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よく晴れた朝、あたしは校門の前で友達を待っていた。
瑞希「和泉〜!!ごめーん!!」
和泉「瑞希!あんた遅刻よ!」
瑞希「マジごめん!今度、ジュース奢るから!さ、行こ行こ!」
和泉「もー、あんたね……!!」
私の友人の清水瑞希は、高校生とは思えないほど子供っぽい。
名家出身であるのに関わらず、天真爛漫。
でも、時々全てを見透かしているようななんとも言えない表情をする。
瑞希「どした〜?」
和泉「なんでもないー。」
瑞希「そ。」
和泉「てか、数学のワークさ、今日提出だったよね?」
瑞希「………マジ……?」
和泉「マジだってw」
友達と他愛のない話をして笑う。
数ヶ月前のあたしでは、想像つかなかっただろう。
教室に着くと、瑞希は一気に注目の的となった。
クラスメイト1「あ、清水さん。おはよう!」
瑞希「おはよー。」
クラスメイト2「清水さん!今日一緒にお昼ご飯食べない?」
瑞希「ごめん。和泉と食べる約束してるから、無理かな〜。」
クラスメイト2「へー。そっか。なら、仕方ないや。」
あたしたちは、普通の人間じゃない。
普通の人にはもっていない能力がある。
そして、それらを管理するここは、向日葵(ひまわり)学校と呼ばれている。
この学校の中では、能力を持っているのが普通だ。
あたしも瑞希も、当然能力を持っている。
クラスメイト3「清水さんって、なんで雪女のこと、構ってるんだろうね?」
クラスメイト4「さぁ?慈悲とかw?」
陰口を言われるのは慣れている。
瑞希の隣にいる以上、仕方がないことだ。
瑞希「和泉ー!移動行こー!!」
和泉「はーい。」
クラスメイト5「雪女は、雪女らしく雪山に篭っといたらいいのにねw」
あたしの能力は、雪。
代々、雪女の血を引いている。
だから、あたしのあだ名は「雪女」ま、事実だからいーけど。
そして、瑞希の能力は多様。
この世のあらゆる能力を使えるらしい。
だから、瑞希の周りには能力目当ての子が集まってくる……と瑞希は言っていた。
ま、そうだろーなと薄々気づいていた。
瑞希「……………和泉。」
和泉「ん?」
瑞希「和泉は、変わらないでね。」
和泉「?……うん。」