私は絶対立ち上がる。たとえどれだけ世界がそれを望んでいないとしても 、それは貴方の為であり、私のためだから―
キーンコーンカーンコーン
ワイワイガヤガヤ
いつも通りの学校。今日も起きて、学校へ行き、帰って、寝る。
「はぁ。なんか変わった事でも無いかなぁ。」
私はこの生活に少しづつ飽きてきたような気がした。何か別の生き物にでもなってみたい。
「加奈さーん!」
私を呼ぶ声。振り返ると、そこには友達の志保がいた。
「どうしたの?」
「今日ってお迎えの人いる?」
私はある事が起きてからお迎えの人に毎回頼むようになっていた。でも今日はいない、どうしたんだろう。まぁ今日くらい変わった事でもしてみたいしなぁ。
「そうだね、じゃあ一緒に帰る?」
「良いの?やったー!!」
私と志保の家はとても近く、昔はよく遊んでいた。今もまだ学校でよく一緒に行動する仲だ。
久しぶりの歩いての下校は楽しかった。夕焼けの光が映った川はどこか穏やかな表情をしている様でとても美しい。
「ねぇねぇー」
「ん?何〜?」
「加奈ってさー彼氏いる?」
「ふぇっ?!」
私は事務所から恋愛禁止と言われている。興味はあるのに出来ない、飽きている理由の一つでもある。
「居ないよー事務所にバレたらヤバいしねー。」
「そっかあーせっかく100年に一度の美女なのにね。」
「もうその話は辞めてよーw」
私は中学生の時、あるコンテストで優勝した。その時から事務所に入ることが決まり、100年に一度の美女と言われるようになった。その時はとても嬉しくて、飛び跳ねそうな気持ちで、、今はもう飽きちゃったけど。
そんな話をしていると志保の家の前にもう着いてしまった。
「楽しい時間は過ぎるのが早いね。」
「そうだね〜じゃあまた!加奈ちゃん!」
「うん。また明日。」
志保と別れたあとは少し歩いてすぐ自分の家に着いた。
「今日の事、お母さんに話そっかな。」
そんな事を考えながらドアノブを握る私。
異臭がした。例えるならそう、血の匂い。
私はすぐドアを開けた。
「お母さっっ?!」
そこには刃物を持って立ち尽くす男と血を出し倒れている母。その男は私を見ると刃物をこっちに向け、私のことを―
気がつくと私は森の中にいた。
「ここは、、どこ、?」
携帯を出そうとしたその瞬間。違和感に気づいた。
「え、、私の手、、白い?」
一話 終わり
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