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「右近!!」
「っ…..」
男にいいように殴られ続け俺は全身血まみれになっていた。
「まだ…まだだ…」
さすがに少し息が荒くなってきた。
「ハァッ、こんだけ、殴ってもまだ、立ち上がるかッ、ならお前ら!出てこい!」
物陰から男の部下がぞろぞろと出てくる。
「もうやめッ」
叫ぼうとした兄さんの口が塞がれる。
ああ、ここで俺、死ぬのかな。でも、兄さんさえ生きてくれれば――
「おーっとぉ、集団いじめはよくねぇなぁ」
「!?誰だ!?」
この声、真逆――
「小僧、待たせたな」
上に結わえた灰髪、濁った金眼。
「俺ァ、約束は守るんでなぁ」
あの時の――家の前に倒れていた男だ――!
「お前、何者だ!!」
「名乗るほどの名でもねえよ」
「まあいいや、まずはお前らを始末する。詐欺やってただろ。そいつら、金全部返してるぜ。」
「えっ!?」
「チッ、バレたかよッ、こんな早くバレるとは想定外だったぜ。よし、お前ら!こいつを切り刻め!!!」
男が部下に命令する。一斉に部下が灰色の死神に襲い掛かる。これ、あの人大丈夫なのか…?なんか展開はやない?
「おっと7人相手か。上等だぜ」
灰色の死神が刀を構え、襲い掛かってくる敵と対峙する。
「世の中も物騒になったもんだなぁぁ!!!!」
それからはあっという間だった。
灰色の死神は次々と敵をなぎ倒し全滅させたのだ。刀から鞘を抜かずに。
「す、すごい…」
思わず感嘆が漏れる。こんな剣術を持った人、初めて見た。
「あっあの!ありがとうございます!」
「じゃあ酒奢って」
恩を返すとか言ってたのに笑顔で見返り要求してきやがったコイツ。
「俺未成年です」
「チッ」
「ガチめの舌打ちやめてください仕方ないですから」
そういえば…兄さんは!?
「右近!!大丈夫か!」
「もう…大丈夫」
「ごめんな、右近。俺のせいで…」
「謝んなくてもいいよ。でももっと俺をt」
「うおっ、ベタぁ~」
「割り込んでくるなよ!!せっかくいいシーンになるとこだったのに!!」
「まあそう怒らなくても…救ってくださったんだし」
「でも…」
「……兄弟かぁ…俺にも…」
「え?なんか言いました?」
「いやぁ、なんにも?」
…ん?なんか地面揺れてないか?なんか遠くから音が迫ってきてるような…
「ちょっと、なんか地面が..」
「お、来た来た」
何が!?といいたいところだがここは黙っておこう。
「えなんかサイレンが」
「じゃあこれで俺はずらかるぜじゃあな!!」
「えっ?」
「あっこれ俺の連絡先!!金振り込むなら連絡して!!」
「振りこまねーよ!!!」
どんどん音が近づいてくる。
「うわっ!!大量の警察車両が!?!?!」
『あー、あー、このあたりで松上冬獅の目撃情報が入ったー。今すぐ出てきなさーい。さもなくば抹殺するー』
メガホンで叫ぶ警察。
「うわあ物騒だなぁ…怪しい奴とかさっきの人くらい…」
貰った紙を見る。連絡先の上の部分に『みんなのプリンス松上冬獅だお♥』と記されている。
「……」
「あいつじゃねーか!!!!!!!!!!」
で、数年後。
「…でいろいろあって今この俺冬獅さんが経営してる用心棒の仕事に就いたって訳だ」
「なんか飛ばしすぎじゃないですか?いろいろが一番大事な気がしますけど…」
「だとよ、作者」
いや、それはちょっと思いつかなかったというか…なんか早く次に進みたいなって思って…
「いや、ナレーション作者だったんかいぃぃ!!驚きだよ!!作者もこっちに無理やり入り込もうとしてきてるよ!!」
どうせなら出たいじゃんか。二次元行きたいし。二次元に行く方法全部試したけど行けなかった。あっでもこの馴れ初め編は右顧左眄(うこさべん)視点やで
「アンタまで名前いじりするのやめてもらえます?あとその熟語大体の人知らないですよ」
まあ私、天才なんで。……冷めた目で見るのやめてください。嘘です。『右 熟語』ってググりました。すみません。
「そういえば森昌さんはどういう経緯でここに?」
あれっ、スルー?悲しいよ作者。なんか森さんって言ってたのにいつのまにか森昌さんになってるし。
「昌は、まあ、昔の馴染みで俺が入らせたよー…って設定にしたって作者が言ってる」
おい、罪を擦り付けるな。
「森昌さんが可哀想」
「……」
「ほら、なんとも思ってないってアイツ」
「ジト目でこっち見てきてますよ」
「えっ珍しい、いつも顔に出さないのに~そんな出たかったの?」
えっ、そうなの?
「なんかピキッってますよ森昌さん」
あっ、マ?じゃあ今度メインのやつ作るから!!うんうん!!それでチャラで!!
「はぁ!?逃げんなお前!!共犯者!!」
うん、どんまい。
「ちょっ、おい!!え!?待て待て待て!!なんかごめん!!刀向けないで!!怖い怖い!殺しかねない!!なんとも思ってないような顔で殺されるのやだよ俺!!許さねえぞ作者あああ!!」
用心棒馴れ初め編はこれで終結でーす。次回は新キャラ登場しまーす(多分)
「ではまた!というかこのアフタートーク的なのでめっちゃ行使ってませんか?」
「痛い痛い!!無表情で首絞めないで!!ああああああああ」