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唇が離れて、数秒。どちらも動かない。
佐久間「……」
渡辺「……」
佐久間「えっと」
渡辺「喋んな」
佐久間「なんで」
渡辺「今喋ると、変なこと言いそう」
佐久間「もう十分変なこと起きてるけど」
渡辺「それは……否定しねえ」
佐久間「ねぇ翔太」
渡辺「……」
佐久間「翔太、こっち見て?」
渡辺「……なんだよ」
佐久間「……顔、赤くない?」
渡辺「お前に言われたくねえ」
佐久間「俺も?」
渡辺「うん、真っ赤」
佐久間「……そっか」
渡辺「後悔してる?」
佐久間「……してない」
渡辺「……」
佐久間「でも、まだ整理ついてない」
渡辺「分かってる」
佐久間「キスしたのは事実だし、少し時間ほしい」
渡辺「…分かった、待つ」
佐久間「待てるの?」
渡辺「得意じゃねえけど」
沈黙が流れる中、
扉がうるさく響いた。
向井「おっはー!」
深澤「おーっす」
佐久間「…おは〜」
渡辺「…ッス」
向井「なんかしょっぴー、さっくんと近くない?」
深澤「…珍しいね」
渡辺「…あ?あぁ、まぁな」
佐久間「お、俺、トイレ!」
向井「おぉ、さっくんどうしたんや?」
「お腹壊したんかな?朝から大変やで〜、なぁふっかさん」
深澤「…そうだね」
「ねぇ、翔太は知らない?」
渡辺「し、知らねぇ」
深澤「ふーん…」
ーーーーーーーーーーーーーー
佐久間side
廊下を歩きながら、頭の中がうるさい。
勢いで出てきちゃったけど、何がどうなってんだよ…
(キス、したよな)
(翔太が、あんな顔なんて…)
スマホを握る。
(冗談だと思ってた)
(友達みたいなもんだって、決めつけてた)
唇に指が触れる。
(……嫌じゃなかった)
思い出すのは、近さと声と、真剣な目。
(あぁ!ドキドキしすぎて何も考えられん…)
(落ち着け、俺)
深く息を吸って、また歩き出す。
(……ちゃんと考えよう)
翔太のこと。
あのキスの意味。
自分の気持ち。
そう決めて
佐久間はまた歩き出した。