コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
「はぁ〜」
今日はよく寝た、こんなに気持ちよく起きる朝は久しぶりだ。
時刻は6時丁度。
今日は土曜日なのにこんなに早く起きる必要は無い。
だが就寝が早かったのか早く起きてしまった。
そして第一に彼女のことを考える。
ベッドを見渡す、しかし、そこに彼女の姿はない。
もしかしたら昨日のことは夢だったのではと少し虚しくなりながらもリビングに降りていく。
グッと背伸びをしてリビングのドアを開ける。
そこには彼女がいた。
何やら朝ごはんを作っているらしい。
少し凍えた空気の中で彼女は一生懸命作っている。
「おーい」
俺は彼女に話しかけた。
「ビクッ」
彼女の体が跳ね上がる。それは正しく猫のようだ。
「お、起きてたんですか…」
昨日より慣れた口調で話す。
「起きるの早いね」
「頑張って起きたんです」
彼女は朝ごはんを作るために早起きしてくれたらしい。
「はは、ていうか敬語じゃなくてもいいよ、昨日みたいな感じで」
「いえ、私が好んで敬語使ってるんですから」
随分と会話に慣れたようだ。
「猫でも喋れるの不思議だよなぁ〜」
「私でもよくわからないです」
彼女はそんな曖昧な返答をする。
俺は彼女の料理を心待ちにしてソファーに座った。
「出来ました。」
その声とともにしっぽを機嫌よく動かした彼女が歩いてくる。
「宮谷さん何が好きか分からなかったので目玉焼きとベーコン焼きました」
「おお、ありがとう」
こんな朝から優雅に朝食を食べるのは久しぶりだ。その上こんなにも可愛い猫と。
「じゃあ、食べよっか」
2人で椅子に座り「いただきます」の声で食べ始めた。
「って言うかさ、名前ないんだよね?少し不便じゃない?」
「た、確かに」
急な質問に少し驚きながらも少し気にしていたようだ。
「名前決めよっか、」
「はい!」
元気な声で返事する。
「名前の候補は…」
白紙に名前を書いていく。
「これだ!」
候補の名前は、たま そら みな みどり ことは
この5つだ。
「たま?」
疑問そうにそう呟く。
「ほら、猫に良く使うじゃん」
「人間で考えてください!」
「しょうがないなー」
俺はそういい「たま」に二重線を引いた。
「ん〜、俺的にイメージにあってるのは、「みどり」か「ことは」かなぁ、ほら、顔が可愛いし髪が緑だからとりあえず可愛いくて優しい名前つけたいじゃん」
そういうと彼女は分かりやすく顔を赤くした。
「そ、そうですか…」
少し恥ずかしそうに相槌を打つ。
「でしたら、私はこっちの方がいいです。」
彼女は「みどり」の方に指を指した。
「分かった。じゃあ今日から「みどり」ね」
「はい!」
満足気に声を上げた彼女…いやみどりは嬉しそうに皿を片付け洗い物をし始めた。
俺は小声で
「これからが楽しみだな、」
と呟いた。