガツガツ平らげる男。
手当てはしたけどかすり傷くらいだった。
「ああ、あれ全部返り血だから」
どうやら倒れていたのは怪我のせいではなく、お腹が減って飢え死にしそうだったかららしい。
「あんたがそんな返り血まみれになるまでなにしてたのか気になりますよ…というかあんた誰なんですか」
「名乗るほどの者でもねえよ」
「かっこつけて言われても…それ普通は俺が言うセリフだよね?」
「まあ、取り敢えず、ありがとよ。いつか恩は返すぜ」
一通り食べた後その人はそう言い残し、灰髪をなびかせながら去って行った。その後にあれ?ここどこだ?と呟いているのも見た。
(変な人だったなあ…でももう会うことはないだろうなあ)
俺の家は代々道場を受け継いでいてもちろん俺の父・長束信一郎も道場を開いていた。父は周囲からの信頼が厚く、好かれていた。だが六年前。ここ一帯で起きた武士同士の争いに巻き込まれこの世を去ってしまった。母も父がいなくなったことにショックを受け引きこもり、体を患い後を追うように亡くなってしまった。
道場は俺の兄さん・左京が受け継いだ。兄さんは言った。
「父さんも母さんもいなくなっちゃったけど、まだ右近には兄ちゃんがいる。兄ちゃんがお前を守ってやるから、たくさん贅沢させてあげるから、何も心配することはないよ」
10歳の俺と歳が4つしか違わないのに兄さんは俺よりずっと大人に見えた。
兄さんの道場はそこそこ賑わいを見せ、いなくなった顔ぶれも戻ってきてやっといつもの日常が戻ってきた。でもそれはほんの一瞬の間だった。
買い物の帰り。
「なんでネギ買い忘れたんだよっ!俺のバカ!!」
近道でいつもと違う道を通った時。
(あれ…?兄さん?こんな薄暗いところで何してるんだ?)
兄さんと男と口論している。
「おい。金はまだなのか!!」
「すみません…もう少し待ってください..もうすぐ用意できるので…」
「それを何か月繰り返していると思っている!!」
男が兄さんの胸ぐらをつかみ拳を振りかざそうとした。
「っ…!」
気が付いたら体が動いていた。
「兄さん!!!」
「…う…右近..!?なん、でここに…?」
「誰だ?お前は。……ああ、左京の弟か。お前、知らなかったのか?」
その時、俺は知った。俺が貧しい思いをしないように、借金までして家計を立てていたこと。
思えば兄さんの様子がおかしかった。時たま一日では稼げないような額のお金を持ち帰ってきて理由を問い詰めても給料がいい仕事だった、の一点張り。全ては俺の為だ。俺が貧しい思いをしないように、そのせいで理不尽な目に合わないように案じてくれていたのだ。
「なんで..なんで俺に言わなかったんだよ兄さん…相談してくれれば俺だって…力になれただろ…?貧しくても俺には兄さんがいてくれればそれでいいのに…」
「右近…」
俺は男の方に向きなおる。
「殴るなら俺を殴ってください。兄さんを傷つけるな」
声が震える。今まで俺を守ってくれた兄さん。今度は俺が…
「ほう、いい度胸してるじゃないか。さすがはコイツの弟だなぁw」
今度こそ男が拳を振りかざす。
「右近!!!」
強烈な拳が俺の顔に直撃した。
続く