テラーノベル
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ムダ先!空から…俺!?
7話 「月明かりの下で」
#四季愛され #死ネタ
01
「お前らそれが本気か〜?まだ俺本気出してねぇぞー!」
「くっっそ腹立つ彼奴!!」
「もう無理!!!」
「ロクロ!大丈夫か!?」
「ひぃぃ!」
「ここまで強いとは聞いてない!!」
「1回体制立て直すぞ!」
「あはは…死ぬ寸前とは思えない戦闘力…」
「これいつなったら皆が勝てるんですかね…」
「無理だろ。」
「経験の差がありすぎるな」
「あは、あはは…」
俺達の目の前ではとんでもない戦争が繰り広げられてた。それを見てムダ先たちは呑気に感想を述べる姿を見て俺は苦笑いしかできなかった
これに至った経緯は少し時を遡る必要がある。
02
時はまだ俺たちが二人で話してた頃まで遡る。
「なぁなぁ最後にもう1つお願いしちゃダメか?」
「さっき最後のお願いしてなかったか!?!?」
「いや、それはお前に対してだけど…これは皆へのお願いというか…」
「まぁそれなら…とりあえず言ってみろよ」
「えっと…死ぬ前に全力で戦いたいなぁって…」
「…お前アホだな。死にかけのやつが言うことか?それ」
「いや…年はとっても遊びたいもんだよ?」
「さっきも思ったんだけど…やっぱ世界線は違ってもお前は俺だなぁ」
「なんだよ急に…」
「まぁまぁ、じゃあさ…皆巻き込んで遊ぼーぜ」
「え」
「だーかーら。皇后崎もムダ先達もみーんな巻き込んで遊ぼーぜ」
「なんだよそれ…めっちゃ楽しそう!!!」
03
「ということで俺と遊んでくれる人!」
「いやどういうことだよ」
「ナイス突っ込み皇后崎くん。」
「いやさ、死んでまたループする前にはっちゃけたいなと思いましてね」
「てことでよろしいでしょうかムダ先。」
俺がムダ先の方を向いて聞くと…
「………」
「ダノッチそこは却下って言って。流石に医者としてこれ以上身体動かされるのは困るというか絶対ダメ」
「無陀野。迷うんじゃねぇよ。さっさと却下しろ」
「無陀野さん?」
これはいけそう…
「おい一ノ瀬、お前があれ言えばいけるぞ」
「まじ?やってみるわ」
一ノ瀬にコソコソ伝えると…
「お願いムダ先…最後だから…」
「…」
「ダノッチ!!動かされちゃダメだよ!?」
「チャラ先達もお願い…最近じゃずっと一人でやってたからみんなと過ごしたらこれからも俺頑張れるから…」
「うぐっ!!それ言うのズルい…」
「てめえも動かされてんじゃねぇか。それに過ごすと言ってもなんで戦闘なんだよ。」
「もっと穏やかなのは…」
「戦えないとやだー!」
「その心は?」
「前までは敵に本気だそうとしても弱すぎて満足できなかったので満足するほどに暴れたい」
言いやがったこいつ。馬鹿正直に言いやがった。
これダメだって言われるだろ…
04
許可貰えたわ。なんで?あの流れは却下の流れだっただろ。そう思う俺の目の前では皇后崎達と一ノ瀬の戦闘が繰り広げられてた。なんで俺は参加してないのかというと、チャラ先に禁止された。まだ安静にしてろって言われた。
「お前らそれが本気か〜?まだ俺本気出してねぇぞー!」
「くっっそ腹立つ彼奴!!」
「もう無理!!!」
「ロクロ!大丈夫か!?」
「ひぃぃ!」
「ここまで強いとは聞いてない!!」
「1回体制立て直すぞ!」
「あはは…死ぬ寸前とは思えない戦闘力…」
「これいつなったら皆が勝てるんですかね…」
「無理だろ。」
「経験の差がありすぎるな」
「あは、あはは…」
「おい無陀野!!お前等も手伝え!!」
「そうです!!先生達も参加してくれないとこれ一生勝てませんよ!!」
「だってダノッチ。参加してこれば?」
「はぁ…お前ら一度集まれ。」
