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景井「これで、やっと脱獄成功だ。」
透「信じられない… 俺たちがこんな場所から出られるなんて。でも、まだお前の言ってる『黄泉』ってのがよくわからない。」
景井「説明は後だ。まずは、外の世界を見ろ。」(景井は扉を開け、透を外に出す)
透「…なんだ、この景色は…? まるで何かが壊れたみたいだ。」
景井「それが“黄泉”だ。あの空間、あのシステムはただの電脳空間じゃない。俺の家族、俺の父親とその一族が作り出した… それは人間の意識、記憶、すべてを取り込むシステムだった。」
透「人間の記憶を取り込む…?」
景井「そうだ。黄泉は、俺の家族が人間の“死後”を再現しようとしたものだ。しかし、そいつらがどんな方法を使ったのか、今ではとても人間的じゃない。それを壊すために、俺はあの『呪術師ゲーム』を始めた。」
透「呪術師ゲーム…あれって、まさかお前が関わっていたのか?」
景井「当然だ。俺がその『ゲーム』を通して、奴らの作り上げた空間を崩すために戦ってきたんだ。」
透「でも、そんなゲーム、俺たちを巻き込んでどうすんだよ…?」
景井「それは、俺が黄泉を破壊するために必要な手段だった。お前が生き残っていた理由も、ただ一つ。お前の力が、俺の計画には欠かせなかったからだ。」
透「俺の力?」
景井「お前が持つ、その『無力さ』。それが、黄泉のシステムを逆に引き裂くカギなんだよ。」
透「なんだよ、それ…どうしてそんな理屈になるんだ。」
景井「時間が無い。黄泉の崩壊が近づいてきている。今、俺たちが進まなければ…残りの500万人も、残った国々も、すべて滅びる。」
透「500万人?!」
景井「人類は今、500万人しか生き残っていない。残っているのはモンゴル、日本、アメリカだけ。黄泉が完全に動き出した今、それらの国々も時間の問題だ。」
透「それが、お前の“野望”なのか。黄泉を壊して、何をするつもりだ。」
景井「俺の野望は、破壊することだけじゃない。壊すことで、新たな世界を作り直すんだ。」
透「新たな世界…?」
景井「俺は、もう一度人間を、自由な意識を取り戻させる。虚構を壊すことが、俺の目的だ。」
透「それで… 俺がその手伝いをするってわけか。」
景井「その通りだ、透。お前にはその力がある。」
透「…どこまでも自己中心的だな、景井。」
景井「でも、覚えておけ。俺がやることは、世界を救うことなんだ。」