ケチャップからの連絡が途絶えて数ヶ月。アポなしで来るなと言われていたものの、流石に心配になった俺はケチャップの世界へ行き、そこでリセットが行われたことを知った。
そんで、ダメ元で会いに来てみれば…
「オリジナル〜」
「なぁテレビつけていいか」
「なんか懐かしいな。ここ」
「…はらへった」
「…」
この有様だ。なんだこいつら。
6人の取り巻きの中にいる本人は相変わらずへらへらとした笑顔を貼り付けて、ほいほいだの適当に返事していた。
「遅かったな」
そう言ったのは触手の生えた黒いスケルトン。タコみてぇだな。
口角を釣り上げて笑うそいつはその見た目も合わさって妙な不気味さを放っていた。
こいつも、いや、ここにいる奴ら全員
“サンズ”なのか?
ケチャップに酷似した見た目。
違うと言えば目の色や服…LOVE。
…戦って敵う相手じゃねえな。
「で、なんだオメェら。」
「あはっ!やっぱ知名度低いんじゃんw闇の帝王のクセにww」
ヤミノテイオウ?初めて聞いたけど。
つかそんな笑うポイントあったか?
そのサンズは目から黒い液体を流しながらケタケタ笑っている。
グリッチまみれの黒いヤツ、
頭に穴が空いてるヤツ、
空気と会話してるヤツ、
なんか白黒のヤツ…
あとさっきのタコ。
見た目といいLOVEといい、コイツらは大分イカれてるらしい。
こんな奴等に取り囲まれて平然としてるケチャップが不思議だ。
「ッチ。おいケチャ─」
「ところで、アンタは誰なんだ?」
あー、そうだった。そうなんだよな。
「…どうしたんだ?」
「……ソイツもサンズだ。
フェルとでも呼んでやってくれ。」
答えない俺の心情を察したのか、タコ野郎が薄い笑みを浮かべながらそう言った。
「そうか。よろしくな。オイラは…あー
こいつらからはオリジナルって呼ばれてるけど…まあテキトーに呼んでくれよ。」
「……ケチャップ」
「ん?なにか言ったか?」
こいつは…ケチャップだ。
でも、ケチャップじゃない。
「いや、なんでもねぇ。よろしくな。
オリジナル──」
それから、俺たちサンズの世にも奇妙な関係が始まったわけで。
あいつらは闇AUだのうんたらかんたら言ってたな。
まあケチャップとBOSS以外の野郎に興味なんてさらさらないが。
このときから、ケチャップ──、オリジナルの世界に通い続けたのは、もしかしたらアイツの面影を求めていたんじゃなくて、少なからず、俺も”予感”を感じていたのかもしれない。
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