「え〜まだこれからなのに…」
「これから俺達も参加する」
「…まってダノッチ。俺達もってなに?」
「まさか無陀野…俺たちも参加させる気か?」
「え!なになにムダ先だけじゃなくてチャラ先も真澄隊長も馨さんも戦ってくれるの!?」
「まって四季くん。非戦闘員がやることじゃないと思うんだけど」
「人が増えればなんとかなりますから参加しましょう。」
「そしてイケメンがしばかれればいい」
屏風ヶ浦と遊摺部が珍しく目をガン開きで真澄隊長達の前に迫ってる。
「遊摺部君のは絶対私情が混じってるよね?」
「まぁいいじゃん?せっかくなんだから真澄隊長達とも戦いたいなぁって思ってたし!」
「ガキが…勝てるとでも思ってるのか?」
「ふっふっふっ…負けると思うけどやってみたい!!」
ドヤ顔で言ってるけどダサい。そんな俺の顔見たくなかった。
05
「た、た、楽しいー!!!!」
「化け物かな?」
「遊摺部くん気持ちはわかるけど言い過ぎだと思う…」
「あれを楽しいなんてどうにかしてるだろ」
「負けると思うって言ってましたが嘘なのでは?」
「いつから俺は戦闘狂に…」
さっきとは真逆で生徒達が休憩も兼ねて観戦にまわり、先生達が戦ってた。さっさと終わるかと思ってたけどやっぱお互い強く、今は若干一ノ瀬の方が押されれてる。なのにめっちゃ楽しんでる。
「ちょあっぶな!こんなに体動かすの久々過ぎて死んじゃいそう!」
「そんな口開いてる暇あるならさっさと攻撃すれ」
「無理言わないでよまっす〜」
「馨さんって意外と体術できるんだね!?」
「偵察部隊と言っても一応元羅刹の生徒だしね…っとあぶない」
「なるほど…でも特にチャラ先が意外かも!」
「こんなんでも学生の頃はビシバシ鍛えられてたからね…ダノッチ!!」
「わかってる。血蝕解放。雨過転生。」
「あちゃ…全部燃やせるかなぁ」
と言いながら一ノ瀬は当然のように全ての矢を燃やしたのだった。
「めっちゃ余裕で燃やされてるぞ」
「無理でしょあれに勝つの」
「よく昨日殺されなかったね四季くん」
「意外とやるなぁ四季。」
上から皇后崎、手術岵、遊摺部、漣と声を発する。
「お前らも混じってこれば?それなら勝てるんじゃね?」
「…おい四季。お前彼奴のこと一発殴りたいんだよな?」
「そりゃもちろん」
「めっちゃ食い気味!!」
昨日の仕返しができてないので当然だ。
「じゃあ今から俺が言う作戦手伝いやがれ。お前らもだ」
かくして俺が彼奴を殴る…じゃなくて皆で彼奴を倒すための作戦を立てることにした
06
「後ろが空いてるぞ」
「知ってる!でも攻撃できるとでも?」
「ッ…あぶねぇな…馨!」
「はい!ごめんね四季くん!」
「うぎゃ!!」
「うわっ…めっちゃ身軽だね…」
真澄が完全拒絶で背後に近づき、ナイフで攻撃しようとするも、炎鬼の纏う炎の威力を上げられることにより真澄の攻撃は阻止された。
次に攻撃を仕掛けたのは馨。真澄の能力により姿を隠していたが合図と同時に蹴りを入れる。が、四季がバク転し、足を足で払い除けた。
「油断してるんじゃねぇ!!」
「余所見してるんじゃねぇぞ!」
「油断してないぞー。おいしょ」
「お前体術もできんのかよ!?腹立つ!!」
「のわっ!ロクロ!頼んだ!」
矢颪が血蝕解放で作った斧で死角から頭を狙い、漣が矢颪の後ろから殴り込みにきた。それを一ノ瀬は銃で斧を弾き飛ばし、体術で2人を受け流した。
「漣さん!矢颪くん!血蝕解放!死灰嵐舞!」
「手術岵…!お前のその姿やっぱかっけぇよな!でもごめん!厄介だからぽい!」
手術岵が覚悟を決めて血蝕解放し、攻撃を仕掛けようとするが一ノ瀬によって秒で退場したのだった。
「無陀野!屏風ヶ浦!」
「雨過転生」
「わかりました!お姉ちゃん!お願い!」
皇后崎の声により無陀野が真正面から雨過転生を放ち、屏風ヶ浦が反対側から同鬼連血で攻撃を仕掛ける。一見すると、逃げ場所が無く、避けぬと大怪我間違いなしなのだが一ノ瀬は笑顔を浮かべていた。無邪気な笑顔を。
「こ、こんな楽しいの初めてだ!」
そう言葉を口にすると同時に炎鬼の力を使用していたため赤く変化していた髪の毛が青に戻った。
青に戻ったように見えた。
「は、」
「え?」
それを1番近くで見たのは無陀野と屏風ヶ浦だった。赤い炎から青の炎に。辺りの温度が一気に上がる。
誰もが一度動きを止めた。皆が思った。綺麗だと。先程までとは全く違う姿に誰もが目を奪われた。本人ですら動きを止めた。何せ、最後にこの姿になったのは随分と久しぶりだったから。だがしかし、
「余所見してんじゃねぇぇよ!」
「あっっぶね!「俺をお忘れかい?」え」
皇后崎が斬りかかり、間一髪で避けたが、その先に四季がいた。そして
「昨日の仕返しじゃぁぁぁ!」
「ッ!!」
四季が一ノ瀬の顔面に拳を入れたところでこの戦いは幕を閉じた。
07
少し遠くへ吹き飛んだ一ノ瀬は倒れたままだった。
「…やり過ぎたかな?」
「あー。負けたぁぁぁぁ!やっぱ昨日のまだ根に持ってるじゃねぇか!」
「やられっぱなしじゃ気が済まないからな。どうだ?お望み通りだったか?」
「…そりゃもう満足通り越して死ぬほど幸せ」
「そうかよ。そりゃ良かったわ」
「おい四季!!!さっきのはなんだ!?」
「お、皇后崎。さっきの攻撃惜しかったな。」
「それよりもだ!お前さっき!」
「あぁ。あれね。あれが炎鬼の本気。炎って青いほど温度が高くなるだろ?それと同じ。」
「もっと詳しく説明しろ」
「うわっ!ムダ先!?」
それから皆集まって質問攻めされてた。
俺もできるけど、まだ1周目という設定だから絶対言えないけど。
08
時刻は真夜中。俺は寝てる皇后崎を起こさないように部屋を出て、外に向かった。向かう先はもう決まっている。
「やっぱりいた。昨日と逆だな」
親父の墓。そこに一ノ瀬はいた。昨日と逆。昨日は俺が背後から話しかけられた。でも今日は俺が話しかける。
「やっぱ来るよなぁ…」
「そろそろってところか?」
「あ、わかる?うん。もう意識落ちそう。」
「ふーん。」
「なんだよ冷たいな。」
「じゃあ背中さすった方がいいか?」
「いや、遠慮しとく。さすられた瞬間に死にそう」
「失礼だな」
冗談まじりの会話をする。静かな夜だ。
「お前が来て3日。あっという間だったわ。」
「まじでそれ。」
「今日楽しかったか?」
「…めっちゃ楽しかった。ほんと子供かってぐらいにははっちゃけたし。皆があんなに向き合ってくれてるって思うと幸せだった。…お前はこれからどうすんの」
「俺?んーそうだな…とりあえず目標の為に慎重に行動する…かな。今回だけで成功するかわかんないし。」
「そうか…なぁ」
「んだよ」
「お前のお陰で、失くし物見つかったわ。」
「…そっか良かったな」
「じゃあ、後はよろしくな」
「任せろって。お前はもう寝とけ。」
「…あ、りが、と」
「おやすみ。がんばろーな」
一ノ瀬四季が空から降ってきて3日目の夜。
俺より年上の一ノ瀬四季は息を引き取った。
09
『あんさ、お前にお願いがあんだけど』
『なんだよ…めんどくせぇな』
『最後のお願いだから!!』
『まぁ、話ぐらいなら』
『よっしゃ!じゃあさ、俺が死んだら骨も残らないぐらいに焼いてくれ!』
『…は?』
『いや多分明日まで持たないし多分今日の夜中ぐらいに死ぬからさ、』
『なんで俺が焼かなきゃいけねぇんだよ』
『いやさ?最初は海に沈めばいっか。って思ったんだけどこの世界に俺がいた痕跡無くすためには骨も跡形なく死にたいなぁって。だからお前にしか頼めない!な?』
『…しょうがねぇな』
「…ここじゃあれだし、崖の方で燃やすか」
俺は彼奴との会話を思い出しながら一ノ瀬を背負い、移動した。冷たい。
自分の死体を運ぶことなんてもう一生ないだろう。
10
崖まで移動し、背中に乗る一ノ瀬を地面に置く。
そして炎鬼になり、一ノ瀬四季に触れた。
パチパチと音がなる。だがその音もどんどん変わり、メラメラと激しく燃え始めた。
「もっと火力出さなきゃ…骨まで燃えないよな」
そう思ってもっと力を引き出す。どんどん黒が見えなくなっていった。ふと空を見上げる。
「…今日は満月か……俺も、失くしかけた物、失くさずに済んだわ。ありがとな。」
俺は炎鬼状態をやめ、月を背中に歩き出した。
足元が月に照らされる。
「…桃源暗鬼…か。もっかい読み直してから寝るか」
そう。あの本の名は桃源暗鬼。
まだその名の理由を知らない。けどあ彼奴はなにかに気づいてた。教えてはもらえなかった。きっと説明できないなにかなのかもしれない。それを知るためにはあと何回、何十回、何百回ループしなければいけないのだろうか。挫けてしまわないだろうか。そんな不安はなかった。約束したからだ。彼奴と。
絶対に、皆を救う。
11
後日談。
次の日の朝、一ノ瀬が消えたと騒ぎになりかけたが、どうやら彼奴は手紙を残してったらしい。
らしいというのは俺はその内容を見ていない。でもなんとなくわかる。だって俺の事だから。
その手紙を読んだ皆の反応は、泣く者や、悔しがる者、更には怒る者までいた。
俺が彼奴を燃やしたのは誰も知らない。
彼奴と俺だけの秘密だ。
さて、俺も頑張るか
あとがき
最終回です。終わりです。終わりです!!!
…改めてこの連載に続きはありません。なんだこの終わり方。って思う人もいるかもしれませんが、この連載で続きは書かないと決めてるのでご了承ください。
さて、ここまで見ていただきありがとうございました。次かく予定の別連載や読切も良ければ見ていただけると光栄です。
それではありがとうございました。
2話から6話にかけての題名は四文字熟語でした。その解説です。
2話 「狂言綺語」
道理に合わない言葉や作り飾った言葉。
これは空から降ってきた四季くんの事を指します。明るく話す彼の裏にはとんでもない殺気が隠れていることを意味しました。
3話 「暗雲低迷」
不穏な気配が続き、悪いことや困難な事態が起こりそうな不安な状況。
ついに牙をさらけ出した四季の事を指します。
4話 「蛍雪之功」
苦しい環境の中で勉学に励むこと。
何度も繰り返し、絶望に染まりそうになりながらもみんなを助けるために努力する四季を現します。
5話 「一発即発」
ほんの少しのきっかけで、すぐに大事件や争いが起こりそうな、非常に緊迫した危険な状態を指す。
無陀野達にとっていきなり現れた自称未来の一ノ瀬四季を警戒していたことを指します。
6話 「生生流転」
この世のすべてのものが絶えず生まれ変わり、変化し続けて止まることなく移り変わっていくこと
何度も繰り返す彼等の事を指します。
これは裏話なのですが、それぞれの話にあった四文字熟語を探すのに無駄にこだわって毎回時間かけて調べてました。
コメント
12件

めっちゃ泣いたしめっちゃ感動した。個人的に虫歯になった回数が違うと爆笑した
次の作品の質問です。 この返信欄の中に3つネタがあるのでその中から興味のあるものを教えてください🙌🏻全て四季愛され予定です
めちゃくちゃいい終わり方( ߹꒳߹ ) もうさ、なんか…もう頑張ってる2人はほんとかっこいいよ!!めっちゃはっちゃけてるのも可愛し♡尊いし!本当最高です✨ しかも本の名前が、桃源暗鬼なのも、最後焼いてって言うのももう全部最高だし、四字熟語のやつもすっごいこだわってるんだなって伝わってきました!