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「うっわ、キレイだね〜・・・」
真夜中のドライブ
たどり着いた場所は、山道の途中にある展望所
そこからの見下ろす夜景もキレイだけれど、見上げれば澄んだ空気の冬空に、無数に散りばめられた輝く星
『こんないい場所、知ってたんだね』
白い息を吐きながら、蓮も空を見上げている
展望所には誰もいなくて、貸切状態
だから変装なんかせずに、お互い素の自分のままで外に出れる
「子供の頃にさ、家族で来たんだ。ドライブがてら流星群とか見に」
『結構、ロマンティックなことしてたんだね』
「まぁね〜。それにここ、人があんまり来ないし、いつか蓮と来たいって思ってたんだよ」
『・・・ありがとう』
蓮が日本に帰ってきて、2週間
帰国直後はメディア出演とか多くて、一時帰国の時と変わらない殺人的スケジュールだったけど、それがようやく落ち着いた
明日は帰国後の初オフということもあって、久々に2人で晩御飯に行った後、夜の散歩に誘い出してみた
もちろんオレの運転で
星が好きな蓮なら、きっとこの場所を好きになってくれるんじゃないかなと思ってた
しばらくお互い無言で、ただただ星を見上げてた
でも、その静寂を破ったのはオレだった
「・・・っつ、くしゅん!!」
それなりに防寒してるのに、うっかりくしゃみが出た
いい雰囲気だったのになぁ・・・
『寒い?』
「え〜、大丈夫だよ。ま、冬だしね」
『無理しないで、風邪ひいたら元も子もないよ』
そう言って、蓮が背後からロングコートの中にオレの体を入れて、密着するように抱きしめてきた
「っと、おぉーい・・・」
『あったかいでしょ?』
「まぁ、そりゃ・・・って、こんなにコート開けてたら、お前も風邪ひくって」
『大介があったかいから、大丈夫』
オレを抱きしめる腕にはそれなりに力が入ってる
しばらく離れる気、全くなさそう
『・・・やっと、大介のところに戻って来れた』
「うん・・・、おかえり」
『向こうにいる間、ずっとこうしたかった』
「そ、そうか・・・」
なんで、こいつはそんなキザなことを自然に言えるんだろうなぁ・・・
おかげで、オレの心臓がバクバクし始めてる
たぶん、顔も赤くなってる気がしてる
「あ、そうだ!蓮」
『ん?』
「お前、1人で海外で頑張ってきたんだからさ、なんかご褒美っつーか、何かあげたいんだけど」
『え?』
「これ欲しいとか、行きたい場所とか、やりたいことあったら叶えてやるよ!なんでも」
愛しい人が長期間、1人で頑張ってきたんだから、何かしてあげたいと思ってた
まぁ、手料理は・・・、手の込んでるものとかは無理だけど
蓮に向き直って、返事を待つ
『・・・なんでも?』
「おう、なんでも叶えてやるよ!、・・・できることはな!」
『・・・じゃあ、さ』
蓮が真っ直ぐな瞳で見つめてくる
あれ、なんか・・・、どっかで見たことある気がする、この状況
『俺と、一緒に暮らしませんか?』
「へ・・・・・・???」
蓮の口から出た言葉は、想定してなかった
オレはまた頭が混乱し始めてる
く、暮らす・・・・・・?
「・・・・・今、なんて?????」
『聞こえなかった? 大介と一緒に同じ家で暮らしたい
・・・ずっと、俺の隣にいてほしい』
そう言って、蓮は俺の両腕を掴んだ
キツくはないけれど、決して離さないという気持ちが伝わってくる
あ、これ、そうか
蓮が最初に告白してきた状況と同じだ
あの時、オレ、逃げたもんな
『向こうにいた時、身に沁みてわかったんだ。帰る場所があるっていう有り難さとか、安心感が』
「そ、そうか・・・」
『だから俺が帰る場所は、大介がいる所がいいんだ.。・・・というか、そうじゃないとダメなんだ』
「れ、蓮・・・、あ、あの、そ、そ、そ、それって・・・」
つまり、
蓮が言ってることって・・・
『俺のパートナーになってください』
・・・プロポーズってことだよな、これ
こんな状況になることを考えてなかったから、何て答えていいのかわかんない
「れ、蓮・・・、えっと、あの・・・」
『今日は、もう待たないから』
「んぇ?」
『今すぐ答えが聞きたい』
「えぇ・・・」
お、追いつかない・・・
いろいろマンガとかでこーいうシーン見たことあるけど、どんな言葉で返してたっけ?
答えは決まってるんだ
でも、言葉がうまく出てこない
金魚のように口をパクパクしてるオレを見て、真剣な顔だった蓮が耐えきれずに吹き出してしまった
なんなんだよ、もう!
「おい・・・」
『や、ごめん。あんまりにも可愛くて、つい・・・』
「おい! 可愛いって!!」
『ごめんごめん、カッコいいんだよね』
「・・・楽しんでるだろ、お前」
一応、真剣に考えてんだぞ、こっちは
余計に言える雰囲気じゃないじゃん・・・
『で、答えは?』
「・・・今、言わなきゃダメか?」
『じゃあ、ベッドの上で言わせようか?』
「なっ・・・!!!」
『それがイヤなら、今じゃないとダメ』
わかってんだろ、オレの答え
わかってる上で、言わせようとしてる
罰ゲームかよ・・・
「蓮、オレ・・・」
『ん』
「・・・オレも、蓮の隣にいたい」
『・・・うん』
「これからも、ずっと・・・、一緒にいて」
『・・・一緒にいよう、ずっと』
腕を掴んでいた手が、背中に回ってきて優しく抱きしめてくれる
ふんわり鼻を擽ってくるのは、蓮の金木犀の香り
それだけで、なんだか安心する
オレが帰る場所は、蓮の腕の中だけ
どんな場所でも、どんな時でも、蓮がいるだけでいい
気づいたら、涙が勝手に出てきていて、蓮の手が優しく拭ってくれる
暖かくて、大きな手
その手に自分の手を重ねたら、ゆっくりと蓮の顔が近づいてきて
蓮の背中から降り注いでる月の光のせいで、今、蓮がどんな顔をしてるのかはわからない
でも重ねた唇から、蓮の気持ちが十分すぎるくらい伝わってきて、それでまたオレの涙が止まらなくなった
